金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

5月最後の山は富士を見る乾徳山へ

2015年05月31日 | 

昨日(5月30日)山仲間のHさん、Sさんと3人で山梨県の乾徳山(2,031m)に登ってきた。乾徳山には数年前登ったことがあるが、Hさん、Sさんは初めて。朝7時にJR武蔵野線北府中駅に集合して、マイカーで乾徳山に向かった。

乾徳山に登るルートは2つある。一般的なのはバスで徳和から登るものだ。もう一つはマイカーかタクシーを使って大平高原まで登るルートだ。前者の登り口の標高は988mで、後者の登り口の標高は1,323mだからかなり後者の方が楽だ。ただし大平高原まで登る乾徳山(南)林道は狭くて、ところどころ石が散乱していた。9時10分頃大平高原にある山荘(大平荘)の前の駐車場に到着。小屋の人がやってきて駐車料金8百円を支払う。2000年に出版された「東京・首都圏 クルマで出かける山歩き」には駐車料金5百円と出ていたが、値上がりしている。前回来た時は更に上まで車で登った記憶があるが、上の状況が分らないので、今回はここに駐車した。

9時20分登山開始。牧場の脇の標識にそって堂満尾根の道を登る。ところどころ林道と交差するが、踏み跡をたどってショートカットして、堂満尾根ルートと国師ケ原ルートの分岐点到着。9時53分標高1,513mである。

堂満尾根の取り付きは急だが少し登ると傾斜は落ちて、気持ちの良い尾根歩きとなった。富士山が見えるようになると月見岩は近い。月見岩は国師ケ原ルートとの合流点だ。10時37分月見岩到着。標高1,739mだ。

甲府盆地と富士山を一望。乾いた風が吹き心地良い。

月見岩に登ってみた。

5月は私の誕生日。今日の登山は「高齢者」の仲間に入って最初の登山だ。しかし小さな岩の上で風に吹かれていると歳を忘れてしまう。だから登山は楽しい。

月見岩のすぐ上が扇平と呼ばれるところ。ここを過ぎてしばらくすると登山道には岩が多くなってくる。一ヶ所岩の間を梯子を伝って降るところがあった。稜線通しに行こうか?と思ったが鋸の歯のようなのでやめた。高齢者は危ないことをしてはいけない。

少し登ると2本の鎖がついている5mほどの岩があった。

今回の登山の目的の一つは7月の西穂高岳登山に備えた岩場歩きのトレーニングなので、できるだけ鎖のような人工物に頼らず三点支持で登ることにする。

頂上手前登山道から少し離れたテラスで一息入れた。

金峰山の五丈岩が見えた。

11時45分頃最後の岩場の下に到着。20mほどの岩場の下では数名の人が順番待ちをしていた。

この岩場の最初の5,6mは手がかり足がかかりのない切り立った岩なので、鎖をつかんで登る。上部はクラック状の岩場なので、鎖を使う必要はないだろう。

11時50分乾徳山頂上到着。

 

富士山、金峰山、甲武信岳、雲取山など四方の山を眺めることができる絶景ポイントだ。

頂上で昼食を食べて、下山。12時43分月見岩到着。帰路は国師ケ原を通って帰ることにする。国師ケ原という名前は乾徳山に籠って修行した夢想国師にちなむという。夢想国師は恵林寺の開祖だ。ちなみに恵林寺の山号は「乾徳山」である。

国師ケ原の登山道手前で野生の鹿の群れに出会った。

木の根元に石があり、鹿はその石をなめるために集まっているようだった。塩分でもあるのだろうか?

ここの鹿は人をあまり恐れないようだ。鹿は植生を荒らすので、罠などで捕獲されることが多いと聞くが、国師ケ原の鹿は痛い目に遭っていないのかもしれない。

国師ケ原から大平高原に戻るにはしっかりした林道をたどれば良いのだが、勘違いして5,6分徳和に降る道を降りてしまった。少し下ったところにトラバース道があると妙な思い込みをしていたのだ。少し下っておかしい、と思い戻って林道を歩いた。

途中満開のツツジの花を見た。

14時駐車場に到着。道間違いのロス(10分強)を引くと、休憩時間込で4時間半の登山だった。

車を走らせ国道(140号)に出たところで、気温を見ると33度だった。暑いはずである。しかし風が爽やかなので、真夏のような不快感はない。帰路恵林寺に近い「はやぶさ温泉」で汗を流した。石組みの広々とした露天風呂はややぬるめでゆっくり温泉を楽しむことができた。

5月の乾徳山は富士山の絶景あり、ちょっと面白い岩場あり、野生の鹿との出会いあり、ツツジありと楽しみテンコ盛りの山だった。

17時50分帰宅。

 

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実学重視の危険性

2015年05月29日 | 受験・学校

今週(5月27日)の日経新聞朝刊に経営共創基盤CEO富山和彦氏の「大学で職業訓練せよ」という提言がでていた。主旨は大学を「大学をグローバル人材を育てる『G型』とローカル人材を育てる『L型』に分け、G型の大学は10校もあれば十分、後の大学はL型とし、職業訓練学校化すべきだ」というものだ。

富山氏の発言は一部は正論だが一部は大きなリスクを含んでいると思われる。まず「正論」の部分に私の解釈を加えよう。それは日本の大学が実学を軽視し、東大の卒業生でも簿記・会計ができないのが非常に多いという部分だ。本当に東大生の多くが簿記・会計を知らないかどうかは分らないが、東大卒の富山氏が述べているのだから、事実としておこう。つまり経済学部ではエコノミスト養成的なカリュキラムを組むが、卒業生の99%は(エコノミストにならず)普通のビジネスマンになるから、大学で学んだ経済学は全く役に立たない」という訳だ。

この現状認識は正しいと思う。ただしその認識から「だから大学では職業訓練せよ」という結論するのは、やや論理の飛躍があるとともに、今後の仕事・職業を考える時に大きな危険性をはらんでいると私は考える。

まず「危険性」の問題を論じよう。富山氏は「地域経済の中心はサービス産業で、運転士、看護師、医師など『ジョブ型』の働き方が多く、この比率が高まっている」と述べている。この認識は大枠で正しい。少なくとも今後5年から10年程度の認識としてはだ。

昨日ニュースになっていたが、DeNAがベンチャー企業と組んで「東京でオリンピックに合わせて無人タクシーを運行させたい」と発表した。私は自動車の無人運転は、実用化の時代に入っているので、5,6年後に技術的には無人タクシーの運行は可能だと考えている。飛行機や大型船舶だったかなり前から無人運行されている部分が多いことを考えると、自動車が無人運行できない訳がないと考えるのが自然だろう。

ということは、富山氏のいう「運転士」のような職業は今後大きく減る可能性がある訳だ。「医師」はどうか?「医師」についても、CT画像や症状例を大量に収集し、分析するビッグデータ解析技術が進むと、診断領域には人工知能が進出する可能性は非常に高いと思う。

「会計・簿記・税務」なども仕訳などは益々自動化されるだろう。つまり「大学で学んだ職業訓練がそれほど遠くない将来陳腐化し、経済価値を失う」可能性がかなり高いと私は考えているのである。

日経の記事には「シェークスピアよりも、実践的な英会話」というポンチ絵がついていた。確かにシェークスピアは読めても、役に立つ英会話ができないと、ビジネスパーソンとしては失格だ。少なくとも今のところは。

だが人工知能が進化すると「翻訳」「通訳」という作業も人工知能に置き換わる可能性は高いと私は考えている。いつその時代が来るかは分らないが、10年後20年後には実現する可能性はかなり高いだろう。

だが「翻訳」「通訳」が人工頭脳化しても、シェークスピアの人間に対する深い洞察を伝えることができるかどうかは疑問だ。不可能かどうかは分らないが、「翻訳」「通訳」よりははるかに時間がかかることは間違いない。

つまり「人間に対する深い洞察」や「深い洞察に基づいたコミュニケーション能力」といったものは、簡単に機械化されない分野なのである。だから大学ではそういった基礎的な知識や能力を身に着けるべきなのだ。

繰り返しになるが、富山氏が指摘するように、日本の大学がアカデミズムに偏して実学を軽視していることは大きな問題だ、と思う。

さらにいえば、日本の大学のアカデミズムそのものにも問題があると私は考えている。例えば社会科学の場合、現実の問題に具体的な解決策を提供するのが、学問の使命だという認識が欠けている点だ。そのようなアカデミズムならば学ぶ必要はない。だがアカデミズムが現実の問題に具体的な解決を提供することを使命とするのであれば、私は大学生にはアカデミズムを捨てないで欲しいと思う。

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日本株は10日続伸?でも運用コストには気を付けて

2015年05月28日 | 投資

昨日(5月27日)まで日経平均株価は9日連続で上昇を続けた。そして今日の予想も上昇だ。米国ではダウ、S&P、ナスダックとも上昇(ダウは121.45ポイント0.67%上昇)。シカゴ日経平均も150ポイントほど上昇しているので、まず今日の日経平均も強くスタートすることは間違いない。今日も日経平均が上昇すると10日連続の上昇となり、これは1988年2月以来約27年ぶりのことだ。

日本株を持っている人にはうれしいニュースなのだが、一方「果たして好調な相場がどこまで続くのか?」という疑問を持ち始めている人も多いはずだ。

脱デフレ期待で日本の公募投信には資金の流入が続き、先月末には過去最高の水準の100兆円規模になっている。手数料稼ぎを目的とする証券会社や銀行にはうれしい話だが、手数料を払う個人投資家側からは目先のパフォーマンスに目をくらまされることなく、長い眼で自分の運用構造を見直すことが必要だ。

昨日(5月27日)の日経新聞朝刊Wednesdayマネー計画に出ていた「急拡大のラップ口座 利点とコスト比べて」は、個人投資家に警鐘を鳴らす記事として良い記事である。

お読みの方も多いと思うが、ポイントを紹介しておこう。

「日本で急拡大中なのが金融機関に一任し、投信で運用するファンドラップ。資産配分の助言をする点が初心者に受けている。ただ総コストは年2~3%かかる。日本の公的年金が見込む世界分散投資の長期期待リターンは年約4%。2~3%のコストを引けば資産の増え方は鈍る」

資産運用のポイントは資産配分にある。たとえていうならば、魚の少ない小さな池であの手この手と工夫をして魚を求めるか、もっと大きな海で豊富な魚を求めるか、ということだ。従来日本の証券会社が推奨してきたやり方は「小さな池型」だ。だから何とかRIETのようなニッチな商品が売れてきた。一方今年に入ってパフォーマンスが相対的に見劣りしているが、米国の一般の投資家が保有してきたのは、インデックス型の株式投信(商品としてはバンガード・トータル・ストックなど)だ。これは「大海型」の商品だ。大海型の運用報酬の低い運用商品をじっくり保有するというのが、米国型の資産形成方法だ。

ところで今米国では、人工知能を使った資産運用が急速に伸びている。ロボット・アドバイザーの大手BettermentとWealthfronには34億ドル(41百億円強)の資金が流入していると聞く。

「人工知能にお金の運用を任せて大丈夫?」と思われる方もいるかもしれないが、私の答えは「大丈夫」だ。なぜかというと、人工知能が決定するのは顧客の運用目的やリスク耐性に基づく資産配分計画だからだ。

資産配分計画は日本でも「効率的フロンティア理論」に基づいて、コンピュータで計算される。それを人手で説明するかどうかの違いがコストに直結する。答が一緒ならコストの低い人工知能アドバイサーを使って良いというのが私の答えだ。

資産運用を長期的に成功させるもう一つのポイントは、当初定めた資産配分を維持することだ。たとえば日本株への資産配分比率を3割なら3割と決めていた場合、株価急上昇により日本株の時価比率が5割に上昇していれば、見直し時期に2割部分を機械的に売却して、時価比率が下がっている資産を購入する。これがリバランスという作業だ。

これも機械的にやるから、ロボットの方が良いということになる。資産配分とリバランスの重要性については少し前に「インフレ時代の人生設計術」という本で詳しく説明した。ご関心のある方は一度のぞいてみてください。

★   ★   ★

最近出版した電子本

「海外トレッキングで役に立つ80の英語」

「インフレ時代の人生設計術」 B00UA2T3VK

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/

「英語の慣用表現集」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LMU9SQE/

 

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7月に名古屋でセミナーを行います

2015年05月28日 | うんちく・小ネタ

少し先の話ですが、7月11日(土曜日)午前10時~12時に名古屋駅前(ウインクあいち)でセミナーを行います。

セミナー事務局は長年の友人伊藤久夫さんが校長を務める「相続学校なごや」。http://lifetable.jp/

テーマは「デジタルファイルを活用したスターティング・ノートの設計方法」です。スターティング・ノートは聞き慣れない言葉かもしれませんが、今はやりのエンディングノートを日常生活に活用する方法だ、ご理解ください。つまりシニアライフの設計図がそのままエンディングノートになるというポジティブな発想です。

無料講座ですので、お気軽にご参加ください。

 

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深川で遊ぶなら、水曜日がgood!

2015年05月28日 | まち歩き

昨日(5月27日)ワイフと深川方面に遊びに行った。理由は先週の「アド街ック天国」で、取り上げていた清澄白河のサードウェーブ・コーヒーを飲みたくなったから。さて何故深川方面で遊ぶなら、水曜日が良いか?というと、横十軒川親水公園で、和船の体験乗船ができるからだ。これは伝統技術の保存を目的とする「和船友の会」の方々が、水曜日に無料で約20分間の体験乗船をさせてくれるのだ(第2日曜日も実施。ただし季節により乗船日は変わるので、HPでチェックしてください)

乗船場所は、横十軒川にかかる海砂橋の北側だ。地下鉄東西線東陽町駅から20分歩いたが、バスで「千田」まで行く方法もある。

個人の場合は予約はいらないが、11時半に乗船場に到着した時は、数十名の団体さんの予約が入っていたので、40分ほど待たされる(昼食に行った)。

船はワイフと二人の貸し切り。船頭さんが小唄を歌ってくれたり、伊勢物語の東下りの一節を語ってくれた入りとサービス満点だ。この船頭さん、とっても鯔背(いなせ)な人だった。

後で聞くと「船漕ぎ」を体験したい人には、実際に漕がせてくれる。「竿は3年、櫓は3月」というそうで、真っ直ぐ漕ぐだけなら初めての人でもできるそうだ。今度一人で行って体験してみよう!

下船後はバスで門前仲町へ行き、深川八幡を参詣。

深川八幡から10分ほど北上して、いよいよサードウェーブ・コーヒーの店「ブルーボトル・コーヒー」を目指した。ところが店は横の駐車場まで行列ができる混み具合なので、諦めて、食べログでみたcafe清澄へ行くことにした。Cafe清澄の前まで行きながら、店が見当たらなかったので、横の交番でお巡りさんに聞くと「アド街ック天国、見たのですね。でも今日は休みのようです」との返事。確かに見落とした小さな店にはcloseの札がでていた。

ということでまた暑い道を深川に戻り、深川不動尊の参道にあった喫茶店に入った。こちらは席が空いていてOK。調べていかなかったお店だけれど、雰囲気・コーヒーの味とも中々良かった。後で調べるとMonz Cafeというお店だった。

マスコミが喧伝するお店だけが美味しいとは限らない。

和船体験乗船に限れば、深川散策は水曜日がgoodなのだが、流行りの喫茶店の中には水曜日が休みというところがあるようだ。

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