金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ナスダック調整局面入り、ただしトランプは株式市場を気にせず

2025年03月07日 | ニュース
 昨日(3月6日)米国株は大幅に下落し、ハイテク銘柄が多いナスダックは調整局面に入った。調整局面=コレクションとは、直前の高値から10%以上下落した状況を指す。ナスダックは12月半ばの高値から10%下落したので、コレクションに入った訳だ。
 トランプ大統領が大統領選で勝った時は、規制緩和など企業業績を後押しする政策に対する期待から、株式市場は活況を呈した。しかし最近は頻繁に変わる関税政策に対する不信感などから消費者心理は悪化し、経済の専門家の間ではスタグフレーションの可能性が話題に上がっている。
 先日株価が急落した後、トランプ政権がカナダとメキシコに対する25%関税の適用を1カ月先送りをした時、大統領は株価急落を意識したのか?と質問された。トランプ大統領の答はNo。彼は株式市場の動きは気にしていないといった。何故なら関税政策を通じて、米国の製造業は復活し、長期的には米国はもっと強くなるからだというのがトランプ大統領の答だった。
 当初多くの人は関税引き上げは、トランプ大統領が相手国から麻薬取締などの協力を引き出す交渉戦術と考えたが、今では多くの人が常態化するのではないかと考え始めたようだ。
 そのことが消費者信頼感の低下につながっている。
 過去の関税引き上げの得失を研究したレポートによると、関税引き上げにより生産者が得るメリットは、物価上昇により消費者が被る損失よりも小さいそうだ。
 しかしトランプ大統領はあくまで強気。ナスダックが調整局面入りした位では、政治姿勢を変えそうもないようだ。
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「ウクライナでの戦争終結協議開始」ニュースをマインドマップにしてみた

2025年02月13日 | ニュース
 ウクライナでの戦争終結について、トランプ大統領が「彼とロシアのプーチン大統領は協議を始めることで合意した」と発表したニュースが流れている。
 WSJにはTrump says he and Putin agreed to begin talks on ending Ukraine warという記事が出ていた。
 この記事が述べているように、「戦争終結に向けての努力は強い向かい風を受けるだろう」。何故ならプーチン大統領は多くの兵士が死傷しているにも関わらず、戦争に勝っていると感じているし、現在の前線をベースに停戦に入ることはウクライナにとって国土の2割を割譲することになりかねず簡単には停戦協議につくのは難しいからだ。
 ということでものごとがトランプ大統領の思い通りに進むかどうかは不透明。
 でも話の粗筋を掴んでおくために、英文記事をAIを使って日本語のマインドマップにしてみた。
 ニュースを概観しポイントをチェックするにはマインドマップが役に立つ場合もありそうだ。

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DeepSeek騒動の第二幕はデータの不正利用問題へ

2025年01月30日 | ニュース
 今週は月曜日に中国の新興企業DeepSeekが低コストでOpenAIのChatGPTに匹敵する人工知能を開発したというニュースで、NVIDIAなどチップメーカーを初めとするハイテク株が売り込まれるという騒動で始まった。
 翌日の火曜日には押し目買いでハイテク株は反発した。また押し目買いに加えて「DeepSeekはOpenAIの利用規約に違反する方法で大量のデータを抽出し、低コストでAIモデルを構築した」というニュースもDeepSeek熱に少し冷やし水をさしたようだ。
 WSJを読んでみるとOpenAIの広報担当者は「DeepSeekが蒸留distillationというプロセスを使って、自社の技術を発展させるために、OpenAIのツールから大量のデータをextricate(抽出・解放)したという兆候を調査している」という記事があった。
 OpenAIの利用規約では顧客がOpenAIモデルからの出力データを競合する自社製品の開発に使うことを禁止しているから、もし蒸留というプロセスがそれに該当すると利用規約違反になる訳だ。
 ということで話の大筋はつかめたが、それがどれほど大きな問題なのか?は蒸留というプロセスがどういう作業なのか分からないので、ピンとこない。
 さらにいうと生成型AIの開発は、世の中にある膨大なデータベースを色々な形で取り込み、モデルを教育することで進んできた。
 DeepSeekの行為が、どれほど悪質な行為に該当するのかはこれまたもう少し勉強しないと分からない。しかしこの問題は政治・外交問題化する可能性が高いので話はより複雑化しそうだ。

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相次ぐ金融機関の不祥事の原因は、MoralとMoraleの欠如から

2024年12月17日 | ニュース
  三菱UFJ銀行の貸金庫からの行員による窃盗事件など金融機関の相次ぐ不祥事がマスコミを賑わしています。
私がかって勤めていた銀行でも、インサイダー取引事件を起こしていましたので、偉そうなことは言えませんがあえて不祥事の背景を考えてみました。
 そのシンプルな答がMoralとMoraleの欠如です。この二つの言葉の語源は道徳を意味するラテン語Moralisですが、前者が「道徳や正しい行動基準」を意味し、後者は「集団の士気や個人のモチベーション」を意味しています。
 不祥事に関する金融機関トップの会見を見聞きすると「管理体制の強化」などといったMoralに関する話ばかりで、Moraleに関する話はでてきません。
 しかし私は金融機関の不祥事の背景には、多くの行員のモチベーションの低下、平たく言うと「業務に対する熱意Enthusiasmの低下」があるのだろうと推測しています。この推測は過去のバブル期やバブル崩壊期を通じて、内外の金融機関で起きた不祥事件をベースにしたものです。
 融資や証券投資が活発化する時期において、それらの分野に従事する人々の評価はあがり、報酬面でも優遇されます。一方個人営業担当者等は、リスク商品の販売等に関して大きなノルマを背負わされ、本来の金融機関のあるべき姿である「顧客に寄り添った金融サービスの提供」ができなくなっています。
 これが業務に対するEnthusiasmの低下を招いている。つまりMoraleの低下を招いています。
 Moraleの低下は、時として人生の目標設定を狂わせ、ギャンブルや過剰な消費行動へののめり込みにつながり、Moralの低下そして犯罪行為へとつながります。
 つまり金融機関が不祥事の撲滅を目指すのであれば、役職員が「顧客に寄り添う金融サービスの提供」とそれに対する顧客の評価をやりがいとするようにEnthusiasmから考える必要があると私は考えています。
 言うは易く、実践のハードルは高い話ですが。
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「同性婚を認めない民法などの規定は違憲」東京高裁判決をみてちょっと勉強

2024年10月30日 | ニュース
 今日(10月30日)日中に流れたニュースの中に、「東京高裁が、同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反する」という判決を言い渡しました。
 私は同性婚の問題について、これまであまり関心がなく、詳しいことは知らなかったのですが、ちょっと勉強してみようと思いたちました。
 なぜなら同性婚を認めている国は西側先進諸国に多く、それらの国々は「包摂性が高い」国です。包摂性とは「すべての個人が社会の一員として認められ、平等な権利と機会を享受できる状態」を指します。包摂性が高い社会では、性別、人種、性的指向、宗教などに関係なく、すべての人々が尊重され、受け入れられる環境が整っています。
 今読んでいる「国家はなぜ衰退するのか?」(今年ノーベル経済学賞を受賞したアセモグル氏たちが著者)によると「特権階級が資源や権力を独占する収奪的社会は長期的には衰退するが、すべての人々が経済活動に参加できる機会がある包摂的社会は、経済成長により持続的に発展する」と結論付けられます。
 このように考えてくると「同性婚を認めるか認めないか」という問題を、同性婚を認めないとする法律が憲法に違反しているかどうかという視点だけで論じるのではなく、それが「包摂性の高い社会を作るという理念に適っているかどうか」という視点から論じる必要があります。
 ところで国や国民の権利義務の基本を定めた法典は憲法ですが、国を越えて世界中の人々の行動規範を定めたものに国連憲章やその下部規定としての国際規約がありますね。
 すでに同性婚を合法化している国々では、1948年に国連で採択された世界人権宣言や1966年に採択された国際人権規約を一つの論拠にして、同性カップルの権利拡大をはかっていったようです。
 ここで人工知能の力を借りて同性婚に関する諸外国の法制度を調べてみました(裏はとっていませんので間違いのある場合はご寛容ください)。
 アメリカ合衆国: 2015年最高裁が合衆国全体で合法とする判決をくだした。
 イギリス:2013年に「同性婚法」が成立し、翌年から同性婚が合法化された。
 ドイツ:2017年に同性婚が合法化された。
 フランス:2013年に「同性婚法」が成立した。
 スウェーデン:2009年に同性婚が合法化された。
 中国:同性婚は合法ではなく、社会的な受容度は低い
 韓国:同性婚は合法ではないが、同性カップルの権利を求める運動は活発化している。
 欧米諸国は15年から10年位前に同性婚を合法化しているということができます。
 個々の国がどのような経路を経て、同性婚を合法化していったか?ということは私の勉強の射程外ですが、その根底に包摂性ということを意識した各分野の指導者がいたのではないでしょうか?
 


 
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