今日はマイレージ・サービスに関連して固い話とちょっと役に立つ話をしよう。固い話というのはエコノミスト誌に載っていたエア・ラインのマイレージの話でちょっと役に立つ話というのは私のView Suicaカードの使い方についてだ。
まず最近のエコノミスト誌に載っていたマイレージの話。
- マイレージ・サービスは1981年にアメリカン航空が始めて、現在では世界の130以上の航空会社が同サービスを提供し、世界中で163百万人が何らかの形でマイレージを貯めている。世評では個人で一番マイレージを貯めた記録は25百万マイル(ロンドン・シドニー間を250回往復できるマイレージ)で出版会社の社長が会社の郵便料金を個人のクレジットカードで支払いマイレージを獲得したらしい。
- 今マイレージの半分以上はクレジットカードでの買い物や電話代など地上で獲得されている。
- 2004年に2千万枚のフリー航空券が発券された。典型的には1飛行機の内7,8%はフリー航空券による乗客である。
- 大部分の航空会社では1マイルの飛行距離で1マイル蓄積する仕組みになっている。航空会社はこのマイルを1マイル当たり1~2セントでクレジットカード会社へ売却している。もしマイレージ・サービスを最高に効率的に使う~例えば大西洋横断のビジネスクラス~なら1マイルの価値は10セントになるだろう。
- マイレージ・サービスは単なるマーケッティングの上手い手口だけではなく、航空会社にとって楽に収益を稼ぐ手段になっている。というのは乗客にとって航空券は数万円の価値があるものだが、航空会社の燃料代等の限界費用は米国内便の往復便で一人当たり25ドルと推定されるからだ。
- マイレージ・サービスによるフリーチケットの利用率は低下している。これは余りにも多くのフリーチケットを持った乗客が少ないフリーチケット用の座席を取り合っているからだ。大部分の米国の航空会社は2階建てシステムを採用している。これは2万5千マイルで国内便1枚の航空券に交換することができるが、そのシートは数が限られている。しかし2倍のマイレージ(つまり5万マイル)を出せば制限なく座席を得られるという仕組みだ。これは一つの平価切下げである。
エコノミスト誌の記事はこの後大手航空会社が破綻すればマイレージは使えなくなるリスクがあると述べ、マイレージの約款では禁止されているがマイレージを換金するブラック・マーケットがあるなどと続くがこの辺で端折ることにしよう。
次がちょっと役に立つ話であるが、私はView Suicaつまり東日本旅客鉄道(株)が発行するスイカ付クレジットカードを使ってポイントを貯めている。ポイント蓄積プログラムの概要は次のとおりだ。
一般には1,000円の買い物で2ポイント付与。切符や定期券などJRの商品を買うと付与率が3倍になる。貯めたポイントは400ポイントで1,000円をスイカにチャージできる(勿論商品や金券等に交換もできる)というものだ。
例えば10万円の通勤定期券をView Suicaで買うと600ポイントが付くが、これは1,500円に相当する。1,500円は10万円の1.5%である。これを銀行預金と較べてみようか?今1,000万円以上の大口定期の1年ものの金利が0.03%程度であるから1,500円を利息で稼ぐには、500万円を1年間預金する必要があるのだ。
私の会社も総務の人員削減等で役員と言えども現金支給で自分で定期を買う様になっている。しかしこれはちょっとした小銭を稼ぐチャンスでもあるのだ。通勤定期代は年間で17,8万円だから25百円程度のポイントを得ることができる。出張や帰省旅行等についても出来るだけ自分でえきねっと(JR東日本のインターネットによる指定席購入システム)を利用してView Suicaを使う様にしている。
その他JR以外でも使える店が広がった電子マネー・スイカを出来るだけ使うことにしている。例えば僕は大手町オアゾの丸善で本を買うことが多いがここはスイカが使えるのだ。
そんなことを組み合わせると一年間で1万円とは言わないものの7,8千円程度相当分のポイントはスイカで稼げそうだ。7,8千円程度大した話でもないようだが、金利で稼ごうと思うと2千万円以上のお金を1年間銀行に寝かせる必要があるのだ。と思うと大した努力もせずスイカを使うだけで7,8千円のお金を得るということは価値のある話かもしれない。
以上