コロナはレストランやツーリズムで商売を奪いながら、宅配業者やストリーミング会社などには商売の機会を提供している。金融についていえば、アメリカでは自宅籠りの人がオンラインで株式トレードを行うことが増え、数百万の証券口座が新規に開かれたという。コロナで職を失った人も桁外れに多いが、新しいビジネスの出現も桁外れに多い。それがアメリカだ。そんなアメリカで急速に伸びている金融関連のビジネスが「後払い」Buy now Pay laterだ。日本流にいうと「無金利のショッピングローン」である。たとえばビッグカメラは15,000円以上の買い物をした人が分割払いを希望する場合、提携金融会社のショッピングローンを斡旋し、ローン金利を負担(購入者は無利息)するサービスを提供している。基本的にはBuy now Pay laterも同じ仕組みだ。
ビッグカメラの場合、オリコがショッピングローンを提供しているが、アメリカの場合、Affirm HoldingsやAfterpay Ltd, Klarna Bank ABなどがファイナンスを提供している。アメリカはクレジットカードのリボルビング払いなど消費者信用の盛んな国だが、コロナで先行きが不透明な中、クレジットカード債務の拡大に慎重になっている。一方商品を販売する方としては多少の手数料を負担しても、販売促進のためにBuy now Pay laterを提供しても良いと考えている。そこに新興金融会社が新しい金融サービスを提供するチャンスを見出した訳だ。
日米同じような仕組みはあるが、最大の違いはサービスを提供する会社の株価トレンドだ。例えばAfterpayの株価は今年3月には20ドルを切っていたが、12月には120ドルに達している。ちなみにオリコの株価は3月以降110円~120円でほとんど変わらず。
コロナは色々なビジネスチャンスを生み出し、それを捉えた人は金儲けができるという一例なので紹介した次第。