昨日(5月30日)山仲間のHさん、Sさんと3人で山梨県の乾徳山(2,031m)に登ってきた。乾徳山には数年前登ったことがあるが、Hさん、Sさんは初めて。朝7時にJR武蔵野線北府中駅に集合して、マイカーで乾徳山に向かった。
乾徳山に登るルートは2つある。一般的なのはバスで徳和から登るものだ。もう一つはマイカーかタクシーを使って大平高原まで登るルートだ。前者の登り口の標高は988mで、後者の登り口の標高は1,323mだからかなり後者の方が楽だ。ただし大平高原まで登る乾徳山(南)林道は狭くて、ところどころ石が散乱していた。9時10分頃大平高原にある山荘(大平荘)の前の駐車場に到着。小屋の人がやってきて駐車料金8百円を支払う。2000年に出版された「東京・首都圏 クルマで出かける山歩き」には駐車料金5百円と出ていたが、値上がりしている。前回来た時は更に上まで車で登った記憶があるが、上の状況が分らないので、今回はここに駐車した。
9時20分登山開始。牧場の脇の標識にそって堂満尾根の道を登る。ところどころ林道と交差するが、踏み跡をたどってショートカットして、堂満尾根ルートと国師ケ原ルートの分岐点到着。9時53分標高1,513mである。
堂満尾根の取り付きは急だが少し登ると傾斜は落ちて、気持ちの良い尾根歩きとなった。富士山が見えるようになると月見岩は近い。月見岩は国師ケ原ルートとの合流点だ。10時37分月見岩到着。標高1,739mだ。
甲府盆地と富士山を一望。乾いた風が吹き心地良い。
月見岩に登ってみた。
5月は私の誕生日。今日の登山は「高齢者」の仲間に入って最初の登山だ。しかし小さな岩の上で風に吹かれていると歳を忘れてしまう。だから登山は楽しい。
月見岩のすぐ上が扇平と呼ばれるところ。ここを過ぎてしばらくすると登山道には岩が多くなってくる。一ヶ所岩の間を梯子を伝って降るところがあった。稜線通しに行こうか?と思ったが鋸の歯のようなのでやめた。高齢者は危ないことをしてはいけない。
少し登ると2本の鎖がついている5mほどの岩があった。
今回の登山の目的の一つは7月の西穂高岳登山に備えた岩場歩きのトレーニングなので、できるだけ鎖のような人工物に頼らず三点支持で登ることにする。
頂上手前登山道から少し離れたテラスで一息入れた。
金峰山の五丈岩が見えた。
11時45分頃最後の岩場の下に到着。20mほどの岩場の下では数名の人が順番待ちをしていた。
この岩場の最初の5,6mは手がかり足がかかりのない切り立った岩なので、鎖をつかんで登る。上部はクラック状の岩場なので、鎖を使う必要はないだろう。
11時50分乾徳山頂上到着。
富士山、金峰山、甲武信岳、雲取山など四方の山を眺めることができる絶景ポイントだ。
頂上で昼食を食べて、下山。12時43分月見岩到着。帰路は国師ケ原を通って帰ることにする。国師ケ原という名前は乾徳山に籠って修行した夢想国師にちなむという。夢想国師は恵林寺の開祖だ。ちなみに恵林寺の山号は「乾徳山」である。
国師ケ原の登山道手前で野生の鹿の群れに出会った。
木の根元に石があり、鹿はその石をなめるために集まっているようだった。塩分でもあるのだろうか?
ここの鹿は人をあまり恐れないようだ。鹿は植生を荒らすので、罠などで捕獲されることが多いと聞くが、国師ケ原の鹿は痛い目に遭っていないのかもしれない。
国師ケ原から大平高原に戻るにはしっかりした林道をたどれば良いのだが、勘違いして5,6分徳和に降る道を降りてしまった。少し下ったところにトラバース道があると妙な思い込みをしていたのだ。少し下っておかしい、と思い戻って林道を歩いた。
途中満開のツツジの花を見た。
14時駐車場に到着。道間違いのロス(10分強)を引くと、休憩時間込で4時間半の登山だった。
車を走らせ国道(140号)に出たところで、気温を見ると33度だった。暑いはずである。しかし風が爽やかなので、真夏のような不快感はない。帰路恵林寺に近い「はやぶさ温泉」で汗を流した。石組みの広々とした露天風呂はややぬるめでゆっくり温泉を楽しむことができた。
5月の乾徳山は富士山の絶景あり、ちょっと面白い岩場あり、野生の鹿との出会いあり、ツツジありと楽しみテンコ盛りの山だった。
17時50分帰宅。