金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

マドリード・プラド美術館に酔う~スペインの旅(5)

2005年06月28日 | スペイン旅行

グラナダからマドリードは鉄道の旅である。朝8時発の列車は定刻にでる。朝が早くてホテルの朝食に間に合わなかったので、列車が走り出して暫くすると食堂車~というかカフェ~に家内と二人で向かう。Cafetrain

カフェのマスターは全く英語を解さないが、メニューの中にはサンドウィッチ等外来語もあるので用件はほぼ通じる。列車は全速力で走ったかと思うと離合待ちのために長く停まる。車窓の風景は余り変わらず乾いた大地と小麦畑やオリーブの木々の繰り返しだ。6時間半程列車に乗って漸くマドリードのアトーチャ駅に着く。

列車は地階に到着するのでどこがタクシー乗り場か分からない。そこでお巡りさんをつかまえて”Donde esta la parada de taxi?”(タクシー乗り場は何処ですか?)と聞いたら「上だ。上の階だ。」と教えてくれる。少しは勉強したことが役に立った。

さて駅からホテルまではタクシー。ホテルはプエルタ・デ・トレドという凱旋門のある広場に近いところのフィニステレというホテルだがこれが甚だ良くない。今回の旅行で残る地域のホテルがそこそこ良かっただけに残念だ。

さて到着した日はホテルで休むという娘を残し、家内と二人で乗合観光バスに乗る。このバスは一日乗り放題で13ユーロ。循環するコースは3つあり、市内の数ヶ所でバスを乗り換えることができる。時間の関係から僕らは2つのコースしか回ることが出来なかったが、マドリードの概観はある程度分かった。

mayor 翌日はホテルから歩いてマヨール広場に行く(写真右)。この広場は1619年に5階建の集合住宅に囲まれた広場として建設された。広場の周囲にはバル・カフェ・レストランや服飾品の小売店が並ぶ。マヨール広場から賑やかなプエルタ・デル・ソルに出てそこからタクシーでいよいよプラド美術館へ。

3ユーロ払って入館するが、バッグの中にペットボトルを入れていた家内と娘はチェックされる。ペットボトルは持ち込み禁止なのだ。

プラド美術館では目当てにしていたベラスケスの「ラス・メニナス=宮廷の侍女達」やゴヤの「裸のマハ」等をゆっくり見ることができた。美術館の中は「撮影禁止」ではないため、デジカメで写真を撮っている人がかなりいた。特に「ラス・メニナス」には撮影者が多い。ただし僕はホテルにカメラを置いていった~写真を撮るよりもこの眼で本物をじっくり見た方が良いと思ったので~ので、展示品の写真はない。本来は2日間美術館に通い一日を撮影に当てるのが良いのかもしれない。

それにしても大変な展示品の数である。鑑賞に草臥れては地階のカフェで休んでいたため、つい一部の展示品を見落としてしまった様だ。特に残念なのはヒエロニムス・ボッスの「快楽の園」を見落としたことである。

夜はマイヨール広場近くの英語のメニューのある地場レストランに行く。オムレツや蛸などのスペイン料理を食べるが相当塩辛い。こんなに塩辛いものを食べていてスペイン人は高血圧にならないのだろうか?

かくして我々のスペイン旅行は終わった。いや第1回目のスペイン旅行は終わったと言おう。スペインは広大な国で1週間程度ではとても見ることはできない。

何年か後に又来てみたい国である。

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アルハンブラ・優雅なる憂愁~スペインの旅(4)

2005年06月21日 | スペイン旅行

バルセロナから空路グラナダに向かう。グラナダの空港から街に向かおうとタクシー乗り場に向かったが、タクシーがあまりこない。訝っていると色の濃いサングラスをかけた日本の中年女性が「ここではタクシーの市内=空港往復は制限があるのでバスで市内へ向かった方がいいですよ」と教えてくれる。でもその女性はやってきたタクシーとしばらく話をして「今回は行ってくれることになった」というのでタクシーでグラナダのホテル・アリナレスに向かう。このホテル(スペイン語風にはオテル)アリナレスは、アルハンブラ宮殿のすぐ横にあるのだが、そこへ行く坂道の入り口が進入禁止になっているため、狭い路地を迂回して漸くたどり着く。でもタクシー代は25ユーロ程だったので多少の遠回りは問題ではない。

alhambra4ただしグラナダ市街へタクシー乗り入れ制限については今後事前チェックが必要なところだ。ところで空港にいた日本人女性はどのような素性の人なのだろうか?とちょっと気になった。

さてアルハンブラ宮殿の核心部には入場予約が必要であることは日本にいる時から知っていたが、つい面倒で予約を取っていなかった。ホテルのフロントで相談すると「それなら英語のガイド付ツアーがあるからそれに参加するといい」と言われ一人40ユーロだが明日の参加を予約する。(ちなみに入場料だけなら8ユーロ)

この日は夕方から「市内乗合観光バス」でグラナダの街を回る。これは一人10ユーロのチケットで大小2種類のバスが24時間乗り放題というもので大変良いものだ。

上の写真はチビバスを使って行ったアルバイシン地区(世界遺産)のサン・ニコラス寺院広場からアルハンブラ宮殿の核心部を撮ったものだ。この広場はアルハンブラの展望台として大変有名なところだ。本来なら午後10時頃の薄暮の頃に憂いを秘めた宮殿の写真を撮りたいところだが家族連れではそうもいかない。

alhambra1 さて翌日のアルハンブラ宮殿ツアーである。10名程度の英米人と一緒にカルロス5世宮殿からスタートして、ナサリー王朝の王の宮殿であったコマレス宮殿を中心とした核心部に向かう(左の写真。この一角に入場時間指定がある)

静謐な水面に華奢な姿を写すコマレス宮殿は比類なく美しい。

華奢、華麗な軽さ、水と建物あるいは植物とコンビネーションが生み出す優雅さとその向こうにある儚さがアルハンブラだ。

敢えて今回のスペイン旅行の目的を一つ挙げるならそれはアルハンブラ宮殿である。

アルハンブラ宮殿はイスラム王朝の宮殿だが、そこにはオリエント時代からの文明が注ぎ込まれている。lion2

左の写真は「獅子の中庭」であるが、これはハーレムの中庭である。ガイドさんがいうにはアラビア風の暮らしは床に座る生活が中心なので目線を下げると大理石の柱がジャングルの樹に見え、ライオンが一層イキイキとするという。僕はやらなかったが床にへばりついて写真を撮っているおじさんもいた。

この12匹の獅子は太陽と黄道すなわち宇宙の運行をしめしている。これこそ古代オリエントにつながる文明の連鎖である。

アルハンブラ宮殿を築いたイスラム教徒の文明の高さに敬意を表するとともにそれを残したカトリックの王達にも敬意を表したい。彼らもまた「政治的な勝者が必ずしも文明上の勝者でないこと」を知るだけの叡知と謙譲さを持っていた言うべきだろう。

genelife 更に進むと王族の避暑地であるヘネラリフェにいたる。キリスト教徒による領土回復以後、9回も改修を受け原形を失ったと言われているが、噴水と植え込みの調和が美しい。

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バルセロナ・ガウディに会う旅~スペインの旅(3)

2005年06月18日 | スペイン旅行

今回のスペイン旅行はバルセロナから始まった。東京からチューリッヒ経由でバルセロナに着いたのは午後7時頃である。午後7時というのに全く明るい。日本の感覚では午後4時の感じである。空港(プラット空港)からホテル(ベスト・ウエスタン・ダンテ)まではタクシーで約20分。料金は25ユーロ弱である。

翌日は朝一番でサグラダ・ファミリア(聖家族)聖堂に向かう。

maintower 泊まったホテルはサグラダ・ファミリアの西側にあるので、タクシーで乗りつけると教会の西側入り口に到着。教会の西側の面は「受難のファサード」と呼ばれている。8ユーロの入場料を払って教会に入ると教会内部は工事現場そのもので足場・資材で溢れているのにビックリする。教会の中を抜けて東側に出る。こちら側は「生誕のファサード」と呼ばれている。聖書の各場面を表現した彫像が至るところで教会の壁を飾っている。

ガウディの構想では聖堂の外側にはイエスの「生誕」「受難」「栄光」の3つのファサードが建ち、各ファサードは4つの鐘塔を持つ。

ただし現在完成しているのは「生誕」「受難」のファサードと8本の鐘塔のみ。左の写真は生誕のファサードの上にそびえる4本の鐘塔である。 lookdown

聖堂には尖塔に登るらせん状の階段がある。階段の所々には狭いテラスがあり、外を見ることができる。右の写真は塔の中腹から東側の道路を見たものだが目のくらむ高さだ。なお展望台に登るには2ユーロ必要であるが、その手前で引返した。

それにしても大変なスケールだ。工事の完成には後100年を要すると言われているが、誰がその資金を出し続けているのかちょっとファイナンス面に興味が湧いてきた。今後調べてみよう。

さてサグラダ・ファミリア聖堂を後にして、アントニオ・ガウディの最初のプロジェクトであるグエル公園に向かう。Guelltower 因みにグエル公園はカサ・ミラ(市内の高級アパート)、グエル邸とともに世界文化遺産である。(なおグエル邸は現在非公開という情報が日本の観光案内本に出ていたので行かなかった。)

バルセロナの町は北北西から南南東に向けて傾斜しており、グエル公園は市中心部から見て北北西に当る高台に広がる。この公園のもとは、ガウディの擁護者で生涯の友人であった実業家グエル氏の依頼で設計された分譲住宅地だった。田園都市構想としては時代が早過ぎ、分譲事業は失敗し、ガウディの死後(1926年死去)土地は市に寄贈され公園となった。公園の中には破砕タイルtokageで飾られた壁やトカゲの置物のある階段等夢のある建造物が見られ、市民の良い散策場所になっているようだ。

グエル公園の後、世界遺産であるカタルーニャ音楽堂にタクシーで向かう。この音楽堂はガウディと並ぶ天才建築家ドメイクの作品である。入場はガイド付きツアーのみ可ということで、英語のガイド付きツアーはにはタイミングが合わなかった。そこでここは外側だけ見てカテドラルに時間をかけることにした。音楽堂からカテドラルまでは徒歩で10分程度である。カテドラルはカタルーニャゴシックの大傑作と言われるだけあって荘厳にして圧倒的なスケールである。教会内部の壁面には多くの聖人が祭られていて、フランシスコ・ザビエルだとかイグナティウス・ロヨラなど私のようにキリスト教の門外漢でも知っている名前もみることができる。catedoral

またカテドラルには光溢れる中庭(右の写真)がある。

このように見学する価値の高いカテドラルであるが、この地区はスリ等が多いのでご用心という警告もある。

なおこの日はカテドラルを見た後一旦ホテルに帰り、現地の人と同じくシエスタ(午睡)を取り夕方「カサ・ミラ」を見に行った。

「カサ・ミラ」はバルセロナ市民には「ラ・ペドレラ(石切り場)」と呼ばれ親しまれているガウディの代表作の一つだ。カサ・ミラは集合住宅であるが、7ユーロの入場料を払うとエレベータを使って最上階経由で屋上まで登ることができる。最上階は模型等がある展示場となっている。素晴らしい建物ではあるが、7ユーロは少し高いような気がした。

以上が私のバルセロナ旅行の総てである。

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旅の準備と言葉と治安~スペインの旅(2)

2005年06月17日 | スペイン旅行

スペインへ行くことは出発の3週間ほど前に決め、同行する娘が選んだ(株)アイエシイ・トラベルhttp://www.iace.co.jp/の「情熱のバルセロナ・グラナダ・マドリード8日間」に乗ることにした。パッケージツアー料金は一人178千円という格安ツアーである。スペイン往復の飛行機代とスペイン国内の飛行機・鉄道料金とホテル宿泊と朝食付であるから相当安いのだろう。(ただし色々ショッピングした訳ではないから一番安いかどうかは分からない)

このパッケージツアーについて旅行後の評価を下せば相当良かったと思う。しかし難点を言えば次の一点である。

マドリードで泊まったFinisterre(フィニステレ)というホテルが良くない。(ミニバー・冷蔵庫がないので暑くても水も飲めない、壁が薄く隣の人のいびきで寝難い等)

準備といえばスペイン国内は英語が余り通じないということなので、スペイン語会話の本を買って少し読んでみた。でも殆んど頭に残らない。また仮に簡単な質問文を覚えたところで、返事は一様でないだろう。そうなると少しぐらい勉強したところで役には立つまい。そこで1から10までの数の数え方程度を覚える位で止めにした。

で実際スペインを旅してどうかというと次のような状態だ。

ホテル

僕らが泊まったクラス(上が四つ星、下が二つ星)で、フロントには英語が話せる人がいるので用事(例えばオプショナル・ツアーのアレンジ)は足りる。しかしフロントマン全員が英語に堪能という訳ではない。

レストラン・バル

ホテル内のレストランでは英語の通じる人がいるという程度に考えておいた方が良い。

市内のレストラン・バル等~中程度の店~は、英語のメニューがない店もかなり多そうだ。

まず英語のメニューがあるかどうか確かめることが肝心だ。英語のメニューがある店でも余り英語は通じない。ただし何とか注文通りのものが出てくるから不思議なものである。

交通手段

飛行場・飛行機では英語は当然通じる。ただし国内線(バルセロナからグラナダまで乗った)の英語の機内放送は聞き取りにくい。

タクシーは殆んど英語は通じないと考えておいた方が良い。しかし目的地を告げて到着後にお金を払うだけの話であるから、スペイン語が出来なくても問題はなかった。

ただ「Parc Guell, por favor」(パルク グエル、ポル ファボル)~グエル公園へ頼みます~などと告げて、運転手がすぐ走り出すと「誤解されていないだろうか?」などとかえって不安になってしまう。行き先を書いた紙を出すのが賢明だろう。

因みにタクシーにチップを渡す風習は廃れてきている様だ。ただし私はスーツケースの出し入れをしてもらうことが多かったので、大体1ユーロ程度は渡していた。なお場所によっては荷物の数が多かったり、搭乗者数が多いと割り増し料金を取られることがあった。

鉄道についてはグラナCafetrainダからマドリードまで在来線を利用したが、列車内のカフェテリアでも英語は通じない。左の写真は列車の中のカフェテリアの壁に掛かっているメニューの写真だ。サンドイッチ等英語がそのまま通じる(発音は少し違うのだろうが)ものもある。

ポケットからキーワードを書き抜いた紙を出したりしながら、不自由な旅をすることもまた楽しいものである。

ビールを頼む時に~実はビールは「ビール」で通じるのだが、あえて「Cerveza Alhambra!」(アルハンブラビール~グラナダの地ビール~を頂戴!」なんてやるのも面白い。

治安については娘がスペインを旅行した会社の同僚等から「治安が良くない」「首絞め強盗が出る」等芳しからぬ話を聞いて不安がっていた。また旅行会社のパンフレットやホームページにも警告文が出ている。実際日本人に狙いを絞った犯罪が多かった時期があったということだが最近は減少しているらしい。

私達も人通りの少ない場所は避ける等の注意を払っていた。それ故か私達は不安な目には一切会わなかった。ただし一回だけの経験でスペインの治安について云々するのは軽率であろうから、これについては事実だけをお伝えすることに留める。

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海外旅行とデジタル一眼レフ~スペインの旅(1)

2005年06月17日 | スペイン旅行

6月中旬に10日弱の休みを取ることが出来たので、家内と外銀に勤めている長女の三人でスペインに旅行することにした。そんな訳でここしばらくブログ作成がお留守になっていたが、スペイン旅行の話など数度に分けてブログに載せてみたい。

最初は持参するデジタル一眼レフ周りの準備についてである。

カメラはオリンパスE300、交換レンズは重たいので12-45mm、3.5-6.5という標準ズーム一本にする。コンパクトフラッシュはカメラと同時に購入したLexar社http://www.lexarmedia.comの512MBを使う。

このコンパクトフラッシュ1枚でJPEGの高画質(ピクセルサイズ3264×2448。ファイルサイズ約6.1MB)が78枚撮影可能。RAWモードであれば35枚の撮影が可能である。

今回はJPEGの高画質で撮影することにしたので約1週間の旅行となると撮影画像を貯める携帯用ハードディスクが必要になる。(複数枚のコンパクトフラッシュを準備することも考えられるが、コンパクトフラッシュよりハードディスクの方がはるかに安いので賢明な策ではない)

そこで有楽町のビッグカメラでいくつかハードディスクを見比べたが、「価格が安く軽量」ということで(株)バッファローhttp://www.melcoinc.co.jp/のDirectStation POCKET HD-DMP20U2を購入した。容量は20GBなので1枚当り6MBのJPEGの撮影画像であれば3000枚程度保存できるので全く問題なさそうだ。

ハードディスクの値段は「容量の大きさ」と「モニター機能の有無」で決まる様だが、モニター機能は不要と判断した。因みに価格は2.8万円程度である。Directstation

旅行中に3回撮影画像データをカメラからこのハードディスクに転送したが、途中でハードディスクへの充電は必要がなかった。

また帰国後のパソコンへの取り込みも極めて簡単である。

なおデジタルカメラやハードディスクは海外電圧(欧州は200ボルト)にも対応する仕様になっているが、コンセントの形が違うので行き先に合わせたコンセントを持参する必要がある。これは2,3百円程度のものでビッグカメラ等で簡単に手に入る。

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