昨日(9月27日)の米国株は堅調で、ダウは133.47ポイント(0.74%)、ナスダックは48.22ポイント(0.92%)上昇した。
株価を支えたのは好調な経済データと大統領選のテレビ討論でクリントン氏が優勢だったことを市場が好感したことによる。
民間調査機関カンファレンスボードが発表した9月の消費者信頼感指数は104.1とリーマンショック以降で最高となった(WSJの事前予想は99.1)。
消費者信頼感指数が堅調だったことから、旅行関連銘柄の株価が急上昇。またハイテク銘柄も市場をけん引した。私が注目しているアマゾンは2.12%上昇して、816.11ドルへ。ついにグーグルの株価(終値810.73)を抜いてしまった。
さて今日の主題は大統領選のテレビ討論会の結果について。
当然のことながら双方の陣営が勝利宣言を行っているが、フォーカスグループの反応を分析したWSJの記事によると、クリントン陣営に旗が上がったと思われる。より正確にいうと、クリントンが勝ったというよりはトランプが準備不足や極めて無作法な発言で自滅したという評価が正しいと思われる。
WSJの記事のタイトルはUndecided Voters react coolly to Donald Trump during debate「態度を決めていない選挙民はテレビ討論の間トランプに冷淡に反応した」である。
クリーブランドの浮動票層のフォーカスグループを調査したところ、11名がクリントンの勝ち、17人がどっちも勝っていないという評価で、トランプが勝ったという人はゼロだった。
ペンシルバニアにおける同様の調査では、16名がクリントンがよりインパクトを与えたと言い、6名が双方同じだったと言った。
また二人の印象を短い言葉で表すと、トランプについては「出だしは強かったが、最後は弱くなった」「大げさ・大言壮語」bombastic「大統領らしくない」「ぞんざい・ずさんな」sloppyという言葉が並んだ。
クリントンについては「準備が行き届いている」「手堅い」「力強い」「お決まりの」same oldという言葉が並んだ。
トランプは既に支持している層を固めることはできたとしても、浮動票の取り込みには失敗したということになる。もっともウオールストリートはクリントン支持のペーパーだということを頭に入れておく必要はあるが。
株式市場は少なくとも短期的にはクリントンの勝利を歓迎する。それは「不確実性」がトランプより不確実性が少ないからである。