金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

マスクが不快な時期をどう過ごしますか?

2020年06月29日 | うんちく・小ネタ

今日(6月29日)は久しぶりにカラッとした天気ですが、長続きはしないようです。

梅雨の最中ですから仕方がありません。梅雨は鬱陶しいものですが、特に今年の梅雨は鬱陶しいですね。

それはマスクのせいです。激しい運動をしていなくても息苦しく感じる時はありますが、スポーツクラブのトレッドミルで走っている時など本当に嫌になりますね。

しかし東京ではコロナウイルスの新規感染者数が高止まりしていますし、世界的には感染者が1000万人を超えてなお増え続けるというから当分多くの人と接する場所ではマスク着用はやむをえないでしょう。

現在では世界中の感染予防専門家や政治家が感染防止対策としてマスク着用が効果的であると述べています(トランプ大統領のように着用しない人もいますが)。

ただ国によってマスクの着用率は相当違います。下のグラフはWSJから引用したものですが、英国は非常に着用率が低いですね。

WSJによると早い段階でコロナウイルス感染者が急増したイタリア・スペインなど南欧ではマスク着用率は高いけれど北欧では概して低いということです。これはマスク着用に対する強い抵抗感~マスクは奇妙・銀行などでは防犯の観点からマスク着用が禁じられていた・一部の国では顔を隠すイスラムのベール着用が禁止など~があるからです。

日本などアジア諸国ではそれほどマスクに対する抵抗感はありませんが、梅雨のこの時期のマスク着用はつらいですね。

これといった対策は思いつきませんが私はできるだけマスクを着用しないで済む場所を選択してこの時期を過ごそうと考え始めています。つまりできるだけ自宅にいる・人が少ないオープンエアな空間で運動する~簡単にいうと人が少ない平日に広い公園や山を歩く~などです。マスクをしないで済む飲食店~ただし広くて密にならない場所~で夕方のひと時を過ごすという選択肢もたまにはありそうです。

ただこれらの活動は経済面からいうとかなり消費抑制的ですよね。自分の行動をベースにものを考えるとコロナが景気に与える影響は長引きそうな感じがしますね。

 

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オリンパスの撤退も「消費者選択減少」の流れの一環か?

2020年06月28日 | 社会・経済

コロナウイルス感染拡大は、社会や経済のトレンドを変えつつある。

例えば過去数十年にわたり、企業は商品の細分化を図ることで消費者の細かなニーズをくみ取ろうとしてきた。

だがコロナウイルス感染拡大はこのトレンドを変えつつある。WSJはWhy the American consumer has fewer choices-maybe for good「なぜアメリカの消費者は購入商品の選択肢が少なくなったのかーおそらく永久に」という記事で、今米国の消費市場に起きている現象を説明していた。

たとえばIGAというスーパーマーケットでは数カ月前には40種類もあったトイレットペーパーを4種類に絞っている。

商品の種類を絞った直接の原因は、3月に起きたパニック的な買い漁りだった。店舗の棚から商品が消え、スーパーマーケットは商品の補充に苦労し、アイテム数を減らすことにしたのだ。

商品の種類を減らす動きは各方面ででている。Outbackというステーキハウスはメニューの約4割を削った。調査会社ニールセンによると6月13日までの4週間の間にスーパーマーケットは平均7.3%商品数を減らしている。

これは過去に商品数を増やし過ぎた反動でもあるだろう。1975年に米国のスーパーマーケットは平均約9千点の商品を販売していたが、現在では3倍以上の3.3万点の商品を販売している。

日本の小売業・飲食業でも同じようなことは起きているのではないか?と思うが寡聞にして具体的な記事は目にしていない。

ただ先週耳目を集めたオリンパスのカメラ事業からの撤退(投資ファンドへの売却)もこの流れと軌を一にしていると私は判断している。過去数10年にわたってメーカーは、商品の多様化を行うことで消費者の購買意欲を刺激してきた。

それは少量多品種の販売を招き、膨大な部品数の調達・管理が必要になった。だがコロナウイルス感染拡大は、選択的消費財について消費需要の減退と部品の供給難を招いた。

カメラについていうとスマートフォンとの競合も大きい。スマートフォンは一台で電話・メールやSNSの通信・ウエッブサイトの検索など通信機能・支払い決済・静止画や動画の撮影機能など実に多くの役割を果たす。

小型録音機などこれまでにスマートフォンに殺された商品は多いのではないか?と私は考えている。そして今回はオリンパスのカメラがその犠牲者に加わった。

そもそもカメラにしても車にしても日本はメーカーが多く、かつ各々のメーカーが似たような商品を出しているので、非常に商品点数の多い国になっている。はっきり言って消費者の選択能力を超えているのではないだろうか?

そんな中で起こったコロナウイルス感染拡大問題。総じて消費力は低下し、選択的消費財(贅沢品と考えて概ね正しい)市場は縮小するはずだ。

注意深く観察しているとレストランや飲み屋でもメニュー数が減っていくかもしれない。いや3密防止で客席数が減っているのだから、メニューやサービスのレベルを減らさないと採算が取れないはずだ、と思う。

商品数で消費者の眼を奪う時代は終わり、本当に消費者が欲しがるものを絞り込んで提供しないと生き残ることができない時代が到来した、と思う。

最後にオリンパスのカメラの愛好家として一言オリンパスを擁護しよう。オリンパスがマイクロフォーサーズという小型で取り回しが良くかつフルサイズに較べると手ごろな値段で一眼カメラを提供してきたことに感謝したい。軽くて防塵防滴性能が高いカメラは山登りの頼りになるパートナーだったことを付け加えておきたい。

 

 

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徒然草を読む(25)~心の友はいないというが・・・

2020年06月28日 | ライフプランニングファイル

コロナ騒動が招いた一つの問題は「雑談をする機会が減った」ということだ。

レストランや飲み屋でも席の間隔を広げ、しかもできるだけ話をしないで欲しいというムードが漂っている。雑談ほど退屈しのぎに良いものはないし、雑談の中には一つ二つ心に残るものがある場合もある。雑談は人間が生んだ偉大な知恵である。

さて徒然草第十二段は一見自分と少し合わない友との雑談の虚しさを説き、気持ちがぴったり合う友との話こそ楽しいと述べる。しかし同時に兼好法師は気持ちがぴったり合う友人などいないと述べる。ならばほどほど気持ちの合う友と雑談のひと時を持つことも人生の楽しみ方だと私は思うがいかがなものだろうか?

「同じ心ならむ人と、しめやかに物語して、をかしきことも、世のはかなきことも、うらなく言ひ慰まむこそうれしかるべきに、さる人あるまじければ、つゆ違わざらむと向かいたらむは、独りある心地やせむ」

「気持ちのぴったり合う相手と、心静かに語り合い、面白い話題や人の世の無常を本音で話すのは楽しいに決まっている。しかしそんな相手はいるはずがないので、相手の意向に反しないように気を遣いながら向き合っていると孤独感が募るのではないか」

同じようなサラリーマン生活を送り、同じような趣味を持っている友人同士でも必ずしも常に心が寄り添うというものではない。最終的に求めるものは人それぞれだからだ。

だがそれはそれで良いと思う。生まれ育った環境が異なり、死生観が違う以上最終的に求めるものは人それぞれに異なる。だからといってそれは楽しい語らいの妨げになるものではない。しばしの間共に人生という巡礼の旅の連れ合いとして雑談に疲れをいやすことは悪いことではない。

ということでこの段については私は少し異論を持っている。

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10万円支給のもたつき、事務処理の流れを整理できないことが原因

2020年06月27日 | うんちく・小ネタ

マスコミで自治体の定額給付金支給の遅れがたたかれている。

一方各自治体では、支給事務のために壮絶な残業が行われていると聞くと現場で苦労している人を批判する気にはなれない。

しかしあまりにお粗末な事務フローが多い。

問題は事務処理の最前線ではなく、事務フローを設計するレベルにありそうだ。

たとえば先日自宅に「定額給付金支給決定通知」なるものが送られてきた。

支給されて1カ月以上経ってからである。そもそも忙しい時期にこのような案内を送る必要があるのかどうか疑問(定額給付金は非課税なので確定申告には不要)だが、もし案内を送るとすれば「定額給付金支給のご案内」とするべきである。

これは給付金支給に関する事務処理フローを合理的に設計していないことによる。

つまり「給付金の申請」→「支給決定」→「支給決定通知の発信」→「給付金の振込」というフローを確立しておくとこのようなお粗末なことは起こらない。

更に言うと私はメールアドレスを登録しているので電子メールで支給決定通知を送れば済む。

つまり「支給が決定される」と自動的に「申請書のメールアドレスから電子メールを作成し」「支給決定通知を発信する」というプロセスをロボットを使って確立すればよいのである。

このようなことができないのは、役所にロジスティクス(兵站・物流)の意識が欠けているからである。

事務処理フローを単純化して、さらにロボット等を使って単純化するということである。

国からの送金ということであれば、税務署の還付金送付のプロセスを事前に勉強しておくのも一つの方法だった。税務署は口座番号を記入して申告する時、通帳のコピーなど求めない。

通帳のコピーを求め、役所がチェックするから事務処理が煩雑になるのだ。

ロジスティクスの意識が欠けているのは市役所の中間管理職だけではない。首相・閣僚から知事に至るまで、ロジスティクスを軽視する傾向がある。

長年ロジスティクスを軽視し、空理空論を振り回していた結果が給付金支給のもたつきという形で露呈した訳である。

 

 

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コンサルとして後半年働くことにしました

2020年06月26日 | 資格・転職・就職

そろそろ仕事をやめて、自由な時間を増やそうと考えていましたが、顧問先の依頼により今年一杯コンサルを続けることにしました。コロナウイルス騒動が片付かず、海外トレッキングに出かけることができない時期ですから、当方の都合にもかなっています。

顧問先のDX(デジタルトランスフォーメーション)は大分進んできましたが、テレワークを促進するためには、更に情報共有基盤を拡張する必要があります。コロナに第2・第3の波があると想定すれば、もう少し基盤整備が必要です。

情報共有基盤はテレワークの必要条件の一つではありますが、必要なものはそれだけではありません。社員の仕事振りをインプット(勤務時間量)で測定するのではなく、アウトプット(成果)で測定する成果主義に変えていく必要があります。

また単発的に成果を上げることを評価するより、継続的に成果を上げる仕組み(業務のシステム化やサブスクリプション型のサービス提供など)を作った社員をより高く評価するような仕組み作りも必要です。

この辺りのコンサルが最後の仕事になると思います。

さてコンサル業について池井戸潤の「オレたちバブル入行組」に次のような文章があります。

「銀行退職者で独立するとなると、たいてい旗揚げするのがコンサルタント業なのだが、成功するのは難しい」

「少なくとも、元銀行員の経歴を生かして独立するのであれば、本や雑誌に寄稿し掲載されるほど『書ける』か、何度かはある講演の機会を逃がさずリピーターが来るほど『話せる』かどちらか、あるいはその両方のスキルがなければならない」

「だが、そんな能力のある銀行員はそうそういるはずもなく、俄コンサルタントは、看板倒れに終わるのがオチだ。そもそも、それぐらい能力のある人間なら、銀行にいても成功している」

★   ★   ★

コンサルティングという仕事はヒューマンスキルの塊のような仕事です。「書くこと」「話すこと」をヒューマンスキルの分かりやい指標とすれば、池井戸さんの意見は至当です。

コンサル先やその業界の実情を把握し、問題点を見つだす。

見つけ出した問題を解決する上中下(松竹梅)の解決プランを提案し、コンサル先が自発的に解決策を見出すようにアドバイスする。

解決プラン実行のためのマイルストーンを作り、社内外からプロジェクト推進メンバーを集めてプロジェクトにとりかかる・・・・・

やりがいのある仕事だったと思います。まだ最終コーナーを走っているところなので現在進行形で書くべきですが。

 

 

 

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