今日エントリーした「中国の所得格差は恐らく政府発表よりかなり悪い」という記事に関して、読者の方から「それは税金・年金など所得再配分後の数字ですか?」という質問を頂いた。
記事を読んだ記憶では所得再配分後とは明記していなかったと思うが次のような理由から私は所得再配分後の数値であると判断している。
理由
ジニ指数の各国比較は色々な機関が発表しているが、一覧性の高いCIAのデータを見ると次のとおりだった。
中国 0.474 日本 0.376 (参考 米国 0.45)
日本については昨年10月に厚生省が発表した2011年の所得再配分調査によると、所得再配分後のジニ指数は0.379だった。したがって日本については所得再配分後のジニ指数を使っていると思われる。またA国のジニ指数は所得再配分前、B国のジニ指数は所得配分後では各国比較ができないから、CIA等の機関は所得再配分後のジニ指数を使っていると判断される。
ちなみに日本の所得再配分前のジニ指数は0.55と高い。その大きな理由は「公的年金は所得に加えないため、年金を受給する高齢者が増えるとジニ指数が大きくなる」という特性があるようだ。
ジニ指数についてこれ以上詳しいことは調べていないが、各々の国の所得再配分前と後のジニ指数を比較するとその国の社会保障制度等格差是正策が見えるのだろう。ただし手に余る仕事なので、いつか専門家の研究を読んでみたいと思っている。