金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

少しあざといと感じた島忠商法

2012年07月31日 | うんちく・小ネタ

先日近くの島忠・ホームセンターで、4,5段のチェストを買った。山登り、サイクリング、ランニングなどアウトドア系の衣料や小物を整理するためだ。今までは娘がアメリカで使っていた整理ダンスを使っていたが、少し手狭なので買い換えを検討していた。そこに島忠の決算セールの折込広告が入ったので背中を押された次第だ。

セールスポイントは写真のとおり「古い家具の下取りがある」「引き取りが無料」「配送が無料」という3点なのだが、実際にある商品を選んで店員さんと話をすると「これは対象商品外なので、下取りはできません。引き取りには2千円頂きます。ただし配送については特別にサービスして無料で致します」ということである。「ちらしに無料引取りと書いてあるよ」といったが、それは対象商品に限りますという説明。ややこしいのだが写真の①下取りに「対象商品」と書いてある他右上の「今ならパック購入がお買い得」の下にも対象商品に限りますと小さく書いてある。これで「島忠が選んだ商品だけ無料引取りをする」と読め!、ということらしい。早く売りたい商品を安くしたり、特別のサービスを付けることは当然のことで文句をいう筋はないが、このチラシは結構混乱を招くと私は思った。非常に悪く言うと一種の客寄せの騙しである。

面倒くさいから「有料でもいいから下取りして」というと料金は2千円とのこと。それで話をまとめて帰宅すると、ワイフが「市役所に頼んだほうが安いのじゃないかしら?」と市役所に電話をした。すると5百円で下取りしてくれるということなので、島忠の下取りをキャンセルした(実際は再び店に行き、配送伝票やクレジットカード払いの書き換えなどちょっと手間がかかった)。

購入した家具を届ける島忠がその替りに古い家具をトラックに積んで帰るだけで市役所の4倍の料金を取ることは少し腑に落ちないが、これも契約自由の世界だからOKとしよう。家具を引き取りたくない島忠は忌避的な価格を提示したと考えれば良い。

だが家具商売のプロとして「市役所に頼んだ方がはるかに安いですよ」という情報位は提供するべきだろう。さもないと「島忠は消費者の無知に付け込んで家具の引き取りで儲けている」と批判されてもしかたがないのではないだろうか?

それは消費者の自己責任の問題かもしれない。だがそれではサービスカウンターの上に貼ってある「島忠はサービス日本一を目指します」というポスターが泣いている。

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メガキャップスは再び「生き金」になるか?

2012年07月31日 | 金融

メガキャップmegacapsとは日本語でいうと超大型株だが、確定的な定義はないようだ。「大型株」については東証が、時価総額と流動性の高い上位100銘柄と規定しているが、超大型株については規定はない。米国では時価総額の大きい国内50社の株式指数Russell Top50指数を超大型株の代表的指数としているが、投資関係辞書で見るとmegacapsは上位100を指す場合もあると書いているので、megacapsは「俗語的」なものではないか?と考えている。

さてそのメガキャップスあるいはジャイアントストックスと呼ばれる超大型株~たとえばアップル、マイクロソフト、ウォールマートなど~のパフォーマンスが脚光を浴びているという記事がニューヨーク・タイムズに出ていた。

記事によると昨年の初め以来Russell50指数は14%以上上昇しているが、MSCIの外国株式指数は15%以上下落し、小型株指数であるRussell2000は1%しか上昇していないという。

ちなみに1年前からの超大型株と世界株式指数のパフォーマンスをグラフにしてみたのが添付ファイルだ。

「rus50vsACWI.pdf」をダウンロード

これを見ると世界株式指数ACWIはこの1年で5.5%下落しているが、米国の超大型株は11.9%上昇している。

また超大型株の代表的銘柄ウォールマートの株価をダウと比較したのが添付ファイルだ。

「wmtvsdow.pdf」をダウンロード

この1年間でダウは7.66%上昇しているが、ウォールマートの株価上昇はその5倍以上の42.25%だ。

過去10年以上株価が中々上昇しない超大型株に投資することは死に金dead moneyになっていたが、欧州危機を一つの契機としてリスク回避的な資金が超大型株に流れ込んで株価を押し上げている。超大型株が選好されている理由は、「安定性」と「配当の高さ」だ。記事によると、超大型株50の配当利回りは2.2%で、小型株の利回り1.6%や10年国債の1.5%を上回っている。

またPERについてみると、2000年には33倍だった超大型株のPERは現在13倍(予想収益ベース)まで低下している。このPERは中型株の16倍や小型株の約20倍より低いので、割安と考えることができるだろう。

過去10年間外貨バスケットに対して、下落を続けた米ドルが堅調なことも米国内の投資家を米国超大型株に向かわせている理由の一つだ。

タイムスは何人かのアナリストは「超大型株のパフォーマンスが改善しているのは、小型株や外国株を選好したトレンドから大型株への漸進的なシフトの兆候の可能性がある」と指摘していると述べている。

☆    ☆   ☆

日本株の大型株指数Topix100と市場平均Topixを較べてみるとほぼ同じような動きをしているがパフォーマンスはやや大型株の方が悪いという状態である。超大型株投資が「生き金」live moneyになっているのは今のところ米国だけの話のようだ。

私も半年ほど前ウォールマートの株を買おうか?と考えたことがあったが、体調不良などで見送ってしまったことがある。投資はつねにタラレバの世界である・・・と思った次第だ。

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清流の宿・駒ヶ根ビューホテル四季は良かった

2012年07月30日 | 旅行記

7月28日(土曜日)木曽駒ケ岳登山の前日は駒ヶ根ビューホテル四季に泊まった。ビューホテルを選んだ理由はメンバーの中にこの辺りのホテル事情に詳しい伊那谷出身の方がいて、このホテルを推薦したので決まった次第。温泉・従業員のサービス・施設など全体に非常に良いという印象をもった。

ホテルは清流を跨いで建っている。

Viewhotel

写真は二つの建物を繋ぐ渡り廊下部分から上流側の写真を撮ったものだ。岩をかむ清流の両脇にはアジサイが咲き涼しげである。この清流は地形図で見ると500メートルほど上流で大田切川の水を取り込んでいる。つまり人工的な川だと思うのだが、それは帰宅後気がついたこと。滞在中は自然な渓流に感激していた。

大浴場に隣接する露天風呂に入り、体が火照ってくると小さな岩を跨いで小さな清流(写真の渓流ではない)で足先を冷やした。温泉は無色透明でさらりとしている。風呂から上がって写真のテラスでビールを飲んだ。

Viewhotel2

川風に吹かれて飲む温泉上がりのビールは滅茶苦茶に美味かった。

夕食は際立つ料理はなく、信州肉のしゃぶしゃぶ、鮎の塩焼きなど大体定番もの。一泊1.5万円としては普通だろう。むしろ食い切れないほどの料理を並べるよりシンプルで良いと思った。

ホテルの前から朝ロープウェイ専用バスに乗った(ロープウェイへの道路は一部のタクシーを除いて専用バス専用)。このホテルを含めて指定宿に泊まった宿泊客は、朝一番のバスに乗りロープウェイ乗り場に行くprivilegeが与えられている。これはハイシーズンは非常に有効だ。というのは出発が少し遅くなるとロープウェイの1時間待ち、2時間待ちに巻き込まれるからだ。

駒ヶ根に泊まって翌日千畳敷を目指す人にとってはバスへのアクセスが一つのチェックポイントだ。

駒ケ岳下山後(11時半頃)はホテルの温泉で汗を流させて頂いた。往復の歩行時間4時間という駒ケ岳登山は軽い運動だったが、さすがに汗は沢山かいた。湯船にゆったりつかった後は小さな清流で足を冷やして半日の労をねぎらった。

「ええもん高いのは当たり前。ええもん安いのはイズミヤ」というコマーシャルがあった。そのノリでいうとサービス・施設が良くて、妥当な値段はビューホテル四季というところだろうか?

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夏も涼しい駒ヶ根・光前寺

2012年07月30日 | 旅行記

先週土曜日(7月28日)駒ヶ根に行った。メインイベントは翌日の木曽駒ケ岳往復登山だ。ホテル(駒ヶ根ビューホテル)に到着したのは午後4時過ぎ。部屋に荷物を置いて、直ぐに近くの光前寺という名刹を拝観する。近くと言っても1.5km位離れているので、往路はホテルのマイクロバスで送ってもらった。ホテルの標高は約9百メートル。平地より5度以上低いはずだが、平地が暑すぎるためホテル周辺も歩くと汗をかきそうだった。

Sanndou

光前寺は9世紀中頃に建立された天台宗の名刹。お寺のホームページによると「長野県下屈指の大寺であり、南信州随一の祈願霊場として広く信仰を集めている」とのこと。信州の大寺というと北信州は長野の善光寺を思い出す。ゼンコウとコウゼン、偶々だろうが、音読みすると前後が反対になっている。また善光寺もこの光前寺も天台宗のお寺であるところが面白い。つまり鎌倉仏教が盛んになる前から信州の南北に大きなお寺があったということは、この地域に相当な経済力があり、京の都とかなりのつながりがあったことを示唆している。

さて三門から本堂に至る杉並木の中は風が吹き抜けて誠に清々しい。戸隠神社の参道を彷彿とさせる趣きのある杉木立だった。杉木立の両脇の石垣の石の隙間には、ヒカリゴケが自生していて、穴を覗くと妖しい光を放っていた。

Honndou

本堂の階段を登った右側には大きな犬の像が置いてあり、いわれが書いてあった。それによると犬の名前は「早太郎」。七百年ほど前ここで飼われていた強い犬で、頼まれて遠州府中まで妖怪退治に出かけた。早太郎は妖怪(老ヒヒ)を退治したものの、自分も傷つき光前寺まで戻って息を引き取った。だから本堂の左手には早太郎の墓がある。

その早太郎の墓のすぐ先に三重塔が建っている。

Tower

羽黒神社の参道に立つ五重塔を思い出させるような塔だが、1808年建立とこちらの方がはるかに新しい。軒下には精巧な龍の彫り物が施されている。

Ryu

境内を散策するとアジサイの花が満開だった。東京をは1ヶ月以上季節感のずれがある。アジサイの向こうには三門が見える。

Ajisai

参道の石垣の上に広がるシダが夕方の風にさわさわと揺れた。

Sida_3

逆光で見るシダも清々しい。

光前寺は枝垂れ桜でも有名だ。花を想像しながら見上げる新緑の桜もまた悪くはない。

Sakura

広い境内を散策している内に暑気をはらうことができたので、ホテルまで歩いて帰ることにした。途中駒ヶ池という池があった。

Komanoike

中央アルプスの主脈は雲の中に隠れ、前山が澄んだ水面に陰を落とし、ひぐらしが涼し気な鳴き声を高めた。日が落ちると夏なお涼しい駒ヶ根である。因みに翌日池の近くの明治亭というソースカツの店でランチにしたが、店にはエヤコンは入っていなかった。窓を開けると涼しい風が入る・・・そうだ。その時は結構蒸し暑く感じたが。

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早立ちは三文以上の得、木曽駒ケ岳(2012年夏)

2012年07月30日 | 

諺に「早起きは三文の得」という言葉がある。この言葉は総ての山登りに通じる。特に夏山では午前中はからっと晴れていても、午後には夕立が降ることが多い。雨だけなら雨具で防げるが、夕立は時に雷を伴う。だから夏山では早立ちをして、午後の早い時間にテントや小屋に入ることがお薦めなのだ。

この一般論に加えて木曽駒ケ岳登山では早立ちが特に重要な理由がある。それは山麓のしらび平と標高2,612mの千畳敷を結ぶロープウェイが非常に混むからだ。私達(某ロータリークラブ・トレッキング同好会)は前日山麓の「駒ヶ根ビューホテル四季」に泊まったが、支配人のお話では「千畳敷から戻るロープウェイは午前11時を過ぎるとかなり混み出します。2時間待ちということもあります」ということだった。

そこで我々は7月29日(日曜日)の朝は午前4時に起床し、4時36分にホテル前からロープウェイ乗り場行きのバスに乗ってしらび平に向かった。千畳敷に到着したのは午前6時4分。ここで千畳敷カールの絶景を見ながら、ホテルで頂いたオニギリで朝食。

Sennjyoujikimorning

千畳敷から駒ケ岳に登るルートはカール底の雪田を横切り、スカイラインの一番低い部分(乗越浄土)へルンゼ状の急坂を登るものだ。午前6時17分千畳敷出発。

Hanagunnsei

浄土乗越へはがれたルンゼ状の急登が続く。道はよく整備されていて浮石はほとんどない。白や黄色の高山植物が目を楽しませてくれる。

Shinanokinbai

黄色い花はミヤマキンバイのような気がする。キンバイ(金梅)の仲間にはシナノキンバイもありシナノキンバイかもしれない。

Hakusannichige

白い花はハクサンイチゲだ。

約1時間の登りで浄土乗越到着。午前7時13分。ここからは宝剣岳(2,931m。写真左のピーク)が指呼の間に見える。写真右の岩が天狗岩だ。

Tenguandhoukenn

Tennguiwa

天狗岩の右に見えるのが三沢岳(2,846m)だ。高山植物の宝庫だそうだが、千畳敷から往復の時間がかかるので、訪れる人は少ないようだ。

午前7時36分中岳山頂到着。ここから少し下って駒ケ岳には広くて緩い斜面を登った。8時13分木曽駒ケ岳(2,956m)頂上到着。頂上からは360度の眺望を期待していたが、雲が厚くなり眺望を得ることはできなかった。頂上からは登ってきた道を引き返す。ただし往路は中岳の頂上を越えてきたが、帰路は一部のメンバーは西側をトラバースするルートを通った。このルートには危険という表示があるが、実際のところは鎖場もなく、危険というほどではない。滑川上部の岩場を見ながら水平道を歩く道は楽で心地良かった。

浄土乗越から千畳敷に降るルートは予想していたとおり、登り下りの交錯で渋滞した。

Jam

待ち時間を利用してイワカガミの写真を撮った。

Iwakagami

千畳敷カールに到着後写真スポットである剣ヶ池に回る。剣ヶ池到着は10時18分だ。

Senjyoujiki2

10時35分待たされることもなくロープウェイの乗車し、天上の楽園を後にした。千畳敷から駒ケ岳往復は4時間。渋滞がなければもう少し早くなったろう。ところで気がつくと駒ケ岳の頂上を撮った写真がなかった(頂上で記念撮影した人物写真はあるが)。中岳から見た駒ケ岳はのっぺりとした岩屑の山で今ひとつフォトジェニックではないなぁ、と思っている内に失念したようだ。

☆   ☆   ☆

木曽駒ケ岳に登ったのは約40年振りのことである。その時は11月上旬で初雪が降っていたと記憶する。山岳部の後輩のY君と木曽側から駒ケ岳に登り、宝剣岳を越えて2,3日縦走した思うが、空木岳まで行ったかどうかはまったく定かでない。ただ雪をつけた宝剣岳が美しかった記憶が残っている。

4月か5月の残雪期にスキーを兼ねて写真を撮りにきたいものである。

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