6月27日に行われた米大統領選挙に向けたバイデン大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会は、ご覧になった人も多いと思う。
まず気になったことは、バイデン大統領が時々発言につまるなど精彩を欠くイメージを与えたことだった。
バイデン氏が精彩を欠いたことについて、WSJはDefiant Biden hits campaign trail as Democrats discuss replacement(民主党が代替候補について議論をする中で頑固なバイデン氏は選挙戦を始める)という記事で、「バイデン氏のパフォーマンスが再選キャンペーンの継続に疑問を生じさせているが、バイデン氏に出馬を辞退する意向はない」と報じている。なおWSJは一般的に保守色が強いと言われていることは考慮しておいた方が良いと思う。
一方フランスに本社を置く国際的な市場調査機関Ipsos(イプソス)には、Biden lost the debate, but Trump didn't win「バイデンは討論で負けたけれども、しかしトランプは勝たなかった」という記事を発表していた。
記事の要旨は次のとおり。
「世論調査では、バイデン氏の大統領としての精神的・肉体的適性に対する信頼が、討論会の後、特に民主党議員の中でわずかに低下したことが分かった」
「しかしバイデン氏に対する低い評価にもかかわらず、多くの選挙民はまだバイデン氏に投票しようと考えている」
Ipsos社がフォーカスグループを使って、どちらに投票するかまだ決めていない人の意向調査を行ったところ、両候補者とも討論の場で重要な問題に対処できなったことに幻滅を感じているという有権者の反応を得た。
バイデン大統領の健康問題とトランプ氏のナルシズムの強さと人の話を聞こうとしないがの強さ。
このままでは米国民は、この2つの気まずい選択のいずれかをえらばなくてはならない。
さて民主党はバイデン氏にかわる大統領候補選択に動くのか?
トランプ前大統領に対する裁判の行方は?
話題には事欠かないが、重要な政策問題について議論の深まりが見られないことにいら立ちを感じている有権者が多いことも事実だろう。