金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

老後の投資は友情にあり

2022年12月30日 | うんちく・小ネタ
今日読んだWSJにYour 401(k) isn't enough: To invest for retirement, build friendships and hobbies「確定拠出年金(などの老後資金の準備)だけでは十分ではない。退職後のための交友関係と趣味への投資が必要」という記事がでていた。
 記事によると「ハーバード大学の成人の発達に関する研究」という1938年から行われている研究で最近「長寿、健康、晩年の幸福に関する予測因子はコレステロールの数値ではなく人間関係の質だ」という発表があった。
 一般に友情はただ起こるもので、その友情が本物であれば、努力する必要はないと思われがちだが、この問題に関する研究によると友情には時間がかかることが分かった。
 ある研究によると「親密な友情を築くには4カ月で200時間が必要であり、もっとカジュアルな交友関係を築くにも60時間は必要」ということだ。
 また友好関係を持続するにはメンテナンスが必要で「友人関係に日常性を持たせる」つまり定期的に連絡を取り合うことが重要だというシカゴ大学の心理学者エプリー教授のコメントも引用されていた。
 ★     ★    ★
 コロナ感染防止で人との接触を避ける習慣が定着しつつある。このことはコロナ感染拡大を予防する上では有効だが、行き過ぎると人間関係を疎遠にする。人間関係が疎遠になることが健康や晩年の幸福を悪化させるとすれば、この問題はもっと多面的に議論するべき時期に来ていると思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

来年の最高の投資は自分への投資

2022年12月29日 | ライフプランニングファイル
 例年クリスマスシーズンを過ぎると米国株は新年度入りで上昇することが多い。これをサンタクロース・ラリーと呼び、S&P500は1950年以降78%の確率でこの期間上昇している。ところが今年は世界的な景気低迷予測やインフレ抑制のための政策金利引き上げが続き、株価は低迷を続けている。
 おそらく株価低迷は2023年になってもしばらく続くだろうし、債券利回りもまだ上昇しそうだ。そう考えると投資対象を定めるのが難しいだろう。
 そんな中WSJにThe Best Investment to make in 2023 is in Yourself(2023年の投資は時分に投資するのが一番)という記事が出ていた。
 確かに先行き見通しがはっきりしない時、株や債券に投資をしても目先の利益を得られない可能性が高い。いや目先の利益が得られないだけでなく、高値でつかんだ株価はポートフォリオの重荷になる可能性がある。それよりは自分自身への投資を行った方が確実かもしれない。
 記事はボストンカレッジの法学部教授ダイアン・リングさんの自分自身への投資は「プロフェッショナル、パーソナル、ヘルス」の3つのカテゴリーがあるという説を紹介している。
 プロフェッショナルへの投資とはキャリアへの投資つまり新しい技術や資格の習得に対する投資だ。
 パーソナルへの投資とは老後を豊かに過ごすために新しい趣味を始めるなどといった個人生活を充実させるための投資と考えてよい。
 ヘルスとは健康への投資で、スポーツジムに通う、卓球サークルに入って卓球を行うなどの運動への投資や定期的な歯のチェックアップなど予防的な医療費支出も投資に入れてよいと思う。
 前述のリング教授は3つの投資つまりキャリアへの投資、趣味的なものへの投資、健康投資をバランス良く行い、燃え尽き症候群に陥らないようにすることが重要だと指摘している。
 老後資金確保のための投資が地味で忍耐を伴う長期の投資であるように、自分への投資もまた長い道のりであると考える方が良いだろう。
★   ★   ★
以上の話は働いている人を対象とした新聞記事なので、シニア向けにいくつか私の蛇足を付け加えようと思う。
 まず大部分の人はビジネスから足を洗うのでキャリアへの投資はあまり考えなくて良いだろう。ただし既に獲得しているスキル(たとえばIT技術など)があれば、陳腐化を防ぐ程度の投資はしておいた方が良い。なぜならそれらのスキルはボランティア活動などで活かせるからだ。スキルがあると頼られることが増え、頼られることが増えると生きがいが生まれ、生きがいが生まれると健康にプラスだからだ。
 次に投資~消費に終わる可能性はあるが~には旬(しゅん)があるということだ。元気な時でないと海外旅行に行くことはできないなどその時でないと使えないお金がある。もっと高齢になるとお金のかかる趣味に使う時間が減ってくるだろうから、それを見越して自分がしたいことができる時に思い切ってお金を使うというのも一つの方法だと私は考えている。
 最後に「自分への投資もライフプランの一環として行うべきだ」ということだ。この点について拙著「マインドマップとエクセルでライフプランノートを作る~健康で充実した人生を送るために」(Kindle本)でも書いたが、「現状認識」と「自分のやりたいことの可視化」が重要だ。
 著名な経営学者ピーター・ドラッカーは「未来を語る前に今の現実をしらなければならない、人間は現実からしかスタートできないのだから」と述べている。
 自分への投資もまた自分の現実を見つめることからスタートすべきなのだ。そしてやりたいことをライフプランノートに書いて可視化することを次のステップにするべきだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国政府、中国からの渡航者に陰性証明を求める

2022年12月29日 | ニュース
 米国政府は来年1月5日から、中国からの渡航者にコロナウイルスの陰性証明の提出を求めると発表した。
 米国の保健当局は中国でコロナウイルス感染が急拡大し、新しい亜種が生まれる可能性が高まっていることを危惧している。
 中国政府が提供する感染監視データは透明性が欠けているので透明性を高めるようにバイデン政権は中国に圧力をかけているそうだ(WSJによる)。
 すでに日本やマレーシアなどが最近中国からの渡航者に制限を課しており、米国も仲間入りしたことになる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ゼロコロナ終了」で中国人富裕層の日本移住が加速する

2022年12月28日 | ニュース
 習近平政権は「ゼロコロナ」政策を事実上終了させた。人民日報は習近平国家主席が「国民の生命や健康を守るため、愛国衛星運動を展開しなければならないと強調した」と伝えている。ただし習近平主席はゼロコロナという言葉は使わなかった。
 中国がゼロコロナ政策を終了させた理由の一つは、入国時の厳しい隔離措置が外資系企業にとって経済活動の阻害要因になってきたからだ。
 だがゼロコロナ政策を終了しても、中国国内の経済活動が活発になるとは限らない。それは日本などに移住を希望する中国人富裕層が急増しているからだ。
 WSJはWealthy Chinese, fed up at home, find a haven in Japan(中国人富裕層は自国にうんざりし、日本に天国を見出す)という記事でこの問題を取り上げていた。
記事は小樽の不動産ブローカーの談話から始まる。そのブローカーによると日本に移住する足掛かりとして不動産を購入したいという中国人からの依頼が殺到している。
中国人が不動産を購入する理由の一つは賃貸物件のポートフォリオを構築すると「経営管理ビザ」を取得できることにあるようだ。
 記事によると今年1月~10月の間に経営管理ビザで入国した中国人は2,133人でパンデミック直前の2019年の通年記録1,417人を上回っている。
 2019年の国連統計によると中国人移民は米国が290万人と最も多く、次が日本の78万人で、カナダとオーストラリアが続く。
 しかし最近ではアメリカの移民規制が強化されたことで日本に移住を希望する中国人が増えている。
 日本の経営管理ビザの必要資本要件は米国などに較べると非常に低い。日本のビザ取得要件は資本金又は出資額が500万円以上(約4万ドル)だが、米国では80万ドル、中国人に人気が高いシンガポールでは約185万ドルと言われている。
 また日本の不動産価格が安いことも中国人富裕層を引き付ける要因だ。
 記事は「小樽の家を買う値段では、北京のトイレも買えませんよ」という不動産ブローカーの談話を発表していた。
 パンデミックを通じて中国人は政府により生活が乱されるリスクや悪くすると逮捕される危険性を実感した。
 国を出ていく経済力やスキルのある中国人がさらに日本を目指すことは自然な流れかもしれない。それをビジネスチャンスに変えることができればwin-winかもしれないが・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

快晴の入笠山登山

2022年12月27日 | 
12月26日(月曜日)は朝、原村のペンション・ジョバンニの小屋を出てマイカーで富士見パノラマリゾートへ向かいました。
 全国旅行支援「信州割」で貰った3千円のクーポンの一部を使ってゴンドラの往復券を買いました。
 ゆっくり準備をしてゴンドラ山頂駅を出発したのは10時10分です。
 
雪が歩きやすい状態なので私はアイゼンやスノースーを着けずに歩きました。
 入笠山には北面の比較的急な斜面を直登するルートと東面をトラバースして南面の比較的傾斜の緩い斜面を登るルートがあります(より正確にいうと直登ルートは2つあります)。
 今回登りは南面ルートを登りました。途中に展望台があり富士山が見えました。
10時55分山頂到着。
富士山が見えました。
諏訪湖も見えました。

目の前の八ヶ岳連峰の上部は雪雲の中です。
降りは北面の直登ルートを降りました。
帰路は湿原上部の斜面を登りダイレクトにゴンドラ駅を目指しました。
11時45分頃ゴンドラ駅に戻りレストランでランチを食べ解散しました。
雪の入笠山には何回も来ていますが、晴天確率が高くいつも眺望を楽しんでいます。良い山ですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする