金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

OPECの減産基本合意で米国株上昇、注目の日本国債イールドカーブはフラット化へ

2016年09月29日 | 金融

昨日(9月28日)アルジェリアで開かれたOPFCの非公式会議で、8年ぶりに原油の減産が合意された。合意内容は1日当たり産出量を32.5~33万バレル/1日に減産するというもの。

この水準は8月の産出量33.2百万バレルより若干低い水準。減産合意が具体化するには11月に開かれるOPECの正式会合の決定が必要だが、原油市場は減産合意とイラン=サウジアラビアの協調姿勢を好感して5%上昇。

米国株も上昇した。ダウは110.94ポイント(0.61%)、ナスダックは12.84ポイント(0.24%)上昇した。注目しているアマゾンは12.61ドル(1.55%)上昇して828.72ドルに。若干値を下げたグーグル(終値810.06)を引き離した。

一方今海外投資家も注目している日本国債のイールドカーブは10年債利回りがマイナス0.09%になった。日銀が先週発表した10年債の利回り目標ゼロより低いので、市場は日銀がどのような手にでるか注目しているようだ。

10年債の利回りを上げるためには、日銀が10年債を売れば良いがそれでは国債を購入するというコミットメントに反してしまうからだ。

昨日日本では証券・保険・銀行の金融セクターが激しく売られた。証券・保険・銀行セクターの下げは各々3.5、3.4、3.3%だった。Topixの下げは1.4%だったから金融セクターが大きく株価の足を引っ張った。

マイナス金利政策にはいくつか問題がある。一つの問題は金融セクターの収益を悪化させ、株価を押し下げることで、株式市場全体が低迷する。株式市場の低迷は、公的・民間・個人の年金資産を直撃する。また長期金利の低下は、将来の年金支払債務の現在価値を押し上げる。このため企業は年金資産の積み増しを求められ、企業収益が圧迫される。

企業収益が圧迫されると賃金上昇がおぼつかなくなり、賃金が上昇しないとインフレを起こすことができなくなる。これがマイナス金利の悪循環だ。

金利収入を見込めない金融機関は手数料収入でカバーしようとして、消費者の利益に反する投信の回転売買などを推進するので、消費者のリスク資産離れを加速して、政府が目指す「貯蓄から投資へ」という目標もかすんでしまう・・・

マイナス金利政策の弊害が目立ってきた、と思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Swayをブログにリンクしてみました

2016年09月28日 | デジタル・インターネット

Swayは無料でマイクロソフトが提供しているスライドショー的アプリです。

Windows10に入っていたので、使い始めてみました。PC等に入っている写真をアップしてくだけでストリーを作ることができるので、便利なツールです。

フェイスブックやブログからも簡単にアクセスでますので、仲間内の写真の共有や公開に適していると思います。

下のURLをアクティブにしてクリックして頂くと赤木沢の写真を見ることができると思います。

https://sway.com/Jg41BAjDmZhsEYUs

ただしまだ不慣れですので、不都合がある場合はご寛容ください。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

堅調な消費者信頼感指数とトランプの自滅で米国株上昇

2016年09月28日 | 株式

昨日(9月27日)の米国株は堅調で、ダウは133.47ポイント(0.74%)、ナスダックは48.22ポイント(0.92%)上昇した。

株価を支えたのは好調な経済データと大統領選のテレビ討論でクリントン氏が優勢だったことを市場が好感したことによる。

民間調査機関カンファレンスボードが発表した9月の消費者信頼感指数は104.1とリーマンショック以降で最高となった(WSJの事前予想は99.1)。

消費者信頼感指数が堅調だったことから、旅行関連銘柄の株価が急上昇。またハイテク銘柄も市場をけん引した。私が注目しているアマゾンは2.12%上昇して、816.11ドルへ。ついにグーグルの株価(終値810.73)を抜いてしまった。

さて今日の主題は大統領選のテレビ討論会の結果について。

当然のことながら双方の陣営が勝利宣言を行っているが、フォーカスグループの反応を分析したWSJの記事によると、クリントン陣営に旗が上がったと思われる。より正確にいうと、クリントンが勝ったというよりはトランプが準備不足や極めて無作法な発言で自滅したという評価が正しいと思われる。

WSJの記事のタイトルはUndecided Voters react coolly to Donald Trump during debate「態度を決めていない選挙民はテレビ討論の間トランプに冷淡に反応した」である。

クリーブランドの浮動票層のフォーカスグループを調査したところ、11名がクリントンの勝ち、17人がどっちも勝っていないという評価で、トランプが勝ったという人はゼロだった。

ペンシルバニアにおける同様の調査では、16名がクリントンがよりインパクトを与えたと言い、6名が双方同じだったと言った。

また二人の印象を短い言葉で表すと、トランプについては「出だしは強かったが、最後は弱くなった」「大げさ・大言壮語」bombastic「大統領らしくない」「ぞんざい・ずさんな」sloppyという言葉が並んだ。

クリントンについては「準備が行き届いている」「手堅い」「力強い」「お決まりの」same oldという言葉が並んだ。

トランプは既に支持している層を固めることはできたとしても、浮動票の取り込みには失敗したということになる。もっともウオールストリートはクリントン支持のペーパーだということを頭に入れておく必要はあるが。

株式市場は少なくとも短期的にはクリントンの勝利を歓迎する。それは「不確実性」がトランプより不確実性が少ないからである。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山の宿・雲天から舞茸を頂きました

2016年09月27日 | 

今日(9月27日)新潟県南魚沼清水の民宿・雲天から舞茸が送られてきましたので、少々驚きながらも大感激です。

雲天 http://unten-fan.com/reservation/には昨年二度泊まりましたが、馴染み客という程ではありません。

ただし秋にヌクビ沢を登り、翌日清水峠を越えて、土合に行ったことや冬のお客さんの少ない時期に八海山スキー場のベースにしたことで、宿の方の印象に残ったのでしょう。

手紙が入っていて、今年は雨が多く稲刈りが遅れているということでした。

雲天は地場でとれた野菜・キノコ類を中心に美味しいご飯を用意してくれるアットホームな民宿です。魚沼の銘酒・八海山を美味しく飲むことができる宿でもあります。

雲天の上にそびえる巻機山には何回か登りました。印象が深いのは、5月にスキーを履いて井戸の壁から山頂を往復した思い出です。

登りは苦しかったけれど、山頂から無立木の大斜面を一気に滑り降りる爽快感は何物にも替え難いものがあります。

それは10年以上前の話で再びスキー登山をする自信はありませんが、来シーズンも近く(といっても車で小1時間はかかる)の六日町八海山スキー場でチャレンジングなスキーをしようと考えています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

移民は経済面でプラスに作用~米国の研究だが

2016年09月27日 | ライフプランニングファイル

移民の問題は米国の大統領選挙の大きな争点になっていることはご存知のとおり。日本でも政府が今日(9月27日)開催する「働き方改革実現会議」で、単純労働者の受け入れに向けて門戸を開く法改正を提言する予定だから、議論を呼ぶだろう。もっとも日米では移民の規模や移民に求める役割が異なるので、異なった議論になるだろうが。

さてWSJによるとThe National Academics of Sciences・・が、移民の経済的影響に関する調査結果を発表した。その結論は一般的言われている「移民は米国市民の仕事を奪う」という話とは反対で、全体的には移民は米国経済の拡大に貢献するというものだった。

確かに移民の初期の段階では、低教育・低スキルの移民が流入し、そのセグメントの米国市民の仕事を奪ったことが確認される。

しかし移住してくる人の教育レベルは向上を続けており、2012年時点では移民の53%は大卒(中退を含む)レベルで、16%は大学院卒レベルである。

つまり米国に移住してくる人は、自国において高い知識・技能を活用する場がないので、米国に活躍の場を求めて移住してくる。その結果移民はイノベーション、起業、技術革新といった経済成長に結びつく活力を米国に与えるとレポートは結論付けている。

もっともこのレポートは合法的な移民と非合法的な移民を区別して、データ分析を行っていない(区分別のデータがないそうだ)という弱点はある。

米国の移民の数は2014年時点で42.3百万人で全人口の13%を占める。20年前の1995年の移民人口比率は9%だったから確実に増加を続けている訳だ。なお2014年時点で非合法的な移民の数は11.1百万人と言われている。

移民をポジティブにとらえる人の割合も増えている。WSJ/NBC Newsの世論調査によると、先週水曜日の時点で「移民は米国を傷つけるより助ける」と言う人は54%だった。10年前の調査では助ける45%、傷つける42%だったから世論の見方も変わっているのだ。

★    ★    ★

今日本で議論され始めた外国人労働者の受け入れ拡大は、介護・育児・建設など人手不足が目立つ単純労働の分野なので、米国のようにハイスキルの移民が流入して、経済にイノベーションを起こす可能性はない。

ただし「移民が国内の労働力を奪う」といった観念的・感情的な議論は避けて、少し長い目で移民が経済成長にプラスになるかどうかを議論するべきだろうと私は考えている(私は明らかにプラスになると考えている)。

色々な問題を含みながらも米国が経済成長を続けている最大の理由は、ポピュリズムに流されない、データに基づいた議論を展開できるところにあるのだろう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする