金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

中国勢の米国不動産投資減少、中国政府の指示で

2019年01月30日 | ライフプランニングファイル

WSJ ”Chinese exiting U.S. real estate as Beijing direct money back to shore up economy"によると、中国政府は経済成長悪化を支えるために、中国人投資家に米国の不動産を売却して、現金を中国に持ち帰るよう指示を出している。

中国勢は数年前中国政府が対外投資規制を緩和して以来、米国不動産を大きく買い越していた。有名なディールではニューヨークのランドマーク的なホテル・ウォードルフ・アストリアなどの買収があげられる。

ところがReal Capital Analyticsによると、昨年第4四半期に保険会社等中国勢投資家の米国商業用不動産投資は854百万ドル減少した。

これで3四半期連続で中国勢は米国商業用不動産を売り越したことになった。

中国勢の米国不動産投資が減速している背景には、中国国内での銀行融資が厳しくなっていることや米中政府間の貿易・政治面での緊張が高まっていることがある。

中国政府が資本統制をすぐ止める徴候はないので今年も引き続き中国勢は米国不動産の処分に回るだろうとアナリストは見ている。

しかしこれはいわゆる不胎化した物件の投げ売りではない。売却価格が購入価格を下回る取引もあるようだが、2014年以降人民元は米ドルに対して12%程度安くなっているので、売買損を為替益で埋め合わせることができる場合が多いと不動産仲介業者は判断している、ということだ。

この記事を読んで私は1980年代後半に日本人投資家が米国不動産を買いまくっていたことを思い出した。日本人投資家がホテルや商業ビルを買いまくっていた時が不動産価格のピークで、1990年台に入ると米国不動産市場は大不況に陥った。

家賃やホテルの部屋代収入は、支払利息を大きく下回るようになり、持ちこたえられなくなった投資家は投資不動産を手放さざるを得なくなった。日本国内でもバブルの崩壊で資金調達が困難になっていたからだ。

それから約30年。背景は異なるが、好調な国内経済に支えられて米国不動産投資を拡大させたアジア勢が米国不動産投資を減少せざるを得なくなったという点で一種のデジャヴを感じる。

もっとも中国人投資家の方が当時の日本人投資家より少し賢いようで、最近はトロフィー物件を買うよりも、倉庫物件など手堅い収益が見込まれる物件を選好するようになっている、という話も聞く。

さてこの中国人投資家の動きが、米国不動産市場にどのような影響を与えるのか?

また日本でも同じような動きがでるのか?

など興味深いトピックではあるが、そのあたりは今後の情報収集ということで。

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夏油高原スキー場を目指す

2019年01月29日 | 

夏油は「げとう」と読む。岩手県南部の温泉地の地名だ。そこに日本で最大級の積雪量がある夏油高原スキー場がある。

このスキー場の魅力の一つはツリーランができる非圧雪斜面が多いことだ。

私たちスキー好きチームは、2月の3連休の前に夏油高原に行く計画を立てた。

夏油高原スキー場は上村愛子プロが絶賛する雪質とファシリティを持っているのだが、この時期行くスキーヤーは必ずしも多くないようで料金面ではビッグなスキー場に較べてかなり安い。

我々はスキーセンターにあるスキーヤーズベッド(4人なのでファミリールーム)を予約しているが1泊2食付きで1人1泊当たり6千円程度だ。

また宿泊者には割安のリフト券がある(シニア平日3,300円、窓口ではシニア平日3,900円)。これもかなり安い。

交通手段については東北新幹線北上駅からスキー場まで無料のシャトルバス(約50分)がある。

という具合に経済面ではお得感が強い。これだけお得感があると何か訳ありか?と疑問が湧いてくる。

そこでインターネットで調べてみたら、夏油高原スキー場の泣き所は天気の悪さだと分かった。

当たり前のことだが、積雪量が豊富ということはよく雪が降るということで天気が悪いに決まっている。

スキー場には2本のゴンドラがあり、効率的に滑走できるように設計されているが、強風によりしばしば止まることがあるという。

ゴンドラが止まると稜線に近いツリーランコースには入ることができない。夏油高原の「売り」が死んでしまう訳だ。

また3月に入ると天気が安定して滑りやすくなるとも書かれていた。真冬の夏油の悪天候に懲りた人はこの時期を外すのかもしれない。

夏油初めての我々は、行くまでの1週間ほどの間は東北地方の天気予報を見ながら一喜一憂することだろう。ま、張り合いがあってよいとしようか?

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キャタピラー決算に失望で米国株下落、中国経済減速懸念再燃

2019年01月29日 | 投資

昨日(1月29日)の米国株はキャタピラー社の第4四半期決算や今年度収益予想が市場コンセンサスより低かったことで失望売りを招き、ダウは209ポイント(0.84%)下落した。建機メーカーであるキャタピラー社の業績は景気の先行指標と見られている。同社の業績見通し悪化は設備投資~特に中国の~の鈍化を示唆していると判断されるのだ。

もっともキャタピラーの決算を見るまでもなく、中国経済の成長鈍化は政府が発表してるGDP成長率でも既に明らかだった。キャタピラーの決算と業績見通しは、この事実を裏付けたに過ぎないともいえる。

中国経済の成長鈍化が直ちに米国経済の足を引っ張るかどうかは微妙なところだが、エコノミストの間では米国景気は景気4サイクルの第3段階に入っているという見方が多い。第3段階の次はリセッションと呼ばれる第4段階で多くのエコノミストは2020年にはリセッション入りする可能性が高いと判断してる。

計数分析的な判断は専門家に任せるとして、景気は循環し、好景気もいずれは息切れするものとすれば、来年あたりにリセッション(景気後退)が起きても不思議はない。

さて景気減速懸念が高まっている中国だが、政府が打てる景気対策は限られているのではないか?と見る専門家もいる。

過去中国では住宅投資など不動産投資で景気浮揚を図ってきたが、その結果企業と家計の借金は膨らみ、住宅価格は一般市民の手が届かないレベルにまで上昇している。つまり政府としてはこれ以上不動産投資を後押しできないだろうという見方だ。そして政府が景気対策で財政投融資を行える余地があるのは公共交通機関などのインフラ投資のみと判断する専門家もいる。

私自身はそこまで断言するほどの知見はないが、中国政府の景気対策の打ち方が難しいとは感じている。

これはまったくの私見だけれど次に米国株に大きな下げ局面がくるとすると、市場が中国政府が効果的な景気対策を打てない(米中貿易抗争の解決を含めて)と判断した時だろう。それは景気サイクルの最終段階も示唆すると考えている。

ということで短期的に株価はまだ上昇するが少し長い目で見るとコレクション入りの可能性が高いのではないか?

そういう意味ではキャタピラー株の下落は、相場の方向を示唆して、その役割を果たしたということが言えるかもしれない。

 

 

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ACCとLKASが移動方法を変える

2019年01月28日 | うんちく・小ネタ

週末に白馬八方スキー場にマイカーで出かけた。片道250㎞約4時間半のドライブなので、安全運転支援装置のない前の車に乗っていた時は車で行くのは躊躇する距離だった。1人で行く場合交通費だけだと私の場合、車で行くのとJR利用ではほぼトントンである。

あずさ特急を使うと往復交通費の通常料金は14,460円。おとなの休日倶楽部に入っているので私の場合は3割引きで10,120円程度になるはずだ。

一方車で行く場合はガソリン代が3,300円程度(500㎞÷20㎞/L×135円)で、高速料金が8,210円(休日割引込み)だから11,510円だ。

交通費だけでは若干マイカー利用の方が高い。

しかし経済面での車利用メリットは「スキー板を宅急便で送らなくて済む」ということがある。またマイカーで行くとスキー場から宿、あるいは日帰り温泉に手軽にいくことができるというメリットもある。

一方鉄道利用のメリットは、のんびりビールを飲みながら往復できるという点だ。ただし白馬・松本間の列車本数が少ないので行動時間が制約されるというデメリットがある。

以上のことから今回はマイカーででかけることにした。マイカーの選択を後押ししたのは、ACC(定足走行・車間距離制御装置)とLKAS(車線維持支援システム)だった。ACCの方は自動車業界で広く使われている言葉のようだが、LKAS: Lane Keep Assist Systemの方がホンダが使っている言葉で、トヨタなど他のメーカーは別の略称を使っている。

さてACCとLKASの組み合わせで、疲れずに高速ドライブを行うことができることは体感していたので、今回も割と気楽にハンドルを握ることになった。幸い往復とも渋滞に巻き込まれず快適なドライブを楽しむことができた。

マイカーで行くということで今回はスキー板を2本持って行った。一本はゲレンデ用、もう一本は非圧雪用である。今回は新雪が降ったので非圧雪板で軽快な新雪滑りを楽しむことができた。

ACCとLKASという安全運転支援システムは、高速道路ではかなり自動運転を支援する。特にこのシステムのメリットを感じるのは、トンネル内走行の時目が疲れず楽に走ることができる点だ。また夜間走行も楽になる(今回はなかったが)。

車の運転支援システムは移動手段を変える。移動手段が変わると遊びのパターンが変わる(非圧雪板を持っていくので積極的に非圧雪に飛び込むことができる)。遊びのパターンが変わると人格が変わる(非圧雪を滑るとチャレンジ心が高まる)。

古人の言葉を借りると「人格が変わると運命が変わり、運命が変わると人生が変わる」そうだ。ACCとLKASにそこまでの力があるというのは言い過ぎだろうが、楽なドライブができるということで活動範囲の地平線が広がることは間違いない。

 

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白馬八方スキー場、非圧雪の裏黒菱を滑る

2019年01月27日 | 

1月25日(金)ー27日(日)で白馬八方尾根スキー場に出かけた。金曜日は正午過ぎに宿に到着。午後半日のスキーだったが天気が良くてリーゼンを中心に快適な滑りを楽しんだ。

中日の26日(土曜日)は雪。兎平から上は視界が悪く、滑っていても楽しくないので、セントラルやその下の白樺ゲレンデで滑っていた。

最終日の今日も兎平より上は雪と風。黒菱に登るアルペンクワッドは10時まで運行を停止していたが、天気が少し良くなり10時にオープンしたので、まず黒菱を滑った。新雪がコブを覆っているので比較的楽に滑ることができた。

その後北尾根の非圧雪を1本滑り、裏黒菱に向かった。ここは黒菱オフピステと呼ばれる非圧雪コース。

昨年オープンしたオフピステ斜面で一度滑りたいと思っていたが、天候次第では閉鎖になっていることもあり、ようやくチャンスが巡ってきた次第。

斜面の傾斜や迫力は黒菱の方が上だと思うが、写真のとおりブッシュ帯をすり抜けていくので、コース取りや深雪の中での細かいスキー操作が求められる。

ゲレンデ派には面白くない斜面かもしれないが、山スキー好みの連中には一度はチャレンジしたいコースだ。

ちなみに白馬八方尾根スキー場では今年から「おむすび山」というオフピステの斜面が開放されていた。

仲間のオジサン達(仲間はおじさんしかいません)の意見は「オフピステスロープの開放は外国人スキーヤー・ボーダーの圧力によるのだろう」というもの。

実際スキー場ではゲレンデ外のフカフカ雪斜面に飛び込んでいくボーダーの姿をしばしば見かける。そこでスキー場の方も雪崩等の危険が少ない斜面はオフピステ斜面として認定したということなのだろう。

オジサンにとっては非圧雪斜面を滑ると足が痛くなることもある。しかし今こそ会社で決められたコースを歩くのではなく、自分で好きなところを滑ることができるオフピステの世界を楽しむべきだと私は身勝手なことを考えている。

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