梅雨明けは遠くはないと思いますが。
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欧州委員会のファイナンシャル・サービス・コミッショナーのミッシェル・バルニエ氏が、初めての米国公式訪問を前に記者会見で格付機関に対する疑問を投げかけたとニューヨーク・タイムズは報じている。
バルニエ委員は米国でバーナンキ連銀議長、ガイトナー財務長官、ゴールドマンザックスのブランクフェインCEOらと会談する予定だが、ムーディーズがポルトガルをクレジット・ウオッチに置いたことに対して、米国の格付機関が欧州諸国の格付を行っていることに不満を示した。
先月S&Pがギリシア国債をジャンク・ボンドに格下したことについて欧州諸国のデフォルトリスクを正確に評定しているのかという不満の声が欧州委員会から上がっているが、バルニエ氏の意見はその延長線にあるものだ。同氏は格付機関が少な過ぎてかつ競争がないことが問題だと指摘したが、既存の格付機関を代替するような格付機関が民間の機関か公的機関であるかは今後の課題だと述べている。
ところで格付機関の知能程度についてピムコのビル・グロス氏が次のようなことを書いていた。
「格付機関は知能指数160だが、常識指数(Common Sense Quotient)は60である」
ビル・グロス氏は「投資にはティースプーンほどの高度な知識とテーブルスプーンほどの常識が必要だ」と述べている。テーブルスプーンの方がティースプーンより大きいから、高度な知識より常識の方が大事ということだ。もっとも彼の格付機関批判は、格付機関が財政状況の悪い国のソブリン債務に高い格付をつけていることを批判する文脈の中で述べられていたから、彼がギリシアなどのダウングレードをどう評価しているかは知らないが。
これから格付機関を巡る議論が高まりそうだ。だが格付という作業が将来の債務不履行の可能性を予測するという作業である限り完全なものはあり得ない。過去は必ずしも将来を語らないからだ。
投資家はグロス氏の述べるとおり、常識を高めるしかないのだろう。もっともグロス氏の常識はとてつもなく大きいと思うが。