朝はざっと米国の株式市場関連の記事に目を通し、面白そうな話題をブログに取り上げることを日課にしている。しかし米国株はボックス圏の中にあり、当面相場に大きな影響を与える経済指標の発表もなさそうなので、今日は健康関係の話題を取り上げることにした。
WSJにThe popular diet, supplemented with olive oil or nuts, helped stave off cognitive decline.「人気のある(地中海料理)とオリーブオイルまたはナッツ類を食べることで、認知力低下を予防する」という意味だ。
Staveは「(ボートやおけに)穴を開ける」という動詞だが、stave offとoffをつけると「予防する」というイディオムになる。Stave offというイディオムで覚えておいた方が良いだろう。
記事によると、研究を主導したのはバルセロナ大学のホスピタル・クリニックだ。
研究はかなり実証的なもので、55歳から80歳の認知力が健全な治験グループを「地中海料理+1日30グラムのナッツ類を食べるグループ」「地中海料理+1日スプーン5杯のエクストラ・バージン・オリーブオイルを食べるグループ」コントロールグループとして「低脂肪料理を食べるグループ」の3グループに分けて行われた。
4年を超える調査の結果、「地中海料理+ナッツ類」グループは、記憶機能において、また「地中海料理+オリーブオイル」グループは、注意・執行などの前頭葉機能において、コントロールグループより強く維持されていることが分かった。
研究グループは、脳の神経変性を引き起こす酸化現象に対して、フェノール類を多く含むナッツやオリーブオイルが酸化防止機能を発揮するのではないか?と示唆している。
もっともこの研究に携わっていない専門家は研究成果を評価しながらも、「消費者は慌てて大量のオリーブオイルやナッツ類を買い込む必要はない。なぜなら地中海料理等は認知症を改善する訳ではなく、認知力の低下を予防するものであり、その予防効果もコントロールグループと比較して極めて小さいからだ」と述べている。
オリーブオイルを多用する地中海料理が、循環器系の疾患に予防効果があることは広く知られているが、さらに認知症予防効果があることが、認識されると日本の食品業界やサプリメント業界でも宣伝に拍車がかかるだろう。
この研究を主導したロス教授は「肉よりも魚を多く食べ、豆類の摂取を増やすことで人々が食生活を改善することを期待している」と述べているから、我々は日本食をベースに、アーモンドなどナッツ類を使った一皿を加えることで良いのではないだろうか?
サプリメント業界の過剰セールスにはご用心!である。
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