金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

飯豊山前夜

2009年04月30日 | 

山に行く前日は気持ちが高ぶる。特に春の飯豊山となるとわくわくしてくる。何故かというとまず飯豊山は私にとって初めての山だ。そして大きな山だ。奥多摩や八ヶ岳連峰などとは山の深さが違う。東北の名山であることは若い時から知っていたが、遠くて出かける機会がなかった。飯豊山は深田久弥の日本百名山の一つだが、百名山ブームになっても山中に営業小屋がないところが良い。豊かな自然が残っているところが良い。

雪の飯豊山は長年あこがれてきた山の一つだ。今年は雪が少なく、三国岳手前のナイフリッヂは夏道が出ているそうだ。それでもいい。飯豊の主稜線に立つと豊かな雪を踏んで大らかな東北の山を堪能することができそうだ。

今回の飯豊登山は大学OBの連中と企画し4名で登ろうと考えていたが、一人がお父さんの健康問題から参加を見合わせると連絡してきた。つづいて大手林業会社に勤める仲間は子会社に役員で出向することになり、子会社建て直しのためにGW返上で働くことになった。そして私もお尻の病から一時登山が危ぶまれたが、なんとか持ちこたえて明日の出発に漕ぎつけた。いやはや中年登山ブームであるが、個々の中年は色々な問題を抱えていると改めて実感した次第だ。しかしようやく登山道具の点検とパッキングも終わった。明日は会津に向かって車を走らせよう。

Beforeclimb_2 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

家族に乾杯で懐かしい三面川を観た

2009年04月28日 | テレビ番組

昨日NHK8時からの「鶴瓶の家族に乾杯」を観た。舞台は新潟県北部の村上市。鮭が遡上することで有名な三面(みおもて)川の下流の城下町だ。三面川に行ったのは大学生の頃である。三面川の上流に岩井俣川という急流があり、朝日連峰に食い込んでいる。その沢を遡行に行ったのだ。岩井俣川の淵は巨大だ。50mプールのような大きな淵の中を大岩魚の群れが悠々と泳いでいたことを思い出す。釣道具を持参していなかったので、呆然と眺めていただけだが。

テレビでは紹介していなかったが、村上藩の下級武士・青砥武平次という人が世界で始めて鮭の人工孵化場を作った。彼は鮭が生まれた川に戻ってくることを始めて実証した訳だ。鮭の人工孵化は村上藩の貴重な財源になっただけでなく、蝦夷地を開く幕府によって北海道の各河川にも広められた。

「家族に乾杯」は娯楽番組であり、そこまで歴史を掘り下げることはないが、このような眼で三面川を見ると中々面白い。村上はゆっくり旅したいところである。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

尻に火がつく

2009年04月27日 | 健康・病気

金曜日の夜から痔で痛い思いをした。土曜日はゴルフの予定が入っていたが、プロのトーナメントも中止となる悪天なので我々も中止。東小金井の「うちやまクリニック」で見ていただいたところ「肛門周囲膿瘍ですが、今切る程ではないので抗生物質で様子を見ましょう」ということになった。

とことが日曜日になっても痛みは引くどころかどんどん悪化。座っているのもツライ位になる。今日月曜日再び「うちやまクリニック」を訪問したところ「切って膿を出しましょう」ということになった。実は数年前同じ切開をしたことがあるが、この時の麻酔程痛いものは少ない。美人の看護婦さんが「皆さん、イタイイタイって泣きますよ」と慰めて?くれる。実際痛かった。「痛い、痛い」と言っても先生は何回も麻酔注射を打つ。「もう助けて欲しい」と思った頃「終わりました」の声。あれ、いつ切ったのかしら?実は麻酔は痛いが切開はそれ程痛くないという話だ。今自宅で座ってパソコンを打っているが、この程度の作業は問題なくなった。明日は会社に行けそうだ。

日頃は比較的暇な私も月末前、ゴールデンウイーク前は休むと「尻に火がついた」状態になる。まず取締役会がある。報告事項を少し勉強しないといけない。地方金融機関向け雑誌の原稿を「前倒し」にして欲しいと言われている。連休には雪の飯豊山まで出かけるので準備があると大変なのだ。

でも「うちやま先生」のお陰で助かった。お薦めできる先生だ。お薦めできる理由は「腕や人柄」もあるが、新大久保の社会保険中央総合病院で勤務されたいたことだ。この病院は痔の手術では一番実績のある病院なのだ。だから実績は信頼できるし、大きな手術だとこの病院を紹介して貰うことができる。

以上のような事情からここ暫くブログのエントリーが減ると思いますが、ご事情ご拝察下さい。何だか話が支離滅裂になったが、尻から始まった話なのでお許し下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最悪なことは最悪が終わったと決めてかかること

2009年04月25日 | 社会・経済

昨日付けのエコノミスト誌に、景気に対する楽観論に厳しい警鐘を鳴らす記事が出ていた。「世界経済にとって最悪なことは最悪な事態は終わったと決めてかかることだ」というタイトルの下にはちょうちんアンコウの灯りに群がる小魚とその下で大きな口を開けるアンコウの漫画が描いてある。

エコノミスト誌は株式市場のラリーに騙されるなと警告する。投資家はより大きな利益を狙って統計が景気回復を示す前に投資を始めるからだ。もっともこのブログで少し前に紹介したが、ニューヨーク証券取引所の会長が「3月のラリーには機関投資家は参加しておらず、短期の鞘取り狙いの投機家が相場を持ち上げた」と相場の実態を分析している。

エコノミスト誌によると1929年の大恐慌時に32年までの間にダウ平均は4回20%を超える上昇を示したが結果は元の株価以下に下落して終わった。今回も10%以上株価が上昇するラリーが5回あったが結局下落して終わっている。

エコノミスト誌が楽観論に警告を発する理由は次のとおりだ。

  • 製造業では世界的な需要減退を上回るペースで生産調整を行った結果、在庫調整が進み生産が再開される見通しだ。製造業のリセッションは最悪期を脱するだろう。
  • しかし「銀行危機」と「バブル経済の債務解消」という二つの問題は、特に米英において長引くだろう。歴史は「バランスシート・リセッションは長引き、回復は弱々しいものである」ことを示唆している。
  • IMFの予想では今年の世界の生産高は1.3%収縮する。これは過去60年間で初めてのこと。世界の中央銀行は数兆ドルの流動性を供給し、政策金利をゼロに近づける対策を取っている。また政府は銀行を救済するために数兆ドルの資金を供給している。このため先進国の財政赤字は平均してGDPの9%近くになる見込みだ。これは危機の前の6倍のレベル。しかし政府支出は目一杯で、真の景気回復は民需がおきるかどうかにかかっている。
  • 国別に見ると米国の住宅市場は他の国よりも早く調整を始めた。財政出動や急速な在庫調整の結果、経済は遠からず成長路線に戻るかもしれない。しかし失業率と破産の増加が新たな、たちの悪い下降局面をもたらす可能性がある。
  • 英国は米国より悪い状況(詳細省略)
  • 理屈の上ではドイツと日本の見通しは英米より明るいはずだ。両国は英米より民間債務が少ないので、在庫調整が済むと急速な回復をするはずだ。しかし実際にはそのような回復は特にドイツでは起こりそうにない。生産の下落により、失業率は二桁に向かっているし、財政出動は欧州標準よりは大きいものの、やればできる規模に比べるとかなり小さい。更に悪いことにドイツの銀行は問題を抱えている。
  • 日本はドイツに比べるとはるかに強い財政政策を取っている。この結果経済は少なくとも一時的には活性化する。しかし日本の公的債務はGDPの200%に近づいていて財政出動の余地はなくなっている。期待できるところは内需振興だが、過去20年の実績から見ると日本が内需シフトできるという見込みはほとんどない。
  • 目下のところ最も明るい兆しが見えるのは中国だ。中国の景気刺激策は効果を出し始めている。貸付は拡大しインフラ投資は素早く伸びている。IMFは中国の経済成長を6.5%と予想しているが、これを上回る成長を遂げる可能性がある。中国の問題は成長エンジンの4分の3が政府需要という点だ。

エコノミスト誌の記事はまだ続くが紹介はこの程度にしよう。この記事が一番ターゲットしているところは、各国の政策担当者や中央銀行のように見える。つまり一部の景気回復の兆しが見えると勘違いして、今の超緩和政策や財政出動を躊躇するとたちまち新たな危機が起きると警告を発している。

これは行動経済学が指摘するところの「自信過剰」(一般の意味とさして変わらない)という性癖から経済・金融の専門家も免れていないことを自覚しなさいという警告と考えて良いだろう。行動経済学の教科書は「悪いことが起きる確率を過小評価し、今目の前に起きていることがコントロール可能だと思い、成功の確率を主観的に高く評価する」(「経済は感情で動く」より)と指摘する。

では我々は行動経済学が指摘する色々な心理的弱み(アンカリング効果とか保有効果など)をどうすると克服することができるのだろうか?残念ながら私が読んでいる本には特効薬は書いていない。ただそのような弱点を人間は持っているものだと自覚することで多少は正しい判断が行える可能性が高まるという示唆はあるが。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

単独行より仲間と登山

2009年04月24日 | うんちく・小ネタ

「単独行より仲間と登山」というタイトルを見ると「山登りの話か?」と思われる人が多いと思うが、主題は山ではなく友情の話である。ただスタートは丘を登るところから始まる。

ニューヨーク・タイムズによるとバージニア大学が面白い研究をした。その研究というのは「34名の学生を急な丘の下に連れて行き彼等に重りを入れたザックを担がせ、丘を登らせて傾斜を見積らせる。ただし何人か友達と一緒に登らせ、何人かを一人で登らせる。その結果分かったことは友達と一緒の登った人の方が一人で登った人よりも傾斜を緩く見積った。更により長い間友達だった人の方がより傾斜を緩く見積った」というものだ。

このことは友情が厳しい環境を楽観視させることを示唆している。この記事のタイトルはWhat are friends for? A longer life 「友達を持つことは長生きにつながる」というものだ。

記事によると10年にわたるオーストラリアの研究で高齢者について大きなサークルの友人を持つ人々は研究期間中より少ない友人を持つ人々よりも22%死亡率が低かった。「友人関係は心理的な幸福について家族関係よりも大きなインパクトを持つ」と述べている研究者もいる。

色々な研究成果は友人を持つことが健康に有用な効果を持つことを示しているが、何故そうなのか?は明らかではない。ただ強い友人関係を持つ人はそうでない人よりも風邪を引きにくいので、恐らく彼等はストレスレベルが低いのだろうと記事は推測している。

話は変わるが先週長年の友人であるカタカナ生保のスーパーセールスマンを招いて会社でお話をして貰った。その時彼が言っていたことで強く印象に残っているのは「年を取るほど所得格差は拡大する。高齢の低所得層は『引きこもり』傾向があり、これがうつ病のリスクを高める。また歯の治療等が不十分になり健康を悪化させ寿命が短くなる。・・・・だから若い時から生面保険を使ったライフプランが大事」という話。後段の生命保険のセールス部分はさておき、低所得が友人との交友を含めて社会的活動を低下させそれが健康に悪影響を及ぼすとすればこれは由々しき問題である。

スーパーセールスマンの講演の後は彼とお酒になった。曰く「年をとっても登山なんか良いですよね。ゴルフよりはお金がかからないし」

確かにそうである。山ではプレーフィーはいらない。要るのは交通費と食事・宿泊代程度。山登りのために日頃から適度な運動をすれば健康に大いに役立し、お仲間がいれば山坂も緩く見えるから一石二鳥だ。

もっとも山仲間には結構酒飲みが多く、下山後駅前の安い酒屋でドンちゃん騒ぎをすることもあるから、私の場合お仲間登山の方が単独行より楽で健康であるとは断言できないのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする