金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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10年後には高速道路自動運転時代がくる

2015年07月29日 | ライフプランニングファイル

政府は科学技術イノベーション予算戦略会議で、来年度予算概算要求で自動走行自動車の開発等に重点を置くと発表した。

そこで自動車の自動走行はどの位先に可能になるのだろうか?ということを少し調べてみた。

米国の市場調査会社は、自動運転自動車で先行するグーグルが2020年ごろには限られた地域向けに完全自動運転車(L5)の販売を開始するだろうと予測している。

自動運転自動車はある日突然発明される訳ではない。既にあるACC(Adaptive Cruise Control 前の車との車間距離をコントロールするシステム)やLKA(Lane Keep Assist 車線維持システム)などの先進運転支援システム(ADAS)に、GPS、カメラ、高度なセンサーと人工知能を組み合わせて徐々に最終形に向かうはずだ。

業界では発展段階をL1~L5の5段階に区分している。L1の前つまりL0は完全に人だけが運転しシステム的なサポートがない状態。

L1は駐車時のアシストシステム。L2は渋滞時の追突防止システム。L3は高速道路運転時の自動走行システム。L4になると高速道路での無人運転のレベルになり、L5では総ての道路で無人走行が可能になる。

KPMGは2025年には2025年にはL3レベルのシステムを実装した車の比率が8割に達し、2030年にはL4/L5のシステムを実装した車が25%に達すると予想している。

グーグルがシリコンバレーで自動運転自動車の安全性が人が運転する車より高いことを実証しているので、技術的なハードルはそれ程高くはないだろう。自動運転自動車は世界中で年間124万人が死亡し、5千万人が怪我をしている自動車事故を激減させる可能性を持っていると言われている。

しかし万一事故が起きた場合誰が責任を持つのか?といった法律面の整備等がネックになっていると言われている。また世界的な自動運転車の安全基準の統一も大きな課題だろう。

トヨタを筆頭に世界の自動車市場で健闘している日本の自動車メーカーだが、ADAS市場では遅れを取っていると思われる。

以下の資料は特許庁の自動運転自動車技術動向報告(平成26年2月)

この分野では富士重工が頑張っているが、BMW、ダイムラー、フォルクスワーゲンのドイツメーカーのプレゼンスが目立っている。

★   ★   ★

ここで自動運転自動車が自分の生活に与える影響を考えてみた。

私は3年前に買ったフォルクスワーゲンのゴルフに乗っているが、3年前は車線維持システムやアダプティブ・クルーズ・コントロールは付いていなかった。だが今のゴルフにはこれらのシステムが装備されている。つまり大衆車でもL2/L3のレベルまで進んできた訳だ。技術革新がこのレベルで一休みすると考えると比較的早い時期に車を買い替えるという選択もあるのではないか?と考えたりする(時間が経つとL0レベルの車の価値はどんどん下がると考えらるから)

次にこれから10年先を考えると私は75歳になっている。そろそろ運転免許を返上して車の運転を止める時期かもしれないが、もし自動運転自動車ができていれば、車に乗り続けるという選択があるかもしれない。

年をとっても車に乗り続けることが可能であれば、住む場所の選択にも幅がでるだろうし、旅行の方法も変わってくる。

これはごく一例だが、自動運転自動車の出現は自動車業界や運送業界等に極めて大きなインパクトを持つことは間違いない。

ひょっとすると高齢化と労働人口減少に直面する日本にとって救世主になる可能性がある、などとも考えている。このような投資には政府も積極的な予算を組むべきなのであろう。

 

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バランスの悪い人が山歩きで疲れる理由

2015年07月28日 | 

色々な人と山に登っていて、「この人は体力はあるはずなのに意外に早くへばるなぁ」とか「華奢だけれどタフな人だなぁ」と感じることがあります。山登りでへばる・へばらないの違いは、基礎体力やペース配分によるところが大きいと一般に思われていますが、それに加えて「歩き方の巧拙」が大きく影響すると私は考えています。

では上手な山の歩き方とはどのような歩き方でしょうか?

第一に「一定のリズムで歩く」ということです。平地や緩やかな登りで早足になり、急な登りになるとスローダウンするのはいけません。緩い登りも急な登りもできるだけ一定のペースであることが望ましいと思います。

そのためには「小さな足場を丁寧に拾い、小刻みに登る」ことが必要です。山歩きに慣れていない人は大きな足場を求めて大股で登る傾向があります。だがこれは疲れる歩き方なのです。探せば大きな足場の前に小さなステップがあることは多いので、その小さなステップを拾ってできるだけ、膝以上に足をあげないで登るのが疲れない歩き方なので。

降りになると歩き方の巧拙の差が一層はっきりします。降りは登りよりも使える足場が少ないので、より「目で降る」ことが重要になります。

第二に「できるだけ手を使わず足で登る」ということです。手の筋肉は足の筋肉より疲労し易いので、急な岩場やガレ場で手に頼って登っていると早く疲労してしまいます。鎖や残置ロープなどはできるだけ使わずに登るのが好ましいと思います。特に岩場の多い北アルプスの険路縦走を目指す人は「できるだけ鎖やロープに頼らず、三点支持を励行して足で登る」クセをつける必要があります。腕力は最後の最後まで取っておく必要があります。険路のでの滑落事故は疲労からくる注意力の低下と腕力消耗が原因になることが多いからです。

第三に特に降りですが「バランスの良い歩き方をする」ことです。体幹を意識して前後左右にぶれの少ない歩き方をすることです。体にぶれがでるとそれを補正するために、余計な筋肉を使い足腰への負担が大きくなり疲労を早めます。

以上のようなことを意識してリズミカルでバランスの良い歩き方をすれば、筋肉の疲労を抑えることができます。

第四に、これは少し上級編ですが、雪山や沢登りなど自分でルートを見つけて登る必要がある山登りでは「最良ルートを確認して登る」ということです。足で登る前に眼で登るのです。ルート選択の巧拙が登山速度や疲労度に大きな影響を与えるからです。

私が相対的に自信を持っているのは、このルートファインファインディング力です。相対的というのは「山仲間の中で優れている」という意味と自分の幾つかの登山能力~例えば非常に難しい岩場を登る登攀力など~の中で、ルートファインディング力に自信を持っているということです。逆にいうと登攀力等には人並み以上といった自信がありません。ルートファインディング力とは自己の登山能力と山の難しさを冷静に見極める力といっても良いと私は考えています。そしてある程度このルートファインディング能力を実社会生活にも活かしていると思っているのです。

しかし昔の会社の大先輩のFさんとお酒を飲むと時々「お前は本当に世渡りが下手だからなぁ」と言われることがあります。Fさんとは会社を離れても山のお付き合いをして、Fさんがへばった時は黙って荷物を担いであげたりしているのですから、この評価には多少不満が残りますが(笑)。

もっとも山のルートファインディング力やバランスの良い歩き方が必ずしも実社会で活かされると考えるのが間違いかもしれません。

無刀取りを編み出し剣聖と言われた柳生石舟斎に「兵法の舵を取りても世の海を渡りかねたる石の船かな」という句があります。

剣を取っては無敵と言われた石舟斎ですが、戦国末期の乱世の中、柳生の里に逼塞せざるを得ませんでした。柳生家が将軍の剣術師範になり更には目付となって大名の末席に連なるのは、息子の柳生宗矩の時代のこと。宗矩の剣技は石舟斎には遠く及びませんでしたが、世の海を渡る上では宗矩は石舟斎を大きく越えていました。

垂直の岩壁に一条の登攀ルートを見いだし、激流の中にただ一つの渡渉ルートを発見するルートファインディング力があっても、組織の壁を登り、清濁渦巻く人の世をうまく渡れるとは限らないようです。

話が本題から逸れてしまいましたが、退職して自儘な身になれば、渡る世も少なくなります。畢竟不得意な世渡りを考える必要もありません。

自分のリズムとバランスを大切にして、自分の足でゆっくり着実に歩いて行けば良いのです。そしてそれが私は疲れない歩き方だと思っています。

★   ★   ★

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強過ぎる中国は困りものだが、弱い中国も困りもの

2015年07月28日 | 投資

中国は中々厄介な国だと思う。経済状態が良くて国力が伸びてくると、世界中の資源を買いまくり、世界的な食糧・コモディティ価格の上昇を招く。力を着けると軍事的なプレゼンスが高まり、日本を含む近隣諸国と島嶼問題で緊張が高まる。強過ぎる中国は厄介だ。

しかし世界で2番目の経済大国になった中国の経済成長が急減速すると世界経済に与えるマイナス影響はかってないほど大きくなっている。

昨日中国株(上海市場)は8.5%下落した。1日の下落幅としては、2007年2月以降の大暴落だ。直接の原因は当局が証券会社による証拠金取引へのチェックを強化したことによると報じられているが、背景には中国経済の成長鈍化に対する投資家の懸念がある。

参加者が中国人に限られている上海市場は思惑で動く市場だ。中国株は6月初旬に高値を付けたが、市場を押し上げたのは「中国株は割安だ」という国営メディアの報道を信じて株式市場に飛び込んできた個人投資家だった。そして彼等は今大きな含み損を抱えている。

先週末発表された購買マネージャー指数は15カ月ぶりの低い水準だった。もう一つ信頼感に欠ける中国の経済統計の中で、購買マネージャー指数は比較的信頼できるデータだろう。株価の急落が実体経済にじわりと影響を及ぼし始めている。

中国株の下落を受けて昨日の日経平均は1%近く下落。米国でもダウは0.7%以上下落した。この地合いをうけてシカゴ日経平均先物は200ポイントほど下落しているから、今日の東京市場も少なくとも寄り付きは弱いだろう。

だが中国の景気減速は悪い話ばかりではないだろう。これ以上の景気減速を懸念する中国政府が日中関係の改善を急いでいるという観測がある。日経新聞によると先ごろ北京を訪問した谷内国家安全保障局長は大歓迎を受けた。中国政府には事務レベルのみならず、首脳レベルでも関係改善の歯車を回そうという動きがあるようだ。

一方日本では安保関連法案の国会通過を巡って支持率が急低下した安倍内閣も中国との関係改善で支持率回復を狙う可能性があると私は考えている。だがそのあたりのことがはっきりしてくるのは、8月に予定されている安倍首相の戦後70年談話とそれに対する中国の反応など少し先になりそうだ。

中国の景気減速を日中の政治家はうまく利用できるだろうか?

日本の株式市場は当面中国の動きと米連銀の利上げ観測、米国企業の決算発表などを見ながらもう少し下げると私は踏んでいる。

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山カメラ、オリンパスOM-D EM-1、1035グラムの贅沢

2015年07月27日 | 写真

カメラについてうんちくを語るほど、私はカメラ通ではありません。

でも山で写真を撮ることは好きです。その私は長いパートナーとして選んだのが、オリンパスOM-D EM-1です。元々オリンパス派で交換レンズも何組か持っていたのですが、しばらく軽くてコンパクトなソニーのNEX-6を使っていました。でも物足りなさを感じて最近EM-1を買いました。

EM-1に12-40mF2.8のズームレンズを付けた重さは1035グラムです。これは500mlのペットボトル2本の重さです。

大したことはないという大したことのない重さですが、少しでも荷物を軽くしたい山登りでは負担に感じることもあります。

特に他の人がスマートフォンで撮った写真が素晴らしかったりするとガックリすることがあります。

今のスマートフォンのカメラは進化していますからね。

EM-1を本格的に山に持って行ったのは今回の西吾妻山が初めてでした。

梵天岩からの広々とした風景(上)や高山植物・コバイケイソウ(下)の写真を撮りました。

自分では良く撮れていると思うのですが、良い写真かどうかは分りません。良い写真かどうかは観た人にどれだけ感動を伝えられるか?で決まると思いますから、感動的なシーンを発見できる能力にかかっている部分が多いと思います。

ところで何故EM-1を山のパートナーに選んだか?というと次のような理由があります。

第1に軽いということです。フルサイズ一眼レフとなると更にペットボトル1本分位は重くなる可能性がありあす。重くなると携帯に不便なだけでなく、手持ち撮影ではぶれる可能性があるのではないでしょうか?フルサイズカメラは三脚をそえて、じっくり写真を撮る本当の写真愛好家向けのカメラなのでしょう。山が主、写真は従という私には使いこなせない気がします。

2番目は値段が手頃ということです。フルサイズの高級機種になるとEM-1の3倍くらいの値段がすると思います。ちょっと手が出ません。

3番目はEM-1は防塵防滴性能が優れているという点です。幸いなことに今回は雨に会いませんでしたが、山の上では天候の急変は日常茶飯事です。そんな時少々の雨や雪でも気にせずに済む(という評判)ということはありがたい話です。

スマートフォンやコンパクトデジカメで山の写真を撮っている仲間に「やっぱりEM-1は違うね」と言われる写真を撮ってみたいと思っているのですが、センスの問題が絡みますので、結構チャレンジングな目標だと思っています。

 

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名山に名湯・名瀑あり(1)~西吾妻山と白布温泉

2015年07月27日 | 

今まで色々な山に登った記録をブログに書いてきました。いつかその記録を本にまとめたいと考えています。

その切り口=タイトルを思いつきませんでしたが、先週白布温泉に泊まって西吾妻山に登った時「名山に名湯・名瀑あり」という言葉を思いつきました。日本の名山の麓にはほぼ温泉があります。そして山から流れ出た水は山麓で立派な滝を作ることが多いのです。

この温泉と滝の組み合わせこそ日本の山の特徴でしょう。機会があれば英文ブログも書いて外国人旅行者にも紹介したいと考えています。それが温泉の集客になにがしかの貢献ができるなら、お世話になった宿の人々に多少の恩返しができると思っています。

さてその第一段は「西吾妻山と白布温泉・西屋と白布大滝」です。

西吾妻山(2,035m)は深田久弥の「日本百名山」の一つです。山麓の天元台からロープウエイとリフトを乗り継いで、標高1850m地点まで高度を稼ぐことができるので、比較的登り易い山です。また西吾妻山まで登らずに、手前の湿原・大窪あたりまで往復して高山植物を観察する人も多く見かけました。色々な楽しみ方ができるのが西吾妻山の特徴でしょう。

西吾妻山登山のベースは白布温泉になります。白布温泉には何軒か宿屋がありますが、一番のお薦めは「日本秘湯を守る会」も推奨する西屋です。茅葺の屋根が残る古い温泉旅館ですが、床には籐のカーペットが敷き詰められ快適です。温泉は「滝の湯」という打たせ湯が名物です。宿泊料金は一泊二食で一人15,120円(ただし季節・料理により異なります)。若女将をはじめ従業員のきびきびした応対にも好感が持てます。

西屋から1,2分前の道を登る(ロープウエイの方に行く)と、白布大滝へ降る道があります。10分ほど急斜面を降ると目の前に大きな滝が現れます。

滝壺に近づくとミストが立ち込め、涼しさ一杯です。

まさに名湯・名瀑の組み合わせです。

7月26日には西吾妻山を往復しました。天元台ロープウエイはこの時期8時から運行開始ですが、西屋の美味しい朝食は7時半スタートなので、8時半にロープウエイに乗りました。ロープウエイ・リフトの往復乗車券は3,500円なのですが、西屋で貰った割引券を使うと3,000円になりました。

リフトの終点(標高1,853m)には9時半に到着。ここから「カモシカ台」を目指して登山開始です。

9時50分カモシカ台(1,940m)到着。露岩の上を風が吹き渡る気持ちの良い場所です。ここから大窪に下っていきます。

木道の歩きやすい道の先には池塘が見えます。またスカイラインには梵天岩が見えます。

大窪には色々な高山植物が咲いています。写真はコバイケイソウです。

イワカガミ(コイワカガミ?)も咲いています。

池塘の回りにはワタスゲが揺れていました。

大窪の西の端、梵天岩への登り口には水場があります。そこから梵天岩へは岩混じりの急登です。

11時5分 梵天岩(標高2,010m)到着。西吾妻山山頂は森の中で眺望がまったくないのですが、ここは眺望抜群です。

11時42分 西吾妻山頂上

12時10分梵天岩に戻る。昼食。

梵天岩からの眺望は抜群です。手前に池塘と湿原、スカイラインには中吾妻山等吾妻連峰の峰々が見えます。

この吾妻連峰ほど同じような高さの山が延々と続く茫洋とした山塊も珍しいでしょう。ちなみに吾妻は「四面寄棟つくりの屋根」を意味し、連峰の中の「家形山」に付けられた呼称と言われています。

大窪への降り斜面にギンリョウソウを見つけました。

私はこの植物の名前をギョリンソウと覚えていたのですが、植物に詳しそうな別のパーティのガイドさんが「ギンリョウソウ(銀竜草)」と言っていました。後でネットで調べてみるとギョリンソウ(銀竜草)と書いている写真もあり、何が正しいのか分りません。

13時53分 リフト最上部到着

14時58分 ロープウエイ天元台駅(下の駅)到着

天元台のリフトは遅いのでロープウエイ下の駅まで1時間かかりました。

西屋に立ち寄って温泉で汗を流し、タクシーを呼んで米沢駅に戻りました。路線バスは本数が少ないので人数がまとまっているとタクシー利用が良いでしょう。米沢駅までのタクシー料金は6,720円でした。

西吾妻山と白布温泉は「名山に名湯・名瀑あり」シリーズの最初を飾るに相応しいところでした。

 

 

 

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