金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

良いニュースで売られた米国株

2022年08月31日 | 投資
 昨日(8月30日)の米国株は3日続けて続落した。先週金曜日のパウエル連銀議長の「インフレを押さえ込むまで政策金利を上げ続ける」というタカ派発言以来投資家のセンチメントは変わってしまった。8月は株高が続いていたが、強い根拠がある訳ではなく、「インフレがピークに達した兆候があるので、連銀は先行きの景気悪化を防ぐため、来年以降の金利引き下げを示唆するのではないか」という楽観的観測が広がっていたためだ。
 だがパウエル議長の「はっきりとしたデータでインフレ鈍化が確認されないと引締方針は転換しない」という発言で楽観的な見方は大きく後退した。
 昨日労働省が発表した7月の求人数は1,120万人(季節調整後)だった。前月の求職者は1,100万人に引上げ修正された。昨年夏以降求人数は1,000万人以上で高止まりが続いている。
また民間調査機関カンファレンス ボードが発表した8月の消費者信頼感指数は7月の95.3から103.2に上昇した。
 これらのニュースは景気の堅調さを示すもので、本来なら株式相場にとっては良いニュースのはずだが、株の続落につながった。理由は景気が堅調だと物価上昇が収まらず、連銀は政策金利の引き上げを続けると投資家は判断したからである。
 金利先物市場では、9月に連銀が政策金利を0.75%引き上げるだろうと予測する人が約73%と1週間前から20%増えている。
 今市場が注目しているのは今週金曜日に発表される先月の雇用統計だ。WSJの非農業部門雇用者増予測は318千人で前月の528千人より若干低い数字だ。
 

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ロシア、義勇軍募るも訓練不足で戦力化は期待できず?

2022年08月29日 | ニュース
 戦争に関するニュースはバイアスがかかっているものが多い。米英を中心とする西側諸国のクオリティ・ペーパーのニュース記事はある程度信頼できると考えているが、それでも記者の無意識の意図が入っていると考えておいた方が無難かもしれない。そのような前提の下で「ウクライナ戦線でロシアが苦戦している」というWSJの記事を紹介したい。なおこのようなロシア苦戦という記事は西側諸国の政財界のリーダーのみならず一般国民にも共有され「ウクライナ支援にはかなり疲れてきたが、ロシアが苦戦しているならもうひと頑張り支援しよう」というムードを醸成するだろう。ロシア軍弱体化、という記事はウクライナにとって大きな援軍であることは間違いない。
記事はRussia moves to reinforce its stalled assault on Ukraine「ロシアは膠着した攻撃をテコ入れする動き」というものでポイントは次のとおりだ。
  • ロシアはウクライナ東部と南部で占領地をロシアに併合する国民投票計画を控え膠着した戦線のテコ入れを図ろうとしている。
  • 軍事アナリストによるとここ数週間で義勇軍部隊を募り、モスクワの東250マイルのムリーノMulinoにある軍事基地で義勇軍部隊を第3軍という名前でウクライナ戦線にはほとんど配備されていない近代兵器を使った訓練を行っている。だがソシアルメディアによると、義勇軍の新兵たちは日没後酔っぱらって通りをさまよい、地元の女性たちに嫌がらせをしているという。
  • またプーチン大統領とつながりの深い軍事会社ワグネルは、ロシアの刑務所で戦闘意思のある囚人探しに走り回っている。
  • しかし米国のシンクタンクInstitute for the Study of Warは「装備が優れていても、兵員が十分訓練され、規律正しくなければ必ずしも有効な軍隊にはならない」と述べ、義勇軍部隊がウクライナ戦線の軍事バランスを変える可能性を軽視している。
以下は私の想像だが、仮にロシアの義勇軍や囚人兵が投入されるとするとドンバス地方だろう。米海軍の退役提督Stavridis氏は「プーチンは戦略レベルで失敗したと思う。彼が失敗を取り戻すこととはありえないが、彼はまだドンバスの奪取に集中従っている。そのために新しい兵士が必要なのだ」と述べている。
 十分な訓練を受けず、つまり個人としても部隊としても戦闘能力の低い新兵はいわば人間の盾として前線に投入される可能性が高い。新兵たちの血の犠牲の上にロシアはドンバスを自国領に取り込む国民投票を実施できるのかどうか?というのが一つの分岐点かもしれない。
 
 ザポリージャ原発での攻防などウクライナ戦線には予測がつかないことが多いので、ロシアの兵員不足が直ちにロシアの撤退につながるとは思わない。
 しかしロシア軍の人的消耗度合いはこの戦争の行方を占う鍵になることは間違いなさそうだ。
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パウエル議長のタカ派発言でダウは1,000ポイント以上下落

2022年08月27日 | 投資
 市場関係者が注目していたのが、昨日ジャクソンホールで行われた連銀のパウエル議長の演説だった。一時パウエル議長はインフレのピークは近づいたので、来年には緩和に転ずるという予想もあったが、ふたを開けてみると「インフレを制御できるようになるまで経済成長を犠牲にしても政策金利引き上げを続ける」という強気の発言だった。
 今週木曜日には大した根拠もなく、緩和発言を期待して株価は薄商いの中ちょっと上昇したが一気に水をさされた感じとなった。
 これにより投資家の間で失望の売りが広がり、ダウは1,008ポイント(3%)下落し、S&P500、ナスダックも各々3.4%、3.9%下落した。
 パウエル議長は9月のFOMCにおける政策金利決定に直接的な言及はしなかったが、金利市場では0.75%引き上げ予想派が約6割、0.5%引き上げ予想派が約4割という状況だ。
 連銀は政策金利決定において経済データを重視するという方針を貫いており、9月早々の雇用データと月中頃の物価統計が特に注目される。

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弔意表明を見送る国葬にどれほどの意味があるのか?

2022年08月26日 | ニュース
 今朝(8月26日)のNHKニュースを見ていると「安倍元首相国葬で、政府は、弔旗の掲揚や黙とうによる弔意の表明を各府省に求めるための閣議了承を見送る方向で調整している」というニュースが流れた。
 このニュースに私は違和感を覚えた。何故なら内閣と自民党の「合同葬」など、戦後、国が関わった総理大臣経験者の公式な葬儀の大半で、官庁に弔意表明を求めるために閣議了承が行われてきた。
 もし今回「合同葬」よりレベルの高い「国葬」で弔意表明を求める閣議了承を見送るということになれば、きわめて異例な対応と言わざるを得ない。
 ニュース解説によると「国葬を行うに当たって国民に安倍氏への政治的評価を強制するものではないことを明確にするねらいがある」と見られるということだ。
 岸田首相は国葬を行う理由として「8年8カ月という憲政史上最長の政権」「東日本大震災からの復興」「アベノミクスなどの経済の再生」「外交の展開」などで功績があったことをあげている。
 私は安倍元首相の国葬に疑問を感じているが、もし現政権が安倍元首相に大きな功績ありとするならば、堂々と各府庁に弔意表明を求める閣議了承を行うべきだと思う。
 本来「国葬」というものは、大きな国難を救った指導者に対し、国民が自発的にその人に対し、全国民レベルで弔意を表したいという大多数の国民の自発的な気持ちの上で行われるべきものだと私は考えている。
 戦後国葬になった首相は吉田茂だけだが、彼の場合は戦後の日本の方向付けをしたという功績は多くの国民に評価された。
 しかし安倍元首相の経済政策等は中長期的に見れば評価相半ばするものだと私は考えている。確かに大幅な金融緩和や財政政策により経済はある程度活性化した。しかし反面財政赤字は拡大し、財政再建をきわめて困難にした。このことは今後日本に大震災等大きな財政出動が必要な時に機敏に動くことができない状況を作っていることを意味する。
 ということで私は岸田首相があげた理由で国葬を行うことに問題を感じているのだが、もし現内閣が安倍元首相の政策が長期的な評価に耐えうると考えるのであれば、堂々と弔意表明を求めればよいと思う。
 今の政府の態度は姑息に過ぎると思う。
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ボルダリング、やっぱりおじさん向けじゃなかったかなぁ?

2022年08月25日 | うんちく・小ネタ
今日自宅の近くにあるボルダリングジムに行ってきました。このジムは1年ぐらい前にできたのですが行くのは初めてです。 今日行った理由は最近一緒に山に登った女性がボルダリングジムに通っているという話をしていたからです。
「美女もすなるボルダリングをおっさんもしてみんとするなり」というところでしょうか?
夏休みのせいか小学生が沢山きてオーバーハングを登っていました。シニア割引があるジムですがまた来るかどうかあやしいところです。





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