今朝(1月4日)の読売新聞に「なぜ投資…インフレ時代 預金は目減り」という記事がでていた。物価上昇が続く中、資産防衛や配当収入確保の観点から株式投資比率を高めよう、あるいは株式投資を始めようと考える人が増えているようだ。
しかし水を差すようだが、今年は大きく株式投資を増やすには、環境はあまり良くない。環境が良くないという最大に理由は、一昨年、去年と米国株のパフォーマンスが非常に良かったことだ。S&P500は2年連続で20%以上上昇したが、これは過去100年位なかったことらしい。相場の格言の「山高ければ谷深し」に従えば、大相場の後には大きな株価下落がある。これは当たり前の話で、株価が上昇している時は、将来の企業利益の成長について強気の予想が支配している訳だが、冷静に考えると好景気や企業収益の拡大が永続すると考える方がおかしい。
CNBCでジム・クラマー氏が次のようなことを述べていた。
- 私は毎年年初にその年の相場を牽引するような銘柄をピックアップしているが、今年は不確実性が高いので、そうすることが難しい。
- 不確実性が高い理由は「長期米国国債の利回り水準が予想しにくい」「労働市場は堅調だが、トランプ新大統領が大幅な不法移民の海外追放を実施すると労働力不足からインフレが再燃する可能性がある」「関税の引き上げを強行するかどうかなど、トランプ新大統領の政策は予想がつかない。」「企業収益の伸びについてS&P500の企業については12%というコンセンサスがある。これは達成可能と思われるが、堅調な消費の持続、積極的な設備投資、規制緩和や中国経済の復活などがうまく組み合わさることが前提だ」ということだ。
相場というものは、いずれの時も先行き不透明だ。その不透明なものに勇気をもって入っていくから、リターンという報酬を得ることができる。
そして不透明さには、幅があり比較的予想がしやすい時と非常に予想がし難い時がある。今年は先行きを予想しにくい年だと相場のプロが考えていることは、頭の中に入れておいた方がよい。