先日出身高校の首都圏地区同期会がありました。京都の高校ですから首都圏在住者はそれほど多くありません。集まった人は十数名でした。
まもなく高校卒業後50年を迎えるという卒業生の集まりですから、近況報告になると、健康問題・趣味・孫の話が中心です。数年前までは仕事の話が多かったのですが。出席者の中に医者が一人、歯医者が一人いましたので、やがて彼らを中心に病気と治療の話に花が咲くという状況です。
仲間に医者がいるというのは何かと心強いですね。兼好法師も「つれづれ草」の中で「良い友達というのは『ものをくれる人』『医師』『知恵のある人』だ」と言っています。
「ものをくれる」といっても、あまり大きなものを考えない方が良いでしょう。現在では家庭菜園でとれた野菜類をおすそ分けしてくれる位の間柄が良いと思います。
同窓会の帰り道である友人から「家内の相続問題で頭を痛めている。知恵を貸してくれないか?そして良い専門家がいたら紹介してくれないか?」という相談を受けました。私が相続関係のある団体の事務局を担当していると自己紹介したからです。
私自身「知恵がある」かどうかは分かりませんが、知恵のある人のネットワークを持っていることは確かなので早速手配を引き受けました。
因みにいうと「同期会」は「大学」や「会社」の同期会より「高校」の同期会を大事にした方が「よき友」に巡り合う可能性は高いでしょう。
何故なら「会社」の同期会などは「同じような情報と知恵を持った仲間」の集まりだからです。大学の同期というのもこの傾向が強い。しかし高校になると、卒業生は医者や薬剤師、法律家等各方面に分散しています。つまりより多方面の「知恵ある友」に巡り合う可能性が高いのです。
つれづれ草は「友にする悪き者」として次の7つをあげています。「やんごとなき人」「若き人」「病なく身(からだ)強き人」「酒を好む人」「たけく勇める兵(つわもの)」「虚言する人」「欲深き人」です。
「やんごとなき人」を組織の階段を昇りつめた人と解釈すれば、この7つはサラリーマンとして出世した人の条件を満たしているような気がしました。
つまりサラリーマンとして出世した人は兼好法師によればあまり「よき友」ではないのかもしれません。「よき友」と呼ばれるようになるには、昔のことは忘れて家庭菜園に励んで、沢山取れた野菜をおすそ分けする位にならないと駄目なのかもしれませんね?(笑)