10時45分頃小至仏山と至仏山のコルから滑降することに決定。風が強く至仏山まで登るのが少し辛いし、滑るなら荒らされていない早い時間の方が良いと判断したからだ。
コルから左寄りに滑ってワル沢上部に出てそこからは大斜面にシュプールを描いて一気に滑降。
休み休み滑って正午前に川上川に到着。
コーヒーブレイクの後ゆっくり鳩待峠への雪道を登り、午後1時過ぎに峠に戻った。
こうして平成最後のバックカントリースキーを楽しく無事に終えることができた。
昨日(4月26日)の日経平均株価は48.85円安で引けた。これで平成年間を通じて日経平均は7,950円(26%)の下落となった。
昨日の米国株式市場では第1四半期GDPがエコノミスト予想を上回る3.2%(年率換算)だった。これは過去4年間の第1四半期GDP成長率で最高だった。GDP成長率は過去指標なのであまり相場を動かす力はないと一般には言われることが多いが、昨日はこの数字が後場に相場を持ち上げ、S&P500とナスダックは高値を更新した。
日本では10連休が始まるので、ポジション調整などの動きもあったから1日の株価の動きで相場を判断することはできないが、日米の相場の動きは平成時代を象徴しているという気がしないでもない。
それは一言でいうと産業構造の転換への対応の遅れであり、また消費行動への対応の遅れだった。
平成年間で一番時価総額を伸ばしたのは日本ではトヨタ自動車だった。一方米国ではアップル・アマゾン・マイクロソフト・アルファベットが時々首位の座を交代しながら、時価総額のトップランラーになっている。
証券会社の広告では「令和相場」が来るなどという文字を見かける。一時的には楽観ムードが広がることがあるかもしれないが、株式相場は本質的には企業の稼ぐ力の通信簿である。構造転換が起きない限りムード相場には限りがあると私は考えている。
昨日(4月25日)ファクトフルネスを読み終えた。著者ハンス・ロスリング氏の後書を読んで、改めて著者がすい臓がんに侵されながらこの本を通じて世界の読者に伝えたいことの重みをひしひしと感じた。
著者がまず伝えたいことは「10の本能的判断により事実をゆがめて認識することを避け、世界をありのままとらえよう」ということだ。
10の本能的判断というのは、例えば問題が起きた場合深く分析せずに誰かに責任を押し付けるといった「責任押し付け本能」である。
ロスリング氏は明示的には述べていないが、これは概ね思考モードのシステム1に相当する。システム1は直観による情報処理なので脳が疲れない。一方システム2という情報処理は分析的で時間がかかり、脳が疲れる。
人は日常的なことにはシステム1を使い、重要な判断ではシステム2を使っている。ロスリング氏の説明を自分なりに補足すれば、世界を取り巻く問題は極めて重要な問題なので、システム1による直観的な判断ではなく、システム2による分析的な情報処理を行え、ということだ。
世界を取り巻く問題とはどのようなものだろうか?
ロスリング氏は「世界的な疫病の伝染」「金融システムの崩壊」「世界大戦」「気候変動(地球温暖化)」「超貧困」の5つを最も懸念するリスクとしている。
統計学を学び医者でもあったロスリング氏はこれらのリスクをデータに基づき分析的に考えならかつエボラ熱の感染拡大を防ぐためにアフリカで奮闘した。まさに知行合一の生き方だったと思う。
この本を読んだ我々もまた微力ながら世界の一隅でこれら5つの大きなリスクを少しでも緩和してより良い世界を作るために努力を続けることが大切なのだろう。
そしてそのような努力を続けている自分を感じることが直観的(あるいは情動的)判断に身を身を委ねてきた自己を多少なりとも覚者への道に方向転換することにつながるのではないだろうか?