昨日日本橋ハートクリニックの人間ドックに行った。年に一回の定期健診であり、結果はまだ出ていない。しかし体重やお腹周りの数値を見ると、メタボリック・シンドロームかその予備軍とは言われそうだ。運動については世間一般の人に劣るとは思わないが、飲み食いも結構する方なので脂肪が蓄積しやすいのだ。このメタボリック・シンドロームであるが、一説では40歳以上の日本人男子の半分がメタボリック・シンドロームかその予備軍ということである。自己弁護する訳ではないけれど、一定年齢以上の半分もの人がかかる症候を病気といって良いものなのだろうか?例えば豚は太っているが、あれは病気なのか?そういえば「太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ」と言った学者がいたが、本当はソクラテスは太っていたとのこと。これは全くの余談だが。
勿論メタボリック・シンドロームをそのまま放置して動脈硬化などを引き起こしてはいけないのだが、半数の人が同じ様な症状を抱えるのであれば、大袈裟に言えばそれは最早「病気」というよりも種としての宿命のようなものかもしれないと思うのである。宿命だからと開き直れと言うつもりはないが、宿命として見据えることで対応策も出てくるのではないだろうか?
ところで人間ドックにかかるのは、随分久しぶり(これまでは会社の産業医さんのお世話になっていた)だが、昔に較べて感じが良くなっているのには感心した。これは決してハートクリニックが最後に粗品とお食事券を呉れたから誉めているのではない。看護婦(士)さんやお医者さんが親切・丁寧なのである。そういえばこの前ちょっとしたことで、このクリニックにかかったことがあるが、やはり先生が丁寧だった。
もう少し一般化して考えると、全体的にこの頃お医者さんの対応が親切になっている様な気がする。以前はフレンドリーでなく「診てあげる」「診察が終わればさっさと帰りなさい」「余計質問なんかするんじゃない」という態度のお医者さんが多かったが、この頃は症状について丁寧な説明をする医師が増えている様な気がする。これは大変良いことである。
その原因は何なのだろうか?色々あると考えられるが、人口減少と医師の数の増加から来る競争激化が「医師も客商売である」という当たり前の原点への回帰を可能にしたのではないだろうか?一方産業医については、どうも患者と同じ目線でものを見て対策を考えようという意欲が感じられないのである。これは産業医が企業の一職員と化し、機械的に患者を処理しているからだ。つまり産業医には競争原理が働かないからサービスを向上させるモチベーションがなくなっているのだ。
人間ドックは隠れた病気を早期発見する良いチャンスなので、親切で安心できる病院を使うことをお勧めする。手頃だという理由だけで会社の施設に任せては(勿論そのサービスが良ければ良いが)いけないないものの一つであると私は思っている。