金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国第1四半期成長率1.1%、中身は悪くなく、株価躍進を後押し

2023年04月28日 | 投資
 昨日(4月27日)の米国株はナスダック銘柄が牽引し大幅に上昇した。S&P500は1.96%、ダウは1.57%、ナスダックは2.43%の上昇。
 個別銘柄で大幅に上昇したのは、ほぼ1年ぶりに増収となったメタバースで株価は14%上昇。S&P500のコミュニケーションセクターは5.5%上昇した。
 経済データではインフレ調整後の第1四半期GDP成長率が年率換算1.1%と発表された。数字自体はエコノミストの事前予想2%や昨年第4四半期の成長率2.6%より低かったが、成長率が鈍化した大きな要因が在庫投資減によるもので、個人消費は3.7%と堅調だった。当面の在庫投資が減ったことは翌四半期以降投資が増える可能性を示唆するものでマイナス要因とは判断されなかった。
雇用については足元の失業保険申請者数は230千人でコロナ前の平均246千人を下回っている。
 総じて経済は堅調で連銀は5月のFOMCで政策金利引き上げを行うと予想する市場参加者が増えた。

フェドファンドフューチャーは5月のFOMCで連銀が政策金利を0.25%引き上げる可能性を前日の72%から83%に高めた。
 銀行の破綻に伴う信用の収縮、政策金利の引き上げ、大企業のレイオフなど米国経済の先行きには幾つかのハードルが見える。
 しかしナスダックを中心とする株式市場はリセッションのリスクを軽視して年初来の好調を維持している。景気後退予想と株高という微妙な綱引きはどちらに傾くのだろうか?
 
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4月の爽やかな神代植物公園

2023年04月27日 | まち歩き
 昨日の雨と打って変わり今日(4月27日)の東京は快晴で風邪もさわやかです。乾いた空気の中を散歩しようと思い神代植物園に出かけました。
 写真の花はゴゼンタチバナです。
藤の花は満開から少し盛りを過ぎた感じですね。
公園の入り口に近いところで咲いているシャクナゲは盛りを過ぎていました。
少しでも形の良い花を探してカメラを向けます。
「春のバラフェスタ」は連休明けの5月9日からスタートの予定ですが、既に満開のバラの花もありました。写真の花には「ヘレン・トロベール」の名札がありました。
この花はアンネ・フランク。

今年は気温の上昇速度が速いので、色々な花が一斉に満開を迎えている感じですね。





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チャットGTP人気はマイクロソフト株価を押し上げるが実益のほどは?

2023年04月26日 | 投資
 昨日(4月25日)の米国株は大幅に下落した。ファースト・リパブリック銀行やUPSの決算内容が悪く、投資家が景気悪化や金融不安が払拭されていない懸念を抱いたためだ。
 S&P500は1.6%、ダウは1%、ナスダックは2%下落した。
 ファースト・リパブリック銀行の預金は昨年12月末の1,764億ドルから今年3月末の1,045億ドルに4割以上減少した。決算発表を受けて同社の株価は49%下落した。
 決算発表については時間内取引終了後発表を行ったマイクロソフトとアルファベットの決算内容が好感され2社の株価が上昇していることから、2社の株価は上昇している。特にマイクロソフトの株価は時間外取引で8%近く上昇した。
 マイクロソフトの四半期決算は前年同期比7%の増収9%の増益でアナリスト予想も上回ったので、株価上昇は当然だが、8%の上昇はややチャットGPTの人気を先取りし過ぎているかもしれない。
 マイクロソフトの株価は決算発表前までで今年15%上昇(S&P500は6%上昇)と市場平均をアウトパフォームしている。決算面では、Azureなどクラウドサーバビジネスが好調(ただし売上の伸びは鈍化しつつある)で、個人PCなどは低迷という状況の中、同社が巨額の出資を行っているオープンAIのチャットGPTの将来に期待して株高が先行していると私は捉えている。
 チャットGPTが製品に組み込まれたり、チャットGPTに取り込む法人の大型データベースをクラウドサーバビジネスに結びつくのはもう少し先の話だ。
 だが生成型AIは間違いなく成長分野なので、この分野の株式を持っているかいないかが数年後のポートフォリオのパフォーマンスを決めると考えて間違いはないだろう。
 
 
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「チャットGPTが犯罪指南」読売新聞の記事は煽り過ぎ

2023年04月25日 | ニュース
 今朝(4月25日)の読売新聞朝刊のトップ記事「チャットGPTが犯罪指南、爆発物作り方も詐欺メール文章も瞬時に」を見てあきれた。
 記事の内容自体はタイトルよりはましなものの、チャットGPTが何であるか?をよく知らない読者をミスリードする記事だ。
 確かにチャットGPTを使えば爆発物の作り方を簡単にしることはできそうだ(試したことはない)。
 だが爆発物の作り方はチャットGTPが登場する昨年11月以前からインターネットで簡単に調べることができた。
 「チャットGPTが犯罪指南」の論法を使えば「インターネットが犯罪指南している」ということになり、インターネットを悪者扱いすることになる。
 インターネットや携帯電話あるいはATMが普及したことで「特殊詐欺」が拡大した。固定電話と銀行窓口からの送金の組み合わせでは特殊詐欺被害は極めて限定的だったろう。だからといって携帯電話やATMを止めろ、という声はあがらないはずだ。
 チャットGPTは犯罪指南を行う可能性があるが、その数万倍以上健康な生活指南に利用しようとする人がいるはずだ。
 たとえば「高齢者になってもフレイルに陥らない生活習慣を教えてください」というと一般に言われている情報を瞬時に提示してくれる。
 多くの技術は善用・悪用に対して中立的だ。爆薬はトンネル掘削にも役立つがテロでは要人を殺傷する可能性がある。
チャットGPTも悪用すると爆発物の作り方を調べることができる。
ただしチャットGPTが自ら犯罪を指南することはない。読売新聞の記事のタイトルは読者をミスリードする可能性がある。

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「不老脳」シニアのチャレンジ精神を鼓舞する一冊

2023年04月23日 | 本と雑誌
 最近和田秀樹さんの「不老脳」(新潮新書)を読みました。ほぼ1日ですっきり読める良い本だと思いました。私にとって。
 自分にとって良い本(ノンフィクション)とは何でしょうか?
 それは①著者の意見に7,8割賛同できる。②7~8割程度は既知の話で2~3割程度新しい知識を得ることができる③論旨が一貫していてブレが少ないからすっきり頭に入るということだと私は考えています。すっきり頭に入るから身になって具体的な行動指針になります。
 その点で「不老脳」は私にとって良い本でした。
 まず和田さんがこの本で何を言いたいか?を考えてみました。
 実はあんまり強く打ち出していないと思うのですが和田さんが一番言いたいことは「人生は楽しんで生きなければ意味がない」ということなのだと私は思いました。シニアになってもつまり人生の後半戦になっても楽しく生きるためには「前頭葉が機能不全に陥らないようにする」ことが大切だと和田さんは強く訴えています。なぜなら前頭葉が「自己認識」「自己抑制」「やる気」「ソーシャルスキル」など人間らしい生き方に関わる脳の働きを担っているからです。
 そして和田さんは「前頭葉を鍛えるには①二分割思考をやめる②人生実験をする③運動する④人とつながる⑤アウトプットをこころがけることが大切」と述べています。
 この本のから学ぶ具体的な行動指針はこの5点です。
 逆にいうともしこの5点を実践しているならば敢えてこの本を読まなくても良いかもしれません。
 もっともどんな素晴らしい行動指針にしても結論だけを聞いて腹落ちするとは限りません。腹落ちするには「なぜそうなのか?」という理由をしっかり理解したいという人もいるでしょう。
 その人はこの本を読んでみることです。そうすれば大脳の役割、認知機能等の理解が深まり、前頭葉の重要性を再認識すると思います。
 ただし私はこの本が言っていること総てに賛同している訳ではありません。
 和田さんは「楽しいことにお金を使う」という項目で、「70代、80代になって『貯金が減らないなあ』と思ったら、前頭葉を使うためにも、ためらわずお金を使って行動してほしいものです」と述べています。
 しかしこれは今後のインフレの進行や社会保険料の負担増、マクロスライドによる公的年金の実質目減りなどを跳ね返す収入源や資産を持っているごく限られた高齢者に当てはまる処方箋だと私は思います。正直なところ3,4千万円の金融資産を持っている層の人ではそこまで大胆に振る舞える人は多くないと思います。つまり9割以上の高齢者は「将来の生活資金が減ることに漠然とした不安を抱えつつ、限られたお金で効率よく楽しみを求めている」のだと思います。
 もっとも他人と100%意見が合うことなどありませんから、この点で著者と意見が異なって良いと思います。本からは時分に必要なことを学べば良いと思います。

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