金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

大清水から北岐沢を登って鬼怒沼へ

2014年07月31日 | 

7月29日(火曜日)快晴。大学山岳会のNさんと尾瀬沼の登り口・大清水に沢登りにでかけた。午前8時10分に上毛高原を出発した路線バスは10時10分頃大清水に到着。目指す北岐沢は中ノ岐沢の上流である。

Kitamatamap

(写真はGPSのトラックデータをプロットしたもの。ただし沢の中は地形図がやや不正確なので地図上のルートとGPSの間にはずれがある)

10時30分大清水発。尾瀬沼に向かう沼田街道を50mを歩くと奥鬼怒林道の分岐が出てくる。ここから林道歩きが始まる(一般車両は進入禁止)。

Entrance

12時05分入渓点到着。標高1500m。林道が大きく右に曲がるところだ。ここで昼食を取り、沢支度を整えた。足は渓流靴、頭にはヘルメット、念のためハーネスを着けた。今回の登攀装備は8㎜40mのザイル1本、カラビナ数枚、懸垂下降器各自1つ。ハンマー、ハーケンはなしである。12時30分ガードレールの切れ目から藪をこいて沢に向かった。小さな枝沢を越える。この枝沢を下って北岐沢に入る方法もありそうだが我々はもう少し藪の中を歩いてから3mほどの急斜面を降りて沢に出た。20分ほど歩くと最初の滝が出てきた(12時54分)。

F1sakai

左岸から小さく巻いて登る。

13時37分 次の大きな釜を持った滝。ここも右から登った。

F2

この滝の上にはきれいな岩盤の上をサラサラと水の流れる明るい川床が広がっていた。

Rockbed

14時16分大滝下到着。

Bigfall

ガイドブックによると落差15m。直登は無理で50mほど手前から左岸(向かって右側)の急な斜面を登って滝の上の出た。ここから落ち口までは10m弱の急な斜面となっているので、40mザイルで懸垂下降をした。今回ロープを使ったのはここだけだった。

大滝を過ぎてからは今日のキャンプサイトを探しながら歩く。15時10分過ぎ、左側から小さな支流が滝となって入ってくるところに絶好のキャンプ場を発見。標高は1630mである(地図に黒丸をつけたところ)。Nさん持参のポール付ツエルトは快適だった。

7月30日晴。午前6時15分出発。しばらく河原を歩いていくと木漏れ日がさしてきた。

Morinig

2日目はロープを使うところもないので、ハーネスはザックの中だ。小滝やナメが連続する中を気持ちよく歩いていった。7時42分最後の大きな二股。ここは右の沢に入る。さらに登っていくと沢はどんどん小さくなり源流の様相を示し始めた。沢の中よりも左手の尾根の方が歩きやすいのでそこを進む。ところどころに踏み跡があった。当初は小松湿原を目指して右手の沢を登る予定だったが、流木が沢を埋めて余り食指が動かない。そのまま左手の斜面を登り続けるとほとんど藪漕ぎもなく、稜線にでた(9時5分)。沢装備を仕舞って、ここからは尾根歩き。尾瀬と鬼怒沼を結ぶこの稜線の道はあまり登山者が通らないようだ。時々大きな倒木を乗り越えるのに体力を消耗しながら鬼怒沼を目指した。途中奥鬼怒山に登る分岐に到着。時刻は正午だ。奥鬼怒山(2135m)までの標高差は50m程度なのだが、木立の覆われ眺望が良くなさそうなことを理由に私は割愛した。元気なNさんは10分ほどで往復してくる。

私は久しぶりの沢登りに疲れていた。比較的簡単な沢でツメの藪漕ぎもなかったのだが、やはり道のない沢を生活道具一式を担いで歩くのは楽ではなかった。12時25分、鬼怒沼に出た。

Kinunuma1

遠景の山は右が日光白根山、左は根名草山(だろう)。鬼怒沼は標高2020m、尾瀬ヶ原より600mほど高い。白いワタスゲが風にそよぐ。気持ちが良い高層湿原だ。

Kinunuma2

ここでお湯を沸かして天ぷらうどんを食べた。振り返ると奥鬼怒山(右)見えた。

湿原が終わるとやがて奥鬼怒温泉郷に向けて急な降りが続いた。足が重くなったな、と感じたとき、日光沢温泉の建物が見えた。

Nikkosawa

午後3時温泉到着。休憩時間を除いて8時間の歩きだった。充実した二日の山旅は終わった。

7月31日晴。朝の気温は17度。清々しい。7時55分に日光沢温泉を出て、女夫淵温泉まで約1時間半(休憩込)歩いて下った。奥鬼怒温泉郷には日光沢温泉の他2軒の宿があり、こちらは女夫淵のバス停まで車で送迎してくれるが、日光沢温泉は「山小屋」という建前を大事にして車での送迎はしていない。そのためか前夜の客は我々だけだった。

9時20分女夫淵バス停着。9時50分のバスに乗って11時20分頃奥鬼怒温泉

に到着。再び暑い世界に戻ってきた。

 

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【イディオム】Hold up 企業収益は順調?

2014年07月29日 | 英語

今週(7月28日より)は、4-6期の四半期決算発表が連続する。日本株ウォッチャーはこの四半期決算を特に注目している。

理由は4月の消費税引き上げが企業収益にどのような影響を与えたか見極めたいからだ。

CNBCのニュースの中に、How corporate profitability is holding up following the recent consumption tax hike.という一文があった。

「最近の消費税引き上げに続いて、企業の利益率がどのように持ちこたえているか」という意味だ。

消費税引き上げ後、消費は比較的順調に伸びている。多くの企業は消費税引き上げ前は、消費の鈍化を予想して、弱気寄りの収益見通しを示していた。しかしエコノミストの中には、消費が堅調なので、当初予想を上回る決算になるのではないかと予想している人もいる。

さてhold upには色々な意味がある。すぐ思い出すのはピストルを突き付けて「停止を命じる」ことである。だが経済記事の中で使われる時は「持ちこたえる。歩調をゆるめない」という意味で使われることが多い。

月曜日に発表された日産の四半期決算は、4-6期としては過去最高の売上高で、最終利益も36%強増えた。国内販売の低迷を好調な北米と中国の売上が補った。

好調といえば、中国経済に対しては強気の見方が増えている。また5大銀行が個人投資家を増やすという計画がロイターに流れたことで、中国株が急伸して過去3年半で最高値を付けた。

日本の輸出の18%は中国向けだ。中国経済が好調になると日本企業の収益性はhold upする可能性が高い。確かに全四半期決算は注目に値しそうだ。

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【イディオム】Take a hit 教育は日本の弱点

2014年07月28日 | 英語

WSJに「日本が国連が発表する人間開発指数で韓国に抜かれた」という記事が出ていた。記事のタイトルはSouth Korea tops Japan in U.N. Human Development Ranking.

先週発表されたレポートによると日本は17位、韓国は香港と並んで15位だった。

人間開発指数のトップはノルウェー、以下オーストラリア、スイスと欧米先進国が続いている。15位でも17位でもさほど変わりはないと私は思うのだが、WSJの記者はお隣の国に敏感な日本や韓国の読者を意識してこのようなタイトルをつけたのだろうか?

人材開発指数は平均寿命、教育、国内総生産などで決まるが、日本と他の先進アジア諸国の間で差がついたのは「教育」だとWSJは述べていた。

Japan's ranking took a hit because of lower scores on the education index compared to other developed Asian countries.

Take a hitとは「打撃を受ける」という意味のイディオムだ。他に「急速に人気・評判が落ちる」という意味もある。また麻薬を吸うという意味もある。

日本の「予想就業年数」は15.3年だが、韓国や香港の予想就業年数は17年と少し長い。大学までの就学年数を16年とすると韓国や香港では大学院まで行く人の比率がかなり高い訳だ。

日本の人材開発指数に関して気になる点は、少しずつランクが下がっている点である。ランクの低下要因が教育によるところが大きいとすれば、注意する必要があるだろう。

人材開発指数レポートの要約は日本語版もある。http://hdr.undp.org/en/2014-report/download

★   ★   ★

 

最近出版した電子本

 

「英語の慣用表現集」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LMU9SQE/

 

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/

 

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スマホで電子本を読むのは実は簡単

2014年07月27日 | デジタル・インターネット

先日名古屋に出かけた時、何人かの方から「出版した電子本をおつきあいで買って読んでも良いと思っているのだけとキンドル端末を持っていないので・・・」というお話を受けた。

その他の人の話でも「アマゾンの専用端末キンドルがないと電子本(キンドル本)は読めない」と思っている人が意外に多いようだ。でもそれは間違いでキンドル本はiPhoneやアンドロイド系のスマートフォン、タブレット端末でも簡単に読むことができる。

アプリは無料だし、ダウンロードは非常に簡単だ。

Kindle1Kindle2まずアプリの画面からPlayストアを探す。Playストアは無料・有料のアプリをダウンロードする入り口だ。次にアプリの画面にキンドルと入力(文字入力でも音声謬力でも良い)

写真のようなキンドルが出てくるのでタップする。

しばらくするとキンドルのホームページがでてくる。そして検索から希望をタイトルを探して購入すると電子本をダウンロードすることができる。ダウンロードした電子本は右の写真のように本の表紙が並ぶ。読みたい本の表紙をタKindle3ップするとページが開く仕組みだ。

なおアマゾンにアカウント(普通の書籍や物品を購入するアカウント)を開いていないとスマホの画面でアカウントを開くことになるだろう。

電子本の購入はPCからも行うことができる。その時自分が使うスマホやタブレットを登録しておくと、キンドル本は複数の端末から読むことができる。

アマゾンのアカウントを開いていない人の場合はPCでアカウントを登録して、電子本もそこから購入する方が簡単かもしれない(スマートフォンより画面が大きいので入力しやすいという話である)。

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「与える方が幸せ」だった一日

2014年07月27日 | うんちく・小ネタ

私たちは自分のしたいことをして暮らすことを幸せだと感じている。そして自分のしたいことに他人がペースを合わすことを望んでいる。私もご多聞に漏れない。

しかし時には他人の喜びのためにお付き合いすることもある。そして自分の好みを曲げても、喜ぶ相手の顔を見るとそれはそれで良かったと感じている自分を発見する・・・・ 。大袈裟にいうと昨日はそんな一日だった。

昨日(7月26日)の朝は名古屋のホテルで迎えた。8時頃家族四人で来日しているネパール人の友人から電話が来て、今横浜だけどきょう東京に行く、夜のバス便で宝塚に行くけれど半日時間があるから都内の観光案内をお願いしたいという。OKして11時半に東京駅で待ち合わせをした。

それから同じホテルに泊まっている女性税理士さんのご希望に合わせて、名古屋名物の小倉トーストを食べに出かけた。

Ogura

私より少し年配の税理士さんとは昨日から一緒に相続学会のセミナーのお手伝いに名古屋に来ていたのだ。「朝から甘いあんこはどうかな?」と思ったけれどお付き合いして頂くと結構おいしかった。食べたのは駅から少し南に行った笹島交差点のリヨンという店だった。

その後新幹線で東京に向かい、11時30分のネパールのBさん一家とステーションホテル前で出会った。旅行代理店を経営するBさんとは、トレッカーとLand operator(現地の旅行会社)のボスという関係を超えた一種の友人になっていてカトマンズでは自宅に夕食にも招待されている。

彼らが東京にくれば、おもてなしをするのは当然である。しかし急な話だし、東京は2回目というBさんを除いて、東京は初めてというご家族にどこを案内するのが良いかアイディアが思いつかないので、はとバスツアーに乗ることにした。

その前に夜のバス便確保をしなければならない。高速バスのチケット売り場は八重洲口の南側だ。そこで一度八重洲側に行き、バスのチケットを買って貰い、乗り場を案内。それから又丸の内側の、はとバスチケット売り場に向かった。八重洲=丸の内を結ぶ通路は東京駅の北側にしかないので、かなりの大回りだ。南側にも自由通路があると助かるのだが。

はとバスツアーは午後1時出発の5時間コース(皇居前・浅草・東京タワー)に空席があったのでこれを予約。はとバスには英語ツアーもあるのだが、この時間帯にないので、日本人向けバスに乗って貰う。大人一人@5,700円これはご招待だ。軽食の後バスに乗り込むと完全に満席。結構ご高齢の方が多いのに驚く。この猛暑の中、東京見物とはご苦労様である。

Bさんが「皆東京以外の人か?」と聞くが答は I don't knowである。本当に分らない。東京の人もはとバス観光を使うという話は聞くからだ。

さてバスはまず皇居前広場へ。

Palace

Bさんは「日本人は天皇を尊敬しているのか?」と聞く。答はYes, definitely.

ネパールでは今世紀初めに国王一家が惨殺されるという事件があったり、6年前には王制を廃止しているから「国民が天皇を尊敬しているかどうか」疑問だったのだろう。

30分ほど炎天下を歩いて、楠木正成公の銅像前のバスに戻った。

20140726_13342913歳のBさんの息子に「 正成公が後醍醐天皇を救った忠義のサムライだ」と説明してあげると、彼はfactかbeliefかと質問してきた。Factだけれど戦前に政府が美化したという私の説明を彼が理解したかどうかは不明だが。

この13歳の少年に将来の進路希望を聞くと「東京大学で遺伝子工学を学びたい」と明確な答えが返ってきた。ただし奨学金を貰える枠が5人だそうで、かなり勉強をしないといけないようだ。実はネパールの大学進学率は日本より高くて7割ぐらいではないかということを聞いたことがある。

輸出産業が育つ見込みが乏しいネパールでは、若者は学力をつけて国外で働こうとする。ネパールの若者たちも大変だが、彼らと直接・間接に競争する日本の若者にも大変な時代である。

浅草浅草寺の話は割愛して、最後の東京タワーの印象を書こう。東京タワーに登ったのは30年位前だったので、機会があればもう一度行きたいと思っていたところ、こんな形で機会が巡ってきた。Bさん一家も東京タワーからの展望を楽しんでいた。なによりも涼しくて気持ちが良い。

Tower

夏空に赤い足を踏ん張って立つ東京タワーにはスカイツリーよりある種の人間味がある、と感じた。

午後5時50分バスは東京駅に戻った。ここでBさんご一家とはサヨナラをした。

暑い半日のお付き合いだったし、予定外の出費でもあった(東京は外国の友人を接待するには食事代など総てのものが高過ぎる)。

だがBさんご一家が短い東京観光を楽しんでくれた、とすればそれはうれしいことである。また13歳の息子が東京で勉強をしようという気持ちを更に高めて勉学に励む機会となればこれまた素晴らしいことである。

「与える方が貰うより幸せである」というのは聖書の言葉だ。 It is more blessed to

give than to recieve.が原文。Blessedには「幸せ」の他、祝福されている、恵まれているという意味がある。

多少なりとも知人・友人が喜ぶことに力を貸すことができた一日は気持ちが良かった。

★   ★   ★

 

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