金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

決済の二重認証は大変。大谷選手の会見で残った疑問

2024年03月26日 | ニュース
 今朝(3月26日)大谷選手の会見をTVで見た。内容は「自分はスポーツ賭博に関与していない」「一平さん(水原氏)が僕の口座から金を盗んだ」「彼はウソをついている」というものだった。
 大谷選手が自分の口でこの件の話を公にするのは初めてだが、これまでの代理人弁護士や球団側の話と平仄はあっている。
 ただこれで問題が終わったと考える人は少ないだろう。とくにアメリカのマスコミはだ。WSJの記事には次のようなコメントが書かれていた。
Ohtani’s brief statement on the situation won’t end the intrigue or the many questions about the actions of his closest confidant and his own decision-making in the saga that led to Mizuhara’s firing and a league investigation into the two of them. 「大谷選手の短い声明で陰謀や彼の腹心(水原氏)の行動や大谷選手自身の意思決定に関する多くの質問が終わることはないだろう」という趣旨だ。
 おそらく多くの人が直感的に持つ疑問は、多額の送金を本人の了承なく、二重認証の網をくぐって行えるのか?という点だろう。
 私も二重認証については疑問を持っている。その理由は少し前にオンラインでスキー場のリフト券を買うとき、クレジットカードに二重認証に少し手間取ったことああるからだ。
 スマートフォン経由でリフト券を買うと窓口で買うより数百円安い。人手不足に悩む各地のスキー場はスマートフォン経由のリフト券販売に力を入れているのだ。ところがスマートフォンからクレジットカードを使ってリフト券を買おうとすると、ワンタイムパスワードを求められる(クレジットカードによってはワンタイムパスワードを求めないものもあるかもしれない)。
 ワンタイムパスワードは、あらかじめ専用アイコンをダウンロードしておいて、それをクリックすることで発生させることができる。
 もちろん事前に登録しているクレジットカードの暗証番号やカードに裏面に書かれているセキュリティコードの入力に加えてである。
 ワンタイムパスワードはスマートフォンやPCから銀行送金するときに求められる場合がある。銀行送金の場合は、自分の携帯番号にSMSでワンタイムパスワードが送られていることもある。
 このワンタイムパスワードは有効時間が30秒程度とかなり短い。短い時間でアプリを立ち上げ、パスワードを発生させ、コピー(または記憶)して、元の決済画面に入力する必要があるのだ。
 最初にリフト券を買おうとしたとき、ワンタイムパスワードのアイコンを探いしている内にタイムアウトしたことがる。
 話が脇道にそれたが、たかだか数千円程度のリフト券を買うにもこの程度の手間がかかる。なぜ手間がかかるのか?というとクレジットカードなどを使った詐欺や窃盗が多いからだろう。
 アメリカで数億円相当の資金を送金する時にどのような複数認証の仕組みが使われいるかしらないが、少なくとも口座名義本人が事前登録している本人のスマートフォンにワンタイムパスワードが送られるてくるか?本人スマートフォンだけで発生させることができるワンタイムパスワードをかませていることは間違いないだろう。さらに生体認証等プラスアルファがあるかもしれない。
 本件については調査が進むにつれこの疑問に回答がでてくるような気がする。そしてもし二重認証をかいくぐって不正な送金が行われたとすればそれはそれで大きな問題だ。銀行やクレジット会社が慌てて、セキュリティを強化するので、一般消費者としてはまた決済に手間取ることになる。
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大谷選手と水原元通訳はこれからどうなる?

2024年03月22日 | ニュース
 一昨日ドジャースの大谷選手の通訳を務めてきた水原氏がドジャースから解雇されたという衝撃的なニュースが流れた。
 水原氏が解雇された理由について、水原氏が現在連邦警察から査察を受けている違法ブックメーカーとの関係を理由に解雇されたという報道が流れたが、ドジャース側は解雇理由を明らかにしていない。
 スポーツチャンネルESPNの報道によると、最初水原氏はブックメーカーに対する多額の借金を支払うため、大谷選手が水原氏の監督under MizuharaIs supervisonのもと送金を行ったと述べていた。しかしその後水曜日になって水原氏は前言を翻し「大谷選手は自分のギャンブル行為や借金やその返済努力について何も知らなかった」と述べた。また大谷選手の弁護士事務所は大谷選手は大規模窃盗事件の被害者だと声明を発表した。
この一連のニュースは、日本のマスコミでも報じられているので、繰り返さないが、私が興味を持ったのはWSJがThe nightmare start to Shohei Ohtani's Dodgers vareerという記事だった。「大谷選手のドジャースでのキャリは悪夢で始まる」ということで、何が悪夢なのか?ということについて記事は次のように結んでいた。
 「次に水原氏と大谷選手に何が来るのかは明らかではない。大谷選手は単なる通訳ではなく、メジャーリーグスターとしてのプレッシャーの高い環境への順応を手助けしてくれた人物(水原氏)を刑事告訴する手続きを開始することになると予想される」

なお記事は明確に述べている訳ではないが、水原氏が大谷選手の口座から金を盗み不正送金したのか?あるいは最初に水原氏が述べたとおり、大谷選手は水原氏が賭博の借金を返済するための送金を手助けしたのか?という点について
疑問を抱いていることは間違いない。
 私も直感的には大谷選手は水原氏から借金返済のために援助を頼まれ、今後賭博に手をださないという約束の上送金を認めた可能性があると考えている。
その理由は、大谷選手と水原氏のこれまでの親密な関係と、送金時の本人認証に関する多重認証システムで多額の資金を本人の認証なしに送るのは難しいと考えるからだ。
 ではなぜ水谷氏は前言を翻し、大谷選手の資金を盗むことにつながる発言をしたのか?それは大谷選手本人による違法賭博ブックメーカーに対する送金が、犯罪とはいわないまでもMLBの規定に抵触するリスクやファン感情を傷つけるという考えが働いたか?あるいはドジャース側などからプレッシャーがあったのではないか?という推測が成り立つ。
 だがこれまた憶測にすぎない。今後なにが出てくるからは分からない。ただそれは大谷選手にとってプレッシャーであることは間違いないだろう。
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日航機、奇跡の脱出をWSJで読む

2024年01月04日 | ニュース
 2日の夕方起こった日航機と海上保安庁の航空機の衝突は、日本のみならず、海外に大きな衝撃と幾つかの示唆を与えている。
 特に国内旅行でも多くの人が飛行機で移動するアメリカ人にとっては、航空機事故とそこからの脱出物語については関心が高い。
 WSJはInside a flaming Jet,367 passengers had minutes to flee. Here's how they did it.とタイトルで脱出の状況を描いている。
 記事の特徴は、日航機に乗っていたジョセフ・ハヤシ(林?)さんという東京で金融部門で働いている28歳の男性の談話やカネコ・ヒロシさんという67才の哲学教授の談話を紹介していることだ。
 今回衝突が発生した5時47分から乗客・乗務員379名が全員無事に脱出できた6時5分までは18分。18分の間に全員が脱出できたことを奇跡と呼ぶ声もあがっている。
 何がこの「奇跡」を起こしたのか? 記事を読みながら考えてみた。
 一つは乗務員が緊急着陸時に90秒以内に機内から脱出できるように訓練を重ねていたことだ。日本航空広報担当の沼端康夫氏はWe believe it was the result of the provision of training and knowledge brush-ups every yearと述べている。
 次に混乱の中で乗客が非常口に殺到せず、乗務員の指示に従い整然と脱出シューターから下降したことだ。もしかさばる荷物を抱える乗客がいるとそれが障害になり、脱出が困難になるが、かさばる荷物を抱えた人はいなかったようだ。これについて「日本では手荷物は追加料金なしに預けることができるが、米国では追加料金を取られるので手荷物を持ち込む人が多くそれが障害物になる可能性がある」というコメントがあった。
 次に8つの脱出口の内、外側の火が回っていない3つだけを使って脱出したことだろう。もし火が回っている脱出口を開けると飛行機の内部に火を呼び込み火災が広がった可能性があった。
 次に機体エアバスA350-900の素材の耐火性が優れていたことやエンジン周囲の防火壁などが優れていたという機体のクオリティの高さが挙げられる。

さてこれらのことを考えると、安全性を考えるなら、最新の機体を使い、搭乗員の質の高いエアラインを多少高くても選択する人が増えるかもしれないと思うが如何なものだろうか?

 

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世界的な移民増加の中で僕らはどう考えるべきか?

2024年01月01日 | ニュース
 世界的に貧しい国から豊かな国への移民が高まっている。WSJのThe world is on the moveによると、全世界ベースで2014年には430万人だった永久移民数は2022年には540万人に増えている。高齢化に伴い、労働力が不足し、それによりインフレ圧力が高まっている多くの先進国政府は移民により、労働力緩和を図ろうと考えているのだ。
 記事は日本の状況についても次のように紹介している。
 「長年移民締め出しで知られてきた日本だが、急速な高齢化により、ある範囲の移民の受け入れに門戸を開きつつある」「日本に住む外国人の数は向こう数十年の間に3倍になり、2070年までに940万人に達すると見込まれる」
 ある範囲の移民の受け入れというのは、2019年4月から実施された特定技能制度により実質的に日本が移民受入国になったことを指している。
 ところが日本の大きな問題は、政府が移民政策を転換したことを明確に国民に説明していないことにある。
 これは私が身近に感じた問題だが、親が日本で働き始めて、子どもが日本に移住してきたが、居住区の学校に外国人の子どもを受け容れる体制が整っていないことが挙げられる。そこで民間のボランティア団体が、外国人の子どもの日本語学習の支援などを行っている訳だ。
 だが本来であれば政府が「労働人口の減少を補うために外国人労働者を受けいれるから、それに伴う施策を文科省、厚労省などを含めて整えろ」と号令するべきなのである。
 外国人が日本で能力を発揮するとともに、安心して暮らしていくためにはあるレベルの日本語能力が必要なことは間違いない。
 だがその日本語レベルは、それ程高い必要はない。例えば「敬語」については「丁寧語」が使えるレベルであればよく、尊敬語や謙譲語を使いこなす必要はまったくないと私は考えている。
 つまり移民拡大政策を採るのであれば、外国人が働きやすく、暮らしやすいように、いろいろなハードルを少し下げることが必要だろう。
 
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郵便料金の値上げ、年賀状発信前のグッドタイミングに発表

2023年12月20日 | ニュース
 先日総務省が郵便料金の値上げを審議会に諮問したというニュースが流れましたね。それによると25グラム以下の定形の郵便封書は現在の84円が110円に、はがきが63円から85円に値上げされる見込みです。実施時期は来年の秋頃と言われています。
 今日スポーツクラブでおじさんたちが「郵便料金が値上げになるならいよいよ年賀状は止めやね」という話をしていました。
 私の仲間でも数年前から「本年をもちまして新年のご挨拶を失礼させて頂きたく存じます」などと年賀状に書いてくる人が増えています。
 今まではリタイアとか節目の年を機会に「年賀状を止めます」という挨拶をしてくる人が多かったと思いますが、今年は郵便料金の値上げを機会に年賀状を止めようと考える人が増えるような気がしますね。
 私自身もかなり年賀状の出状は減らしています。フェイスブック繋がり、LINE繋がりの人とはほとんど年賀状のやり取りを止めています。
 ただし先輩諸氏に関しては、先方から「もう年賀状は止めましょう」と言ってこない限り年賀状は続けるつもりでいます。年賀状は無事に過ごしているという安否確認的な面もありますしね。
 でも今年の年賀状から先輩諸氏からも「そろそろ年賀状を止めましょう」といった文言が入りそうな気がしています。
 そういう意味ではタイミングの良いニュースでしたね。
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