金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

タブレット端末を自宅内無線LANに接続

2012年05月30日 | デジタル・インターネット

先週購入したドコモのタブレット端末(Arrows)を昨日自宅内の無線ランに接続した。と書くと大変なことをした様に思われる方がおられるかもしれないが、実際はすごく簡単に設定することができた。タブレットに内臓さている取扱説明書にそって、設定画面を開いた後は、LANの親機のAOSSボタンを押すだけというものである。

ただし注意しておいた方が良いことが二つある。一つは親機と子機(この場合はタブレット)をできる限り近づけておくこと。もう一つは自動設定にはある程度時間がかかるので、親機・子機が設定通信を行なっている時はじっと我慢して待っていることだ。

AOSSとは元々はBUFFALO社の独自システムで、AirStation-One-Touch Secure Systemの略だ。親機についているAOSSボタンを押すだけで、LANの知識がなくても、親子間の設定ができる大変便利なシステムだ。ただしLAN設定時は、セキュリティ情報等重要な情報を無線で交換するため、通常の無線ラン交信時より電波を弱くして、情報が外部に漏れないようにしている。だから電波を拾い易くするため、親機・子機を近づけておく必要がある。

我が家では親機は一階、タワー型PCは二階の書斎に置いている。数年前無線LAN環境を構築した時は、重いPCの上げ下ろしに苦労したことがあった。またその時はAOSSが上手く機能せず、汗をかきながら手動設定した記憶があり、密かにタブレット端末の無線LAN接続を危惧していたが、まったくの杞憂に終わった。技術は進化している。

さあ、今週末はタブレットを無線ラン内臓のプリンターにも接続しよう。新しい機械は遊び応えがある。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山の困難さを登山タイムで比較する

2012年05月30日 | 

山登りを余り知らない人は山の大変さを標高で推定する傾向があり、標高3千メートルの山は標高2千メートルの山より難しいと考えている。確かに北アルプスの3千メートルを超える山には雪渓や岩稜が多く、天候の変化も激しいので高い山を困難な山だとする考え方には一理ある。

だが実際に山を歩いている人は山登りの大変さは標高(絶対的な高さ)に比例するのではなく、登山口と頂上の間の距離や高度差に比例するということが分かっている。またところどころに山小屋があり、休憩や宿泊が可能な北アルプスの人気コースに較べて、営業小屋のない飯豊山などを登る方がはるかに困難であることを理解している。

先週末登山した(頂上は踏めなかったが)高妻山を例にこの問題を考えてみよう。高妻山は標高2,352mの山で登山口からの累積標高差は+1,358m、-210mと計算された(カシミールという地図ソフトで計算した)。つまり登り下りのある尾根道を途中で210m下りながら1,358m登るということになっている。

地図ソフト・カシミールには、平地で歩行速度を設定すると山の傾斜を補正しながら、登下降に必要な時間を推定する機能がついている。平地歩行の速度を時速3kmに設定した場合の戸隠牧場から高妻山への登山時間は6時間5分と計算された。6時間5分はコースタイムより長いがそのこと自体はここでは問題ではない。ポイントは「想定登山時間を使って山の困難さを比較する」ことにある。

北アルプスの著名な登山ルートで推定登山時間が6時間程度のルートを選ぶと「猿倉から大雪渓を登って白馬岳山頂」と「横尾から槍ヶ岳山頂」と2つのルートがまず目についた。

猿倉から白馬岳山頂までの標高差は約1,600m、沿面歩行距離は5.9kmで推定登山時間は5時間59分だ。横尾から槍ヶ岳の標高差も約1,600m、沿面歩行距離は9.5kmで推定登山時間は6時間9分だ。

従って登山口から頂上までのコースタイムで見ると、高妻山は白馬岳や槍ヶ岳並の労力を要する山だという見方ができる。いや下山のことを考えると、求められる一日の運動量は高妻山の方がはるかに大きいのである。というのは白馬岳登山も槍ヶ岳登山も頂上直下に小屋があり、6時間かけて登ってもそこで泊まることができるのに比べ、高妻山では登ってきた道を登山口まで引き返す必要がある。カシミールを使って計算した下山の推定所要時間は5時間41分だ。これは登りの所要時間6時間5分と余り変わらない。これは登山道が起伏に富み、往復双方で登り下りがあることを意味している。

高妻山を登るためには1日11時間半の登山をする覚悟が必要だ(コースタイムは9時間から10時間程度としている)。これは日本百名山登山の中でもトップクラスだ。

登りのアルバイトの辛さでは、累積高度差1,850mを一日で登る飯豊山登山の方が高妻山より上だが、飯豊山の場合は山頂近くに幾つか避難小屋があり、通常そこに泊まるので、一日の推定登山時間は7時間程度である。

高妻山はそれよりもはるかに長い一日の歩行時間を求めている。山の困難さを一日の歩行時間で比較すると高妻山は並み居る北アルプスの名峰を押さえて、本邦トップクラスに躍り出るのである。山高きゆえに困難ならず、懐の深さゆえに困難なのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ギリシャ懸念一段落で日本のスキャンダル2件~FTより

2012年05月29日 | 社会・経済

昨日(5月28日)月曜日の欧州の金融市場は割合落ち着いていたようだ。その理由は6月に行なわれるギリシャの総選挙で救済プラン支持政党が選挙民の支持を伸ばしているという世論調査の結果、ギリシャのユーロ離脱懸念が後退したことによるとFTは分析していた。

もっともスペインの銀行資本再編成プランを巡って、同国の国債は過去半年で最高の利回りである6.47%まで売り込まれ、同国の株価指数(Inbex)は2%下落した。まだまだ火種はあちらこちらにあるので安心できる状態ではないと思うが。

そんな中余り大きなニュースがなかったのか、FTは日本関連のスキャンダルネタを2件報じていた。

一つは「オリンパスの元社長ウッドフォード社長が10百万ポンドで同社と和解するのではないか?」という観測記事。昨年解雇されたウッドフォード元社長は、最大10年分の報酬35百万ポンドの支払を求めて英国で訴訟を起こすと見込まれていたが、記事によると10百万ポンド(12億円強)で和解するのではないか?と観測される。

まあ、幾らで和解しても良いけれど、長年のオリンパスカメラのユーザとしては、早く会社を建て直し良いカメラ作りに専念して欲しいものである。

もう一つのニュースは、三井住友信託(旧三井側)がみずほ株のインサイダー取引疑惑で証券取引等監視委員会の査察を受けているというものだ。

二つのニュースとも話題性はあるかもしれないが、世界経済に与える影響は微々たるものだ。埋め草的な記事のような気がするが、世界を震撼させるニュースが少なかったということなのだろう。嵐の中の小さな凪というところか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残雪期の高妻山、170m残して撤退

2012年05月29日 | 

5月27日日曜日、快晴これ以上ない程の晴天が見込まれる一日。4時45分に起床して朝食。キャンプ場から車を戸隠牧場入口回して登山開始。5時50分スタート地点の標高は1,192mだ。

清々しい牧場の中の登山道を歩く。

Dsc00238

午前7時2分滑滝到着。

滑滝の手前は右手の谷からのデブリ(雪崩による雪の残骸)が沢を埋めていた。

Nametakisita

滑滝は左岸(上流から見て左側)の鎖をつかんで登る。

Nametaki

Nametaki2

約20分で「帯岩」と呼ばれている大きな岩壁に到着。ルートは写真左下辺りのステップが切ってある岩を登り、岩壁中程のバンドを左から右にトラバースするというものだ。ここは高妻山登山の一つのハイライトで、色々な登山記録を見ても「大変だった」というコメントが多い。トラバースするバンドの幅は広く岩場に慣れた人であれば、岩壁にぶら下がった鎖を頼ることなくスタスタと歩けるだろう。

Obiiwa

ただし高度感は十分ある。岩壁をトラバースした先には小滝がありその左側を鎖を掴んで強引に登ると帯岩は終わりだ。

Obiiwa2

8時5分、一不動到着。高妻山と戸隠山を結ぶ稜線の鞍部だ。ここには避難小屋が建っているが内部は汚れているというので覗かなかった。

一不動からは起伏のある尾根を登っていく。途中の小ピークには「二釈迦」「三文殊」「四普賢」という名前がついている。左手には高妻山がキリリと引き締まった姿を見せ気持ちが良いがアップダウンの多い尾根歩きには疲れた。

9時13分 「五地蔵」到着。標高は二千メートルに2m足りない1998mだ。

Dsc00247

次の「六弥勒」までの距離は短い。約5分だ。弥勒の頂上からは東側に向かって踏み跡がある。「弥勒新道」と呼ばれる新しい登山道だ。こちらを通るとかなり時間が短縮できるので下山にはここを通ることにしている。

弥勒付近で近付いても飛び去ろうとしないシジュウガラを見つけた。小さな羽根のようなものを加えている。高妻山には野鳥が多い。ウグイスの「ホーホケキョ」の鳴き声に時々「ピーチク」という声が混じる。

Sijyuugara

弥勒で尾根は大きく左に曲がり、ほぼ西を向く。弥勒を下りきった付近から残雪が出てきた。残雪は尾根の右側つまり北斜面に残っている。

Hacchou_3

10時17分「九勢至」到着。アイゼンの装着等に時間がかかりいま一つピッチが上がらない。景色は素晴らしい。左手には鋭い岩峰を連ねる戸隠連峰が見える。

Togakusi

正面はこれから登ろうとする高妻山だ。夏道は正面から右に降る尾根上についているが、雪に埋もれているところが多く今回のルートは尾根の右手をたどっていった。

Takatumayama

私はまだアイゼンは着けないもののここでストックをピッケルに持ち替えた。これが良かった。後でアクシデントを防ぐことになった。

雪の斜面は傾斜を増してきた。私はそれまで先頭か二番手で歩いていたが、メンバーのスリップが気になったのでここで最後尾に回った。そしてほぼその直後H君がスリップして滑り落ちてきた。私はH君の下に駆け寄り、体でブロックしながらピッケルのH君の足の間に突き刺して滑落を止めた。ここは雪の急斜面はまっすぐに氷沢川まで落ちている中々危険な場所だ。傾斜は35度位だが滑り方によっては数百メートルの滑落をしそうだ。特に降りが危険なので今回の高妻山登山はここで中止とした。

時刻は11時17分。標高は2,176m。高度差170mを残しての撤退だ。写真上部が下から見た撤退地点だ。

Turningpoint

下っていく先に観音や弥勒の小ピークが連なる。

Return

12時5分。弥勒新道分岐点(標高1990m)。ここから急な尾根をひたすら下降。

午後2時18分牧場脇の小川を渡る(登山終了。標高1230m)。標高差760mを2時間(休憩時間を除いた正味の歩行時間)で下ったことになる。

駐車場に向かって牧場を歩いて行くと小雨がパラパラと降ってきた(すぐあがったが)。高妻山のピークを踏むことはできなかったが、中々充実した登山だった。長い尾根のアップダウンが連続する高妻山は手強い。恐らく日本百名山の中でも数本の指に入る体力を要する山である。

残雪期の山は雪の状態により、難度が大きく変わる。登山ブログの記録などと較べると今回の雪の状態は平常年のGW並みの雪が残っていたのではないか?と思っている。

来年はGWの頃にピッケル・アイゼンのフル装備で再挑戦してみたいものだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

企業合併が成果をあげない小さな理由

2012年05月28日 | うんちく・小ネタ

昔勤めていた銀行が今年の4月に同業と合併した。事業部の統合、事務所の移転等大変そうである。中でもある後輩が「お互いの使っている言葉の意味が通じなくて大変ですよ」という言葉が気にかかり、その理由を考えてみた。

日本人は単一民族で「日本語」という共通語を使っているので、コミュニケーションの問題はないと考え勝ちだが、実は英語という共通言語を使う多民族国家よりコミュニケーションの壁は厚いかもしれない。

例えば自分の会社のことを語る時、「わが社」と「当社」という言い方がある。銀行に勤めていた頃、別の同業との合併に関与したが、この時一つの話題になったのが、この「わが社」と「当社」の問題だった。かなり昔の話なので、どちらの銀行が「わが社」を使い、どちらの銀行が「当社」を使っていたか忘れたが、自社のことを「わが社」という銀行は、取引先等第三者を「当社」と呼び、もう一つの銀行は自社のことを「当社」と呼んでいたから、会話をしても中々かみ合わないのである。

これを英語で考えると、恐らくシティでもJPモルガンでも自社のことはour companyとかmy company、取引先等はthe companyと呼び、このような混乱を起こすことはないのではないか?

肩書を敬称として使うルールも厄介だ。私が合併に携わった時の相手方銀行では、課長代理あたりのも一々肩書を付けて、「〇〇代理がこう言っていました」などという言い方をしていた。私などは会長・社長でもほとんど「さん」付けなので、大袈裟だなぁと思ったし、相手側は私のことを随分rudeな人だと思っていたかもしれない。

米国などでは、ほとんどの場合Mr.〇〇で済んでしまうので簡単だ。

日本の企業で合併の成果が中々上がらない一つの小さな理由はこの辺りにあるのかもしれない。もっとも欧米の企業にとっても合併の成果は必ずしも芳しいとは言えないので、言葉の問題がどれ程日本企業の障害になっているかは分からないが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする