金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

今年後半の米国株は下落後上昇?

2021年06月30日 | 投資
 今日(6月30日)は今年の前半戦の最終日だ。金曜日の雇用統計を控えて株式先物市場は小動きなのでおそらく今日は小動きで終わるだろう。
 そうすると今年前半のインデックスはS&P500が14%上昇、ダウとナスダックは12%上昇で終了するだろう。
 過去の統計データでは年の前半の株価上昇率が二桁だった場合通年で株価上昇率がマイナスになったことはないというから年末の株価は年初を上回ると予測するのは妥当だろう。
 一方CNBCは調査会社CFRAの「今回の株価上昇トレンドが長過ぎて平均的な下落サイクルを超えているのでいずれ下落するだろう」という予想を紹介していた。
 CFRAによると「5%以上S&P500が下落してから次の5%以上の下落までの平均日数は178日」(1945年以降のデータ)という。前回5%以上の下落があったのは昨年9月なので既に275日が経過している。つまり大きな株価下落が起きていないので市場に歪がたまり大きな下落が起きるという予想だ。
CFRAによると第二次大戦以降96回の5%以上の株価下落が起きていて、そのうち60回はPullback(5%~9.9%の株価下落)、23回がCorrection(10%~19.9%の株価下落)、13回がBear market(20%以上の株価下落)ということだ。
 相場である限り必ず下落は起きるので今回も一度は5%を超える下落が起きると考えるのは当然だ。ただ過去を見ると700日以上大きな下落なしに相場が推移したこともあるので年内に大きな下落が起きるという保証はない。
 ただ遠くない将来にPullback(一時的な株価の下落)が起きて買い遅れた投資家がそこで相場に入ってきて相場の裾野が広がる方が健全だと思う。
 よって私は年末までに一度は株価の大幅下落が起きるだろうが年を通じては株価はプラスで終わるだろうという予想を立ててみた。いや予想というのはおこがましく希望的観測に過ぎないのだが。
 
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Facebook、時価総額1兆ドルクラブ入り。GAFAMはどこまで伸びる?

2021年06月30日 | 投資
 先日フェイスブックが独禁法訴訟で勝訴したことで同社株は買い優勢になり、同社時価総額は1兆ドルを超えた。
 フェイスブックはアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベットに次いで5番目に1兆ドルクラブ入りを果たした。
 1兆ドルクラブの上に2兆ドルクラブがあるが、このメンバーはアップルとマイクロソフトだけだ。
 次はどこが2兆ドルクラブ入りするか?というのも投資家の大きな関心事だ。
 フェイスブックの勝訴でIT大手の規制リスクに対する懸念が少し後退したかもしれない。
 CNBCはGAFAMの今後1年間の株価上昇に対するアナリスト予想の平均を発表していた。
 アップル16.6%、マイクロソフト10.2%、アマゾン24.1%、アルファベット13.6%、フェイスブック8.9%である。
 この株価予想によればアマゾンは1年以内に2兆ドルクラブ入りし、アルファベットもかなり2兆ドルクラブに近づく。
 アマゾン恐るべしだ。
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より幸せになるお金の使い方

2021年06月29日 | ライフプランニングファイル
 このところ相場はあまり方向感がない感じ。今週金曜日の雇用統計を見てインフレや金融政策の方向を判断しようというところだろう。
 こんな時はお金を儲けることを考えるよりお金を有効に活かすことを考えるのも一興だろう。
 CNBCにHere are 5 ways to spend money that can actually make you happierという記事が出ていた。Happy Moneyという金融技術会社の主任科学オフィサーのElizabeth Dunn博士という人のコメントだ。
 Dunn博士は「昨日もコーヒーショップでラテを買っていたから今日も買うという様に我々の消費は習慣的なものが多い。しかし我々は立ち止まってその支出が自分を幸せにするかどうか考えるべきだ」と述べる。

 消費大国アメリカ生まれの言葉だと思うが、リテール・セラピーRetail therapyという言葉がある。買い物をする時幸せを感じるという理論だ。最近の調査によるとアメリカ人の1/3はリテール・セラピーにはまっている。リテール・セラピーにはまっている人の34%は頻繁に買い物をすると言い、約51%の人は予算がないと言っている。
 しかしDunn博士は買い物は瞬間的に幸福感を高めるけれど長続きはしないと言い、より幸せになる5つの賢いお金の使い方を提示している。
【体験にお金を使う】 Buy experiences
 調査によるとモノを買うより体験にお金を払う方がより幸福を感じる傾向がある。なぜなら体験の方がより自意識に結びついているからである。
 くわえて体験は人々のつながりを高める傾向がある。特にコロナウイルス禍の後、人とのつながりを復活させることが幸福感につながる可能性が高い。
【歓待する】Make it a treat
 人にちょっとしたものをあげたり、食事に招くことは幸福感を高める。
 ★   ★   ★
 私事だが家内は近所の奥さん達(未亡人の方が多い)を月に一回程度自宅にランチに招待している。招待といっても皆さん一皿二皿料理を持ち寄っているので場の提供程度の話だが。ランチの後夕方まで談笑しているので幸せだな、と感じる次第。
【時間を買う】Buy time
 日常生活の中で自由な時間を作り出すためにお金を使う。具体的にはお掃除代行人や家事手伝いを雇って家事を代行してもらう。
★   ★   ★
人を雇う以外にお掃除ロボットを買ったり、全自動〇〇に買い換えるのも時間を買う方法の一つだ。
【今買って後から消費する】Pay now, consume later
 将来の体験のための先払いは、楽しみに対する期待感を高める。アメリカでは人気のクルーズ旅行などを1年前から予約することが流行っていた(コロナの前は)。先行予約は割引を受けられるので金銭面のメリットも享受することができる。そして大型のレジャーイベントに合わせて、仕事や生活のスケジュールを立てたり、観光情報の収集を行うことができる。
【他人に投資する】Invest in others
 Dunn博士は「人々は自分を利するためにお金を使うより他人を利するためにお金を使う時により幸福を感じることを我々は発見した」と述べている。
 慈善寄付をした時清々しい気分を覚えるのはこのためだろう。
★    ★    ★
 ワクチン効果でアメリカでは消費が戻りつつある。何せ買い物で幸せを感じる人が多い国だから。だがひょっとすると少しはDunn博士が提唱する方向に人々の消費傾向は動くかもしれない。
 また省資源や省エネルギーと消費を結び付けて考える時代にもなっている。自分と社会にとって賢いお金の使い方をすることでより幸福感を得られる社会に近づいていくかもしれない。
 
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目下のところ先行き暗そうな近くのマルエツのScan&Go

2021年06月27日 | デジタル・インターネット
 Scan&Goとはユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)が開発したスマホ決済システムです。自分のスマートフォンにScan&Goアプリをあらかじめダウンロードしておき、導入店舗で購入する商品のバーコードを読み取り、レジを通さずに決済する仕組みです。決済はあらかじめ登録したクレジットカードかPayPaybで行います。
 自宅から400mほどのところにScan&Goを導入したマルエツがあり、たまに買い物に行くことがあるので好奇心から使ってみることにしました。
 店舗の入り口にはScan&Goのポスターが貼ってあります。ここで立ち上げたアプリからポスターのQRコードを読み取ります。
 と簡単に書きましたが実は私はQRコードを読み取らずにいきなり商品のバーコード読み取りをトライしたのですが、スキャンができません。そこで近くの店員さんに聞いて店舗QRコード読み取りに戻った次第です。
 買い物が終了するとレジカウンター近くのスマートフォン読み取り機にアプリに現れたバーコードをかざして決済に進もうとしたのですが進みません。
 また店員さんを呼んで見てもらったところ缶酎ハイが入っていたので、店員による確認が必要だったということでした。
 ということで漸くScan&Goによる買い物を終了することができました。
 以下このマルエツ店舗におけるScap&Goが普及するかどうかを判断してみましょう。
  • 結論からいうとこの店舗ではScan&Goが普及することはありません。理由は当該店舗の主な顧客は近くの公営住宅に住む高齢者でスマートフォンの使い方にそれほど習熟した人はほとんどいないからです。実際私は何度かマルエツに買い物に行きましたがScan&Goを使っている人を見かけたことは一度もありません。また店舗も「本部の方から言われているのでポスターは貼っている」程度の取り組み具合でまったくScan&Go決済を拡販しようとはしていません。
  • スマートフォンを使って消費者が商品を自分でスキャンし、レジを通さずにキャッシュレス決済で買い物をする方法には2つの方法があります。一つはこのScan&Goのように自分のスマートフォンを使って買い物を行う方法でこれが究極の形です。もう一つはイオンで導入している「レジゴー」方式です。これは店舗が貸し出す専用スマートフォンを使って商品をスキャンし決済を済ませる方法です。イオンの場合は「レジゴー」を決済のスマート化の一つと位置付け消費者サポート体制も整えていますので利用者は少しづつ増えていると思います。イオンは将来的には顧客のスマートフォンによる買い物と決済つまりScan&Go方式を目指しているはずですが、2つの決済方法の間には少しギャップがあると思います。イオンがどのようにそのギャップを埋めていくのか興味がありますね。
  • ところで「自分のスマートフォンで購入する商品をスキャンし、電子マネーで決済する」というのは、スマートフォンの持っている幾つかの機能を使いこなす必要があるという点で私はスマートフォン中級者レベル以上のスキルがいると思います。
  • まずPlayストア等からアプリをダウンロードして、本人登録をする必要があります。本人登録に続いてクレジットカードかPayPay口座を登録する必要があります。次に買い物する商品をスキャンする作業が入ります。買い物が終わるとスマートフォンのQRコードを無人レジ機に読み取らせ決済する必要があります。なおScan&Goは紙のレシートは出力されません。レシートが欲しい人はScan&Goアプリからレシートを登録しているメールアカウントに送れ、という指示を出すとレシートが送られてきます。
  • スマートフォンを使うセルフレジの最大のメリットはレジ待ちの時間をなくし迅速に買い物を終えるとことにあります。ただし自宅の近くのマルエツの場合それほど混んでいることは多くありませんので、元々レジ待ちに大きな不満はないと思います。Scan&Goを導入するメリットを感じる消費者はほとんどいないのではないかと私は思います。もしスーパー等小売店が人手不足対策などのためスマートフォン決済を促進しようとするのであれば「かなり思い切ったポイント還元」のようなインセンティブと「専門スタッフによる導入支援」という支援策が必要でしょうね。そして重要なことは顧客層をプロファイルして地域毎に導入方針を立てることだと思います。
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米PCE価格指数予想通り、S&P500高値更新

2021年06月26日 | 投資
 昨日発表された5月のPCE(個人消費支出)価格指数は前年同月比3.4%上昇した。連銀が政策決定上重視しているこの物価指数は1990年代前半以降では最速の上昇幅を見せたが、アナリストの事前予想通りだった。
 5月のコア価格指数の上昇率は0.5%で事前予想の0.6%より低かった。これらのことから統計データは連銀の「物価上昇は一時的なもの」という判断をサポートすると判断され、株価は全体的に続伸した。
 S&P500は0.3%上昇して4,280.70ポイントで終了し高値を更新した。
 相場を押し上げたのは金融株で、連銀が銀行業界はシビアな景気後退に容易に対処できるだろうと発表したことが好感された。
 そんな中市場参加者の関心事は早くも今年後半のパフォーマンスに移っている様だ。来週の後半には後半戦が始まるからだ。
 来週前半で大きな動きがないとすれば、S&P500は年初来15%程度の上昇率で後半に入っていく(昨日時点で年初来15.6%上昇)。
 昨日の終値4,280ポイントは既に年初にアナリストが予想した年末の指数の平均値4,276ポイントを少し上回っている。
 アナリストの中にはS&P500は年末までに4,500ポイントをつけに行くと予想する人もでてきている。ただその後4,100ポイントまで後退するだろうという予想だが。
 私には年末の株価予想はできないが、後半の株価上昇ペースは鈍化すると考えておくのが常識的判断だと思う。
 ところで来週金曜日には早くも重要な指標が控えている。それは6月の雇用統計だ。市場予想では6月の非農業部門雇用者増は700千人で5月の実績559千人を上回っている。
 雇用者増の数字だけでなく、採用難が賃金上昇圧力になっているかどうかなど見るべきところが多い発表になるだろう。
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