金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

電子本、Kindleテストに成功!

2015年02月27日 | デジタル・インターネット

今日(2月27日)今書いている本「インフレ時代の人生設計術」(仮題)の大枠が出来たので、電子本としてKindleに載るかどうかのテストをした。

電子本には「リフロー型」と「フィックス型」がある。「リフロー型」はピンチアウト(指で画面を広げる)・ピンチイン(指で画面を縮める)と、それに合わせて表示される部分が変わる。一般にテキスト中心の本に使われる。「フィックス型」は写真や図表が多い本で使われる方法でどの端末でも一定のページが示される方式だ。いわばPDFを見るようなものである。

今書いている本は図表が多いので、フィックス型にした。原稿はわざわざ「一太郎」を購入して、一太郎で書いてきたが(一太郎で作成した文章はKindle用フォーマットに転換が簡単だというので)、Kindleが提供しているツールを使うとPDFから簡単に本が作られることが分った。

とはいうもののそこに至りつくには少し時間がかかった。

というのは、Kindleは一般向けの「PDF→フィックス型kindle本」用のアプリケーションとして、Kindle Textbook Creatorという無料ツールを提供しているが、これをダウンロードしても機能しないのである(英語版。「デスクの容量が不足しているから無駄なファイルを削除して容量を確保しなさい」というので、容量はしっかりあるのにおかしいなぁと思いながら、ファイルを削除して再トライしたがやはり駄目だった)。

少し暗くなってきたが、ふと「そうだ、Kindle Kids Book Creatorをトライしてみる手がある」と思いついて渡来したところ、なんと簡単にPDFから電子本のプロトタイプが出来上がった!!児童本を作るツールだが、大人本にも使えるのだ。

このKids Book Creatorを使うと簡単にPDFから本を作ることができる、というのは素晴らしい。今までKindle本を書くには、Epubだ、Sigilだと子難しいソフトを使っていたが、この方法ならワードを文章を書き、表を挿入してそれをPDFに転換すればすむのだから、誰でも簡単に本を作ることができる訳だ。

もっとも「本を書く」ということと「売れる本を書く」というのは別の話だが。

とはいうものの、出版まで大きな障害がなくなったので、かなり気分がすっきりしている。明日は久しぶりに仲間と武蔵五日市の奥の方の山を歩いて、「数馬の湯」で温泉に浸かってこよう。

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小金井公園の花

2015年02月27日 | まち歩き

2月も残すところ今日(27日)を入れて2日となった。

天気が良いので小金井公園に梅の花を見に行った。

梅は満開だった。

梅にウグイスといきたいが、ウグイスは見当たらず鵯がいた。

蝋梅はすでに盛りを過ぎていた。

菜の花が咲き始めている。春の近いことを感じたひと時だった。

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イエレン議長、議会証言をうまく乗り切る

2015年02月25日 | 金融

昨日(2月24日)米国上院の銀行委員会で金融政策について、イエレン連銀議長が議会証言を行った。Chronの記事のタイトルは、

Yellen navigates tricky path on interest ratesと書いていた。Navigateはカーナビのナビ。導くという意味の他「議案などをうまく議会を通過させる」という意味もあるから、政策金利引上げというトリッキーな問題に言質を与えることなくうまく乗り切ったという意味だ。

イエレン議長は世界は連銀は金利を引き上げる準備をしている訳ではないことを知ってほしいと述べた。雇用市場はいまだ回復途上であり、インフレ率は極めて低いからだ。一方で議長は金利引上げが正しいと判断した時には金利引上げを行う道筋を考えているとも述べた。

イエレン議長の議会証言の後のエコノミスト達の反応については、多くのエコノミストは6月に最初の利上げが行われるだろうというものだったが、9月利上げ説を取るエコノミストもいた。

投資家たちは、今まで連銀は金利引上げについてpatient(辛抱する)と述べていたイエレン議長の証言を好感したと思われる。つまり景気が更に持ち直し、賃金上昇が明確になるまで金利引上げは行われないだろうというムードが支配的だった。その結果、ダウ・S&P500とも新高値を更新した。

また中にはFOMC議事録からpatientの文字が取り除かれても、それはすぐには金利引上げを意味しないという解釈まででているようだ。

個人的にはそこまでいうのは、「金利引上げという不都合な事実」を見たくないというバイアスがかかっているのではないか?という気がする。現在は世界的に見てほぼ株価の高値更新が続いているが、これは金融相場の最終局面に起こる現象なのかもしれない。皆怖いけれど、株価が上がるからついて行っているというところがあるのだろう。

このあたりで本当は長期的に安定した業績を持っている地味な会社の株に注目するべきなのだろう、などと考えている。

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【イディオム】Endowment Effect 所有効果

2015年02月24日 | 英語・経済

ここのところ相変わらず、本の執筆に時間を取られている。飲み会など雑事が入るので、やや遅れ気味だが、それでもボリュームベースで半分くらいのところまで漕ぎ着けてきた。

今書いているのは、投資に関するバイアスの部分。行動ファイナンス論の分野だ。今回書いている本のテーマは「インフレに負けない投資」なのだが、投資の話になるとバイアスの話は避けて通れない。

バイアスというと、単に証券投資だけではなく、資産負債に係わるあらゆる分野で我々は我々の脳が引き起こす色々な錯覚に引きずられている。週末に相続学会の山梨支部のセミナーに参加していたが、そこで話題になっていたのが農地の相続問題だった。

農地のみならず不動産全般の相続問題を見ていて感じるのは、不動産に対する高年齢層と相続財産を受け取る側の中年層の思いの違いだ。相続財産を引き渡す高齢者側には「先祖代々引き継いできた土地、あるいは自分が苦労して手に入れた住宅・賃貸物件などは次世代に渡したい。そして大事に守っていって欲しい」という思いが強いようだ。その不動産の現在および将来の価値がどうなのか?という問題は二の次にしてである。

このような自分の所有物に高い価値を与えたいというバイアスを行動経済学では「所有効果」(あるいは「付与効果」)と呼ぶ。行動経済学はアメリカで生まれた学問分野だから、「所有効果」という言葉も英語で作り出された。その名前はEndowment effectだ。直訳すれば「遺贈効果」である。つまり人は遺贈されたものに特別の価値を見いだすことから、所有物に対し特別の愛着を持つバイアスをEndowment effectと名づけたのだ。もっとも今日本の相続で起きている問題は不動産に着を感じているのは、遺贈を受ける世代ではなく、遺贈する人または非相続人になる人だ。

所有バイアスに隣接するバイアスが「現状維持バイアス」だ。行動経済学の教科書を見ると実験結果で「人は遺産を受け取った時に既に投資している資産を維持しよう」とする傾向が強いことが分かった。それはなぜ起きるのだろう?というと人間は現状を変えたくないという本能があるからだ。現状を変えるということは「認知的不協和」を起こす場合が多いからだ。だから人は自分にとって都合の良い情報を探して現状を追認する傾向がある。

「不都合な真実」をフィルターにかけて避けてしまうように人間の脳は作られているようなのだ。

ところが世の中には「不都合でも避けて通ることができない」真実がある。その真実を一般の人に分かりやすく説明して、避けて通ると後でとんでもないことになるから、真っ直ぐ向き合おうというのが、本当の社会にリーダーというものだ。

「不都合な真実」から目を背けたいのは、どこの国でも大半の国民は同じようなものだろう。国によって違いがあるとすれば、政治家や思想家あるいは学者と呼ばれる連中の中に、どれだけ火中の栗を拾って「不都合な真実」を国民に受け入れさせるために努力する人がいるか?という違いなのだろう。

恐らく「所有効果」など各種のバイアスから離れることができた人を「覚者」というのではないか?と私は考えている。バイアスからの離脱が覚者の十分条件ではないかもしれないが、必要条件であることは間違いないと私は思っている。

禅宗では「執着」のない状態を「本来無一物」と呼ぶそうだ。「執着」をバイアスと考えると無一物の状態に心を置くとき、色々なバイアスから解き放たれるということなのだろう。

巷を賑わしている相続争いの多くの部分は「執着心」から生まれている。執着心を捨てるには無一物になることだ、といっても本当に無一物になっては生きていくことはできない。無一物に生きていくのに必要な程度の財産まで含めて、それ以上のものを求めることを貪欲として戒めれば、世の中ひょっとするともう少し住みやすくなるのではないか?と考えたりする。

そしてそんな精神状態になれば、バイアスから解放されて資産運用も流れる如し、になるのかもしれない。でもそんなことを考えると結局また執着に陥ってしまうのかも・・・・

 

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コミュニケーション・スキルの重要性

2015年02月23日 | うんちく・小ネタ

最近コンビニエンスストアで買い物をする時、若い店員さん、特に男性の若い店員さんのコミュニケーション・スキルが低下しているなぁ、と感じることがある。ペットボトル飲料を買う程度なら、問題はないのだが、たまにクロネコヤマトのメール便(3月末でなくなる)を頼むときに、そのような感じを持つことが多い。メール便の依頼者はそれ程多くないので、新米のアルバイト店員さんは取扱い方法を知らない場合が多いの、愚図愚図しているだけで、進まないことがままあるのだ。「すみません。僕新米なので、ベテランさんを呼んできます!」と言えば済みそうなことなのだが、愚図愚図していて誰かが駆けつけてくれるのを待っているように思われる。

余計なことだが「もっとコミュニケーション・スキルを磨かないと社会に出てから困らないか?」などと考えてしまう。

コミュニケーション・スキルについて、少し前アメリカの調査会社ピューリサーチセンターが、興味深い調査結果を示していた。

調査は大人のアメリカ人に「子供たちが今日持つべきスキルとして何が一番重要だと思うか?」という調査を行ったもの。選択肢として「コミュニケーション・スキル」「読解力」「数学」「チームワーク」「文章作成力」「論理力」「科学」「運動能力」「音楽」「芸術」の10項目だった(複数回答あり)。

 結果は「コミュニケーション・スキル」が90%の支持を得てトップ。2番目が「読解力」で86%、3番目「数学」79%、4番目「チームワーク」77%、5番目「文章作成力」だった。

興味深いことは、教育レベルの高い人ほど「コミュニケーション・スキル」を重視していたことだ。大卒以上の人の94%が「コミュニケーション・スキル」を一番と言い、大学中退レベルが92%、高卒以下では86%だった。

「ロジック」が理の世界だとすれば、「コミュニケーション」は情と直感の世界だ。ロジックで押してくることが多いと思いがちなアメリカ人だが、「コミュニケーション・スキル」を一番重要なスキルだと考えていることは興味深い。

さて日本はどうなのだろうか?

 

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