Virtuous cycleは「好循環」という意味だ。イディオムではないが、現在の日本の状況を説明する英語という意味で取り上げた。
WSJに次の一文が出ていた。
Jobs creation is a linchipin for what Mr. Abe calls a "virtuous cycle" in which income growth spurs consumption, which then lifts corporate profits and spending.
雇用創造は安倍首相が「好循環」と呼ぶサイクル、つまり所得の伸びが消費を刺激し、それが企業の利益と支出を高めるというサイクルのかなめである。
先週金曜日に厚生労働省が発表した雇用統計によると、有効求人倍率は1.09倍。100人の求職者に対して仕事が109あるという状態だ。これは1992年6月以降で一番高い数字だ。
RBS証券に西岡チーフ・エコノミストによると、消費税引き上げの圧力は予想の範囲で、海外経済が相対的に安定していることや、安倍内閣の法人税を30%以下に引き下げるという決定などは企業が雇用を増やす上で「心地よい風」になっていると言う。
人手不足は消費者として感じることが増えてきた。昨日昼に大手町で食事をしてその後コーヒーを飲んだが、オーダーした料理がテキパキと運ばれてこない。スタッフの数がかなり少ないように思われた。
労働需給がひっ迫し、生産能力の余剰感が減ってくると企業は商品・サービスの価格を上昇させることを試みる。
消費者の目でみると、企業は商品本体の価格を引き上げる前に以前は無料で提供していたサービス(配送・取り付けなど)を細かく見直し、実質的な値上げを図っていると思われるケースに気が付く。
雇用改善が人件費の上昇につながり、それが消費を拡大し、経済が好循環に移ることは基本的に好ましい。だがその好循環のサイクルに入ることができない人がいる。それは収入がインフレにあまり連動しない人である。具体的には年金生活者である。
今の年金受給者は将来の年金受給者より相当得をしている、と言われているから我慢しなければならないことかもしれないが。