株価大暴落に少し歯止めがかかってきたように見える。英字新聞を見ても少し前までBear(弱気)の文字ばかりだったが、最近は少しBull(強気)の文字も見られるよになってきた。株は本当に割安か?今が買い時なのか?という問いに対してLeonhardt氏が記事をニューヨーク・タイムズに寄せていた。参考になるところがあるので、ポイントを紹介しよう。
強気、弱気の交錯する中で著者は「自分の好きな株価判定の方法は、ベンジャミン・グラハムとディビッド・ドットが推薦する過去の~最低でも5年理想的には10年の~実績『株価収益率』(株価÷純利益)をベースとする方法だ」という。
この過去10年PERは過去1世紀について信じがたいほど安定したストーリーを告げる。それは平均するとPERは16になるということだ。1920年代や60年代のように20に長い間とどまっていたことは過去に何回かあった。しかしその後には絶えず大きな株価下落や長い間のパフォーマンスの低迷が続いた。
現在株価は大幅に下がっているが過去10年PERで見ると16弱というところで、歴史的な水準から見ると平均程度だ。ということはこの暴落の前に株価は相当過大評価されていたということになる。
この方法で日本株の水準を見てみよう。トヨタ自動車について手元で簡単に見ることができる2005年から2008年の実績PERは8.4だ(平均一株当り利益は457円、株価は3,850円)。また私が注目している自転車変速機等のシマノは12.3倍になる。シマノの場合は過去8年間の平均純利益を使った。純利益が大きく伸びているので過去PERを使うと数値は高めにでる。
PER16の法則によると買い対象になる日本株はかなりありそうだ。しかし予想PERが予想に過ぎないように過去の純利益も将来の純利益を保証するものではない。今はじっくり企業の中身を見ながらPERを自分で計算してみる時期だろう。今回に関しては買い時はそんなにすぐなくならないような気がする。