金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

堅調な消費者信頼感指数とトランプの自滅で米国株上昇

2016年09月28日 | 株式

昨日(9月27日)の米国株は堅調で、ダウは133.47ポイント(0.74%)、ナスダックは48.22ポイント(0.92%)上昇した。

株価を支えたのは好調な経済データと大統領選のテレビ討論でクリントン氏が優勢だったことを市場が好感したことによる。

民間調査機関カンファレンスボードが発表した9月の消費者信頼感指数は104.1とリーマンショック以降で最高となった(WSJの事前予想は99.1)。

消費者信頼感指数が堅調だったことから、旅行関連銘柄の株価が急上昇。またハイテク銘柄も市場をけん引した。私が注目しているアマゾンは2.12%上昇して、816.11ドルへ。ついにグーグルの株価(終値810.73)を抜いてしまった。

さて今日の主題は大統領選のテレビ討論会の結果について。

当然のことながら双方の陣営が勝利宣言を行っているが、フォーカスグループの反応を分析したWSJの記事によると、クリントン陣営に旗が上がったと思われる。より正確にいうと、クリントンが勝ったというよりはトランプが準備不足や極めて無作法な発言で自滅したという評価が正しいと思われる。

WSJの記事のタイトルはUndecided Voters react coolly to Donald Trump during debate「態度を決めていない選挙民はテレビ討論の間トランプに冷淡に反応した」である。

クリーブランドの浮動票層のフォーカスグループを調査したところ、11名がクリントンの勝ち、17人がどっちも勝っていないという評価で、トランプが勝ったという人はゼロだった。

ペンシルバニアにおける同様の調査では、16名がクリントンがよりインパクトを与えたと言い、6名が双方同じだったと言った。

また二人の印象を短い言葉で表すと、トランプについては「出だしは強かったが、最後は弱くなった」「大げさ・大言壮語」bombastic「大統領らしくない」「ぞんざい・ずさんな」sloppyという言葉が並んだ。

クリントンについては「準備が行き届いている」「手堅い」「力強い」「お決まりの」same oldという言葉が並んだ。

トランプは既に支持している層を固めることはできたとしても、浮動票の取り込みには失敗したということになる。もっともウオールストリートはクリントン支持のペーパーだということを頭に入れておく必要はあるが。

株式市場は少なくとも短期的にはクリントンの勝利を歓迎する。それは「不確実性」がトランプより不確実性が少ないからである。

 

 

 

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アマゾン株は1,000ドルを目指す

2016年05月11日 | 株式

昨日サンフォード・バーンスタイン社のアナリストがアマゾン株のプライスターゲットを1,000ドル(一昨日の終値は680ドル)としたことを受けて、アマゾン株は3.4%上昇して703.07ドルとなった。

また昨日アマゾンは「アマゾンビデオダイレクト」の開始を発表した。これはアルファベット(グーグル親会社)のユーチューブに対抗するサービスだ。

アマゾンビデオダイレクトの発表も株価押し上げ要因の一つだったろう。サンフォード・バーンスタインはかなり強気だが、JPモルガンチェースのアナリストも「アマゾンの株価は12カ月以内に915ドルに達する」という見方を示している。

アマゾンの株価が上昇している大きな理由は利益率の改善だ。昨年12月の高値を抜けて初めて700ドルを付けたアマゾンの株価。

1,00ドルは欲張りとしても900ドル近くまで上昇する可能性はあると私も考えている。市場がややリスクオンになっている現在買い増しするかどうかは考え物だが、持っているならしばらく持ち続けたい株である。

 

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米ダウ、コレクションから脱却

2015年10月23日 | 株式

昨日(10月22日)の米国株は、好調な企業決算とECBのドラギ総裁が12月の政策会合で新たな金融緩和策を取る可能性を示唆したことから急伸した。

ダウは320.55ポイント(1.9%)上昇し、17,489.16ポイントで引けた。ダウは5月の高値から13%以上下落して、コレクション状態(ピークから10%以上の株価下落)に陥っていたが、最安値から9.9%上昇したので、コレクションから脱出したとWSJは報じていた。

米国株が上昇した要因には、個別企業の業績が堅調だったこともあるが、連銀が金利引上げを来年に延ばすという見方が広がったことが大きいだろう。

1カ月前では12月に政策金利を引き上げると予想した人は42%だったが、昨日では32%に減少している。

昨日のダウを押し上げた最大の要因はマクドナルドの株価が8.3%急騰したことだった。同社の全世界の既存店売上が4%増加したことが好感されたようだ。

場が引けた後、決算発表を行ったアマゾンは8%、アルファベット(グーグル)は9.9%株価が上昇した。

マーケットのセンチメントが変わったことで、今日の日経平均は相当上昇するだろう。日経平均のレンジは500円きり上がって18,500円~19,000円に移るかもしれない。

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荒れて始まる2015年の相場

2015年01月06日 | 株式

2015年の株式相場は荒れたスタートとなった。今日1月6日の日経平均は525.52ポイント(3.02%)下落して、16,883.19ポイントで引けた。朝テレビで「今日の相場予想」を見ていると、一時的には17,000ポイントを切るだろうが、その後盛り返す可能性もある、とあるエコノミストはコメントしていたが、希望的観測は見事に外れた。日本株の大幅下落は、昨日ニューヨークで株価が急落した地合いを引き継ぐものだが、ニューヨークダウやS&P500の下落幅が1.8%代だったのに比べて、6割以上も増幅した下落となり、日本株の相場を牽引する外国勢が弱気になり、売りに回っている様子がうかがえる。

米国株が急落した原因は、原油の急落やギリシア情勢が原因と言われる。原油は一時的に1バレル50ドルを割り込んだ。これは約5年半ぶりのこと。相場が悪くなってくると、投資家たちの眼には次々と悪材料が入ってくる。

CNBCのニュースを見ると、米国のmargin debt(証拠金債務)の水準は、GDP比率で見ると昨年末に大恐慌が起きた1929年以来の高水準になっている。年末のmargin debtのGDPに対する比率は2.91%だった。1958年以降のMargin debtの平均水準は1%で、これが2%を超えると危険水域と考えられているようだ。実際margin debt比率が2.5%近くまで上昇した2000年(ハイテクバブル)と2007年(住宅バブル)の後には大きな株価下落が起きている。

Margin debt比率から見ると、お金を借りて株式投資に勤しむ人が増えている現在の米国株式相場はバブルの様相を呈していると判断できそうだ。

株式相場は一般に半年ほど、相場を取り巻く外部要因を先読みすると言われている。今から半年後に予想される大きな出来事は米連銀の政策金利引上げだ。金利引上げは短期的には株式相場にマイナスに働くと考えられるので、投資家は株式へのexposureを減らそうと考える。この買い控えにより相場が下落し始めると、margin call(追証)を恐れる投機家が売り急ぐ可能性がある。売りが売りを呼んだ場合、かなり相場がかなり下落する可能性を否定できないだろう。売るとなると米国株だけではなく日本株も売られる。

今年の相場は~特に米連銀の金利引上げの影響が織り込まれるまでは~かなり荒れた展開になるだろう。易経は「「亢竜の悔い有り」と教える。昇りつめた龍は後は降るしかないという意味だ。上昇し続ける相場はない。必ずどこかでcorrection(水準訂正)と呼ばれる大幅(通常株価等価格の10%以上の下落をcorrectionという)な水準訂正が起きる。

問題はその後である。過去の米国株のヒストリーを見ていると大幅下落の後、5年程度で過去の水準を回復している。仮に株価が大きく下落するとして、そこを「買い場」と見るかどうかは、その人の相場観だけでなく、人生のステージ(どれ位長生きするか)をどう考えているかにも関わるだろう。

余程自分の予知能力に自信のある人以外はこのような時は「株と債券」をミックスしたバランスファンドを大事にして、株のウエイトを落としておいて大きな誤りはないと私は考えている。

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日経平均とダウの競争

2014年12月07日 | 株式

先週一時的に日経平均株価がニューヨーク・ダウを一時的に抜いた。木曜日のダウの終値が17,900.10ポイントで金曜日の日経平均が17,920.45ポイントだったからだ。金曜日のダウは、非常に好調な雇用統計を受けて、17,958.79ポイントに続伸したので、またダウが日経平均株価を上回った。しかしシカゴ先物市場で日経平均先物は18,075ポイントをつけたから、明日(月曜日)の東京市場で日経平均がダウを上回る可能性は高い。

日経平均とダウは構成銘柄数が違うので単純な比較はできないが、今回の株高局面で競い合っているのはおもしろい現象だ。今年の10月以降は特に2つの指数の相関関係が高まっている。

もっとも日経平均が38,915.87ポイントの最高値をつけた1989年末のダウは1/10以下の2,753.20ポイントだったから長い間では相関関係は高くないのだろう。

日経平均とダウの競争が続くのか?あるいは日経平均が息切れするのか?または双方ともオーバーヒートして、調整局面に入るのか?興味深いところである。

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