個別株の話はあまりブログに書かないが、例外的に自転車部品メーカーのシマノについては今年の2月に「走れ!シマノ」という題でシマノを推奨した。世界的な株安は優良銘柄を購入する絶好のチャンスだったからだ。そのシマノが走っている。当時2800円程度だった株価は1000円上昇し、3800円まで上昇してきた。今日の日経新聞朝刊の「時価総額、相次ぎ逆転」という記事では「自転車部品のシマノが二輪車メーカーのヤマハ発動機を(時価で)しのぐのは、消費者の環境意識や低価格志向の高まりを映す」と紹介しれていた。もっとも環境意識の方は良いとして「低価格志向」の方は的外れな評価だろう。
シマノは「自転車のマイクロソフト」と呼ばれる自転車部品では世界的な寡占メーカーだが、低価格商品を作っている訳ではない。かって競技用自転車のパーツはカンパニヨーロというイタリアのメーカーが独占していたが、シマノ製品がツール・ド・フランスを連覇して以来シマノは品質と価格で優位に立っている。価格で優位に立っているとはいえ、競技用のシマノの部品は安いものではない。「低価格志向」でシマノが売れるのではなく「高品質志向」でシマノは売れるのだ。
昨日テレビのニュースを見ていたら「オランダの強豪チーム・スキル・シマノから日本の北京五輪代表の別府選手がツール・ド・フランスに出場する」と報じていた。スキル・シマノが活躍すると、シマノの株価もまた上がるかもしれない。もっとも短期的な値上がりを狙う人からみるとシマノのような株は地味な株だ。自己資本比率8割で抜群のシェアを持つシマノのように安定した企業の株は、短期的にそれ程高騰するものではない。しかし環境と健康志向のクロスロードに位置するシマノは確実に成長を続ける優良企業であり、株価も着実に伸びるだろう。