金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

フレンチの残り香を求めて

2008年08月31日 | まち歩き

先週の日経新聞朝刊に「西多摩郡瑞穂町が古い民家を買い取ってコミュニティ施設にした」という記事が出ていた。記事を見て私は昔瑞穂町のフレンチ・レストランに家族で行ったことを思い出した。そのレストランの名前はグランベール「とうすけ」、料理の値段は都内のフレンチ・レストランの半額程度だが、味は互角以上だった。まさに雛には稀なレストランだった。

インターネットでこの「とうすけ」のことを調べたところ、なんと数年前に廃業して建物を瑞穂町に売却したとのこと。これがコミュニティ施設「耕心館」になったのである。

久し振りに雨が上がったので、武蔵村山のショッピングモールに行く前に少し足を伸ばして「耕心館」に寄ってみた。

Mon

門の横の立て札を読むとこの建物は、当地の豪農で醤油醸造業を営んでいた細渕家のものを瑞穂町が買収したとあった。

Kousinan

フレンチレストランは今はキーコーヒーの看板が立つありふれた喫茶店になっている。入館料は無料で今日は植物画の展示が行われていた。花や葉っぱを利用して絵をかいたもので、私は上高地から見た穂高連峰の絵のうまさに関心した。

Keyaki

門を出たところから隣の敷地の天まで届くほどのケヤキの巨木が立っていた。このケヤキは細渕邸の変遷を静かに眺めていたことだろう。現在「耕心館」では時々演奏会などが催されている。遠方からわざわざ行くほどのことはないが、近隣の人には手頃だろう。1万円、2万円のフレンチも良いが、1千円程度の軽食には気軽さがある。

「とうすけには昔は野球の田淵選手も来ていましたよ」と「耕心館」の受付の人が言っていた。しかし本格フレンチはついに瑞穂町に定着することはなかった・・・・。

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口座管理は自己責任で

2008年08月30日 | 社会・経済

銀行を舞台にした犯罪は日本では「振込み詐欺」が有名だが、米国では「他人口座から電子的に引き落としを行う」犯罪が多いようだ。「振込み詐欺」が発生しないのは米国では、個人の電信送金システムが発達していないからである。大体の送金は小切手を書いて相手に送付することで決済している。小切手を郵送している間に「あっ、これは詐欺だった」と気がつくことが多いだろうから、すぐばれるような詐欺はやりにくい。

そのかわり小切手支払いが電子的な犯罪の入り口になることがあるとニューヨークタイムズは書いていた。個人から物品代金を小切手で受け取った販売会社は、個人の銀行口座からその金額を引き落とし、電子的に自分の口座に振り替える権利を持つ。この振り替えルートが盗用されると、個人の口座から架空の売買代金を引き落とすような盗難事件が発生する。

ニューヨーク・タイムズは、JPモルガンのプライベート・バンクに口座を持つアクティビスト投資家が15ヶ月の間に30万ドルもの金を盗まれたと報じている。金を盗まれたこの投資家は銀行に口座管理上の責任ありとクレームをつけたが、銀行は「取引報告書が発行されて2ヶ月以内に申し出があれば、銀行が損失負担するがそれを過ぎると銀行に責任はない」と言っている。これは連邦銀行法のルールだ。

このアクティビスト投資家は米国や欧州を飛び回り、毎月切っている小切手の枚数も半端な数ではないので、とても小まめに引き落としの明細をチェックすることは不可能だと言っている。ちなみに偽の引き落としの中にはデル・コンピュータへの支払いを装っていたものがあった。

アメリカは日本と違い、個人でも当座預金を入出金に使う。通帳はなく毎月の異動明細と残高を郵送で送ってくる(今ならインターネットでも見られるのだろう)。このため異動明細のチェックは欠かせない。日本でも無通帳でステートメント方式の口座が増えてきた。インターネット経由で頻繁にお買い物をする人は、この話を他山の石として慎重に支払い明細をチェックしておいた方が良いかもしれない。

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プチン対マケイン

2008年08月29日 | 国際・政治

今日のニューヨーク・タイムズに「ロシアのプチン首相がアメリカ政府は特定の大統領候補を利するため、グルジア紛争に関して挑発行為を行っているとCNNの記者会見で述べた」という記事があった。プチン首相は特定候補の名前を明かさなかったが、それが共和党のマケイン候補を指すことは明らかである。「アメリカ政府は国民の危機感を煽ることで共和党のマケインの支持率を高めようとしている」というのが、プチン首相の主張だがその根拠は薄いとNTは述べている。

ロシアはマケインが大嫌いなのだ。何故なら彼はグルジアのサーカシビリ大統領と親しい関係にあり、制裁のためロシアをG8から追い出してしまえと言っているからだ。

サーカシビリはキエフ大学を卒業した後、アメリカのコロンビア大学とジョージ・ワシントン大学で法学を修め後者から博士号を得ている。このような個人的背景もあり彼は親米的だ。そしてグルジアはイラク派兵で最も米国に協力的な国の一つだ。

余談だがサーカシビリとマケインがどれ位親しいか?と思い、検索エンジンにSaakashivili & Maccainと入力して検索して見ると、色々な記事が出てきた。中にはマケインが2006年に派遣団の一員としてグルジアを訪問した時に一緒に黒海でジェット・スキーを楽しんだという記事もあった。ただし信憑性のほどは定かでない。

国家と国家の利権を争う方法には戦争と外交がある。戦争とは血を流す外交であり、外交とは血を流さない戦争であると言われるゆえんだ。更にその間に諜報・謀略活動を入れよう。相手の国民に揺さぶりをかけて厭戦気分を高めたり、好ましからざる人物が政権の座に着くのを阻もうとするのが、諜報・謀略活動だ。

さてプチンは米国政府を牽制するために上記のような発言をしたが、マケインはどう反応するだろうか?ロシアの謀略を逆手にとって、米国民の支持を高めることができるのだろうか? これを見ていると下手な小説よりはるかに面白い。

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ニコンD90、アメリカでブレイクするか?

2008年08月29日 | 写真

ニコンが新しい一眼レフD90を9月19日に発売する。このニュースは少し前から流れていたが、今日の日経新聞朝刊のNew Face欄に「レンズ交換式で初の動画機能」と紹介されいる。オープン価格だが、店頭想定では本体が12万円前後、18-105mmレンズ付で17万円前後ということだ。

ところで昨日のニューヨークタイムズ(NT)はもっと大きくそして詳しくD90を取り上げていた。D90は動画をとることは出来るが、ビデオカメラ(英語ではcamcorder)と考えてはいけないとNTはいう。D90の連続撮影時間はハイ・ディフィニションで5分、スタンダード・デフィニションで20分だ。これ以上撮影するとセンサーが過熱するらしい。また動画撮影時はオートフォーカスが使えない。ということはマニュアルで焦点を合わせる。しかしこの点についてNTは好意的だ。NTはThose are kludges.というKludgeとは「愛用のちょっと欠陥のあるコンピュータ」あるいは「洗練されてなくて非効率だが、特定の仕事を遂行することができるハード・ソフトウエアの組み合わせ」という意味だ。

NTはD90のコストパフォーマンスの高さと映像の美しさを評価する。NTはもしレンズ交換が可能なハイ・ファイ・ビデオを買うとすれば本体だけで7千ドルかかるし、交換レンズに7千ドルから2万ドルはかかるという。これに較べてD90の本体は1千ドルで、ズームレンズ18-105mm付きで1,300ドルだからコストパフォーマンスが高い。ニコンの交換レンズを活用すると色々な動画を楽しむことができる。この記事の著者は「マクロレンズを使ってマルハナバチを撮ったけれど、ナショナルジオグラフィックの写真並にクリアな映像が撮れた」と書いている。

ニューヨーク・タイムズの記事だけでD90がアメリカで大売れすると予測するのは早計だろうが、私はかなり人気が出そうだと考えている。

もし私が一眼レフをこれから買うとすれば、真っ先に検討する一台だったろう。使い方は幾つかあるが、山スキーの撮影などは面白いと思う。また雪煙を上げる冬の稜線の映像なども撮ってみたいものだ。

だが私自身はニコン党ではなく、オリンパス党(つまりオリンパスの交換レンズしかもっていない)なので今回のD90は見送るだろうと考えている(株式相場が急好転するなどしてお小遣いが増えれば別だが)。そしてその内オリンパスも動画の撮れる一眼レフを出すだろうと期待している。ビデオメーカーでないニコンが動画機能を持った一眼レフを作ったのだから、オリンパスにも出来ると私は思っている。

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腐っても鯛の外銀

2008年08月27日 | うんちく・小ネタ

この前久し振りに丸の内にある某外銀のオフィスを訪問した。某外銀はサブプライム問題が巷間を賑わし始めた頃引っ越してきたが、東京駅を見下ろす中々良いオフィスである。ところが面談相手の前の会議が長引いたのか少し待たされてしまったので、退屈しのぎに余計なことを考えていた。

サブプライム問題で赤字を抱えても、オフィスのロケーションやクオリティは落とさない・・・・「腐っても鯛」ということだろうか?ところで英語で「腐っても鯛」って何ていうのだろう?鯛はSnapper で腐るはRotだからA rotten snapper is still a napper.でもこんな直訳では通じないだろうなぁ。

家に帰って調べて見ると「腐っても鯛」に相当する英語の諺は二つあった。A old eagle is better than a young sparrow.「年老いた鷲は若いすずめよりも良い」 A good horse becomes never a jade.  Jadeには「ひすい」という意味と「駄馬」という意味がある(こちらの方は知らなかった)が、この場合は勿論駄馬。文章の意味は「良い馬は(老いても)決して駄馬にはならず」ということだ。

ところで「腐っても鯛」には全く対立することわざがある。「麒麟も老いては駑馬にも劣る」というものだ。こちらは英語ではA genius grown old becomes worse than mediocre.「年老いた天才は凡人よりも悪い」

私が訪問した某外銀は日本でも長い歴史を持つ銀行だ。面談相手と雑談をしていたら「クレジットの研修で近々バンコクに行く」と言っていた。立派なオフィスを構えるだけでなく、苦しい中でも教育に力を入れているようだ。「名馬は老いても駄馬にはならず」・・・・という諺が生きれば良いと私は考えている。

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