金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

大統領選挙の結果は、株価にさほど影響を与えない

2024年07月15日 | 投資
 このとこと米国大領領選挙の話題をTVのニュースで目にしないことの方が少ない。少し前までは、バイデン大統領のもの忘れが大きな話題になっていた。
 バイデン大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領というべきところをプーチンと言い間違えたり、トランプ前大統領とカマラ・ハリス副大統領を取り違えるような言い間違いを起こしている。
 そんな中昨日はトランプ前大統領が、暗殺者に狙撃されるという衝撃的な事件が起きた。
 今年の大統領選挙は、民主党のバイデンが立候補し続けるか?あるいは民主党は新しい候補者を立てるのか?
 狙撃されたトランプがこれを梃子に一層結束を固めるのか?といった野次馬的興味は尽きない。
 しかし投資家の観点からすると「大統領選挙の結果は投資にほとんど影響を与えない」という記事がCNBCに出ていた。
 タイトルはThe presidential election shouldn't infuluence how you invest, financial experts say.
 記事によると投資会社ベター面とが調査を行ったところでは、投資家の57%が今度の選挙に不安を感じていて、40%の人は選挙結果次第で投資資金を移動または引き上げると予想している。
 しかし専門家は大統領選挙が投資資産のパフォーマンスに影響を与えることはほとんどないと判断している。
 JPモルガンの分析によると、1928年からのS&P500のリターンは、大統領選挙があった年は平均7.5%で選挙がなかった年は8%だった。
 リターンの差は誤差の範囲と考えて良さそうだ。
 つまり民主党が勝っても、共和党が勝っても株式市場は長い目で見ると必ず上がってきたのである。大統領選挙は興味本位で見ていても良いだろう。少し言い過ぎたかな?


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インフレ鈍化が引き起こした中小型株へのローテーション

2024年07月12日 | 投資
 昨日(7月11日)発表された米国6月のCPIは、5月から0.1%低下し、前年比インフレ率は3%となった。最近のインフレ鈍化が一層鮮明になり、投資家の間で9月の利下げ観測が高まった。
 その結果株式市場で何が起きたかというと、これまで値上りを続けてきたハイテク株が売られ、出遅れている中小型株への資金シフトが起こった。
 WSJによると、小型株のラッセル2000指数は3.6%上昇する一方、Nvidiaは5.6%下落し、アマゾン、マイクロソフト、アップルなどその他のマグニフィセント・セブン銘柄も2%以上下落した。
 この資金ローテーションについて、ハリス・ファイナンシャル・グループのマネージング・パートナーは「ローテーションは強気相場の生命線で、素晴らしいニュースだ」と述べている。
 また為替相場では、1ドル161.52円程度で取引されていた円が急激に円高に進み、一時158.55円程度まで円が買われた。マーケットでは、米国CPIの鈍化に伴う米国国債利回りの低下で、ドルが売られる中、日本の当局が為替介入を行ったのではないかという見方がある。
 いずれにせよ、事前予想よりやや低いインフレ率が、昨日のマーケットに大きなインパクトを与えたことは間違いない。
 ただしその傾向が続くのかあるいは一時的なものなのかはもう少し様子をみて判断する必要があるだろう。慌てる必要は何もない。

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パウエル連銀議長議会証言を受けてS&P500、ナスダックは高値更新

2024年07月11日 | 投資
 今週2日間にわたるパウエル連銀議長の議会証言をうけて米国株は上昇した。
 S&P500は6日間連続で高値を更新した。これは2021年以降の最長記録だ。
 連銀議長の証言のポイントは次のようなことだった。
  • 連銀は過去2年間、労働市場の過熱がインフレの原因としてきたが、議長は労働市場は広範なインフレ圧力の源ではないと述べた。
  • 議長は高インフレは、非常に強い需要と、パンデミックにより混乱していたサプライチェーンの衝突により引き起こされたと述べた。
  • 議長は労働市場の冷え込みを指摘し、さらなる軟化は歓迎されないだろうと示唆した。
投資家は、金利低下がようやく間近になってきたとう兆候に満足しているようにみえたとWSJは述べていた。
 インフレが鎮静化に向かっているかどうかの大きな目印は今日発表される6月の消費者物価指数だ。ダウジョーンズの調査によると、エコノミストの予想は、6月のCPIは5月より0.1%上昇し、前年比は3.1%上昇ということだ。

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投資の神様は為替ヘッジで儲け、我々はヘッジなしで儲けている

2024年07月09日 | 投資
 WSJにTempted by Japan's Booming Market? Be like Warren Buffettという短い記事が出ていた。
「活況を呈する日本株に惹かれる? バフェットさんのようになりなさい」というタイトルで、為替ヘッジをしながら日本株に投資し、大きな利益を得ている投資の神様ウォーレン・バフェットの投資行動を紹介した記事だ。

バフェット氏はかって「自分は重要でかつ自分が知ることができることに集中する」と言っていた。為替の変動は投資の上で重要だろうが、知ることはできないのでバフェット氏は取り組まずに避けることにした訳だ。
 バークシャー・ハザウェイ社は日本株を買い持ちする代わりに、16億ドル相当の円建て債券を発行して資金調達を行った。こうしておけば円ドル相場がどちらに動こうとも為替の沿道による損得は発生しないことになる。
 ヘッジの効果をMSCI Japan ETFのヘッジあり、ヘッジなしで較べると、過去5年間でヘッジありのリターンは87%でヘッジなしのリターンは36%に留まった。
 記事はこの他、円安は日本の株価を押し上げるという伝統的な常識も崩れていると述べている。そして記事は個人投資家はバフェット氏のように円で借入をすることはできないが、ヘッジ付ETFを買うことができると述べている。

 さて話を日本から外国株を買っている投資家について考えてみると、為替ヘッジなしで米国株を買うことで、米国株の配当と値上がり益に加え、為替差益も手に入れることができる。
 確かにバフェット氏のいうように、為替がどう動くかは読み難い。毎日相場にかけている銀行などのディーラーでも為替で儲けることは難しいようだ。金利で張る方がもう少し確実に儲けが出るというのが、この世界の常識だ。
 確かに明日の為替レートを当てることは難しい。しかしもう少し遠い先の為替のトレンドを予想することはそれよりは簡単だと私は考えている。
 たとえば人口が減少する国の通貨は弱くなる傾向があるという仮定をおいてモノゴトを判断してもよいと私は考えている。経済の専門家からは反論があるだろうが。
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アマゾン、時価総額2兆ドルクラブ入り

2024年06月27日 | 投資
昨日(6月25日)アマゾン株は3.9%高と急上昇し、時価総額2兆ドルとなった。アマゾンの株高などハイテク株の上昇で、ナスダックは0.5%上昇し、S&P500は0.2%アップ。ダウは0.1%下落した。このところダウとナスダックはシーソーのような関係で、一方が上がれば一方が下がるといった現象が起きている。
 そして株式市場全体としては、ボラティリティの低い相場が続いている。
 WSJによるとS&P500は、過去338日間1日で2%以上下落した日はない。
 これは2018年以降最長の記録ということだ。
アマゾンという会社はユニークな会社である。オンライン小売業の巨人で、この分野ではウォールマートなど大手小売業と競り合っている。
 一方利益の大きな部分は、AWSというクラウドサーバー部門で叩き出している。AWSは人工知能でクラウドサーバーの利用が増えるので、今後のアマゾンの利益について強気の見通しを持っている人は多い。
 マイクロソフト、アップル、Nvidia、アルファベットについで5番目に時価総額2兆ドルクラブ入りアマゾン株は今年27%上昇している。
 さらにアナリストの平均予想は向こう12カ月で14%程度(現在の株価193.61ドルが221.73ドルへ)上昇するというものだ。
 息の長い上昇相場が続くためには、神輿の担ぎ手が多いに越したことはない。アマゾンの2兆ドルクラブ入りは大歓迎だ。
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