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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

組織の壁よりも登るべきものが人生にはある

2015年12月31日 | ライフプランニングファイル

今月下旬のかぐらスキーには珍しく同じ大学山岳部の仲間3人で出かけました。NさんとYさんです。Yさんはまもなく55歳になり、役職定年を迎え子会社に転籍するとのことでした。「責任ある立場を離れるのでもっと遊ぶことができます」とYさんは言います。本当のところはもう少し責任ある仕事を続けたかったのかもしれませんが、会社員の宿命ですからそのように割り切るのが良いと思います。

「人生には組織の壁よりももっと登るべきものがあり、世渡りよりももっと渡るべき素晴らしいものがある」と私は考えています。

10年後輩のYさんと私は別の銀行に入ったのですが、二つの銀行が合併した結果今では2人は同じ銀行のOBです。

さてその銀行で少し前に「トップクラスの役員が部下の部長を殴り、それが問題となり役員を辞任し子会社に転籍する」ということがあったそうです。

組織の壁を登り、登った地位を守るというプロセスの中で、人は往々にして謙虚さを忘れ、踏み越えてはいけないOBラインを越えてしまうという一例かもしれません。

年金基金など人様のお金を運用する信託銀行では、投資対象の会社のコンプライアンス(法令遵守)体制やガバナンス(企業統治)体制をチェックし、それらに問題のある先を敬遠するようになっています。その銀行においてコンプライアンスやガバナンス以前の問題が起きたことは残念なことです。

この出来事の背景を知りませんし詮索する気もありませんが、私は会社員は「組織の壁よりももっと登るべきものが人生にはある」ということを考えていればこのようなことは起きなかったのではないか?と思っています。

「登るべきもの」は人それぞれです。私の場合は単純明快に登るべきものは「山」なのですが、高尚な人は「人の道」とか「芸術の高み」と考えるかもしれません。

ついでに言えば「人の世よりも渡るべきものが人生にはある」とも私は考えています。これまた私の場合は単純明快に渡るべきものは「黒部源流などの沢や雪の尾瀬ヶ原のような大雪原」なのですが、人によっては「古典の海」などを上げるかもしれませんね。

「無刀取り」を編み出し、剣聖と言われた柳生石舟斎に「兵法の舵を取ても世の海を渡りかねたる石の船かな」という歌があります。剣聖と言われた石舟斎も戦国末期は群雄に圧迫され、柳生の里に逼塞せざるを得ませんでした。柳生家が将軍家指南役として活躍するのは、石舟斎の次男・但馬守宗矩の時代からです。宗矩の剣の腕前は遠く石舟斎には及びませんでしたが、世渡りは上手だったのですね。

退職後に長いシニアライフが待っているこれからの時代。

組織の壁を登ることに汲々とし、世渡りに神経をすり減らして会社生活を送っていると、本当に登るべきものや渡るべきものを見失う可能性があります。無論アウトドアライフを楽しんできたYさんにそれの懸念はありませんが。

 

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2015年ベスト写真集

2015年12月31日 | 写真

今日は大晦日。2015年最後の日です。家の大掃除はしませんが、パソコンの中は少し整理しようと考えています。まず無駄な写真は捨てることから始めました。今年撮った写真を観ていると、気に入った写真もあったので、自作ベスト写真を選んでみました。

まず1月の金峰山山頂の写真です。五丈岩がアルペン的な雰囲気を出しています。

次は4月の八甲田山です。箒場岱ルートを滑った時の写真です。もう一度滑りたい無立木の大斜面でした。

ゴールデンウィークには乗鞍岳を登りました。春スキーのメッカですが、今回は山仲間と歩いて登りました。空の青さが良いですね。

6月には九州の由布岳・大船山・久住山を登りました。写真は由布岳の頂上下岩場です。

ミヤマキリシマで有名な九重連峰ですが、今年のツツジは不作でした虫に食われて不作でした。それでも大船山ではきれいなミヤマキリシマを見ることができました。

九州本土最高峰の中岳から坊がつる、遠く由布岳まで見ることができました。

アジサイを撮りに昭和記念公園に出かけました。

奥秩父の乾徳山で岩稜歩きのトレーニングをしたのも良い思い出です。

夏には2年続けて西吾妻山へ。登山前日に白布温泉の名旅館・西屋に泊まって、白布大滝を見に行きました。

夏は水ですね。水と言えば近くにも美しい風景があります。写真は自宅から自転車で10分ほどの落合川源流です。

夏には数組の熟年カップルとカナダ・バンフに旅行しました。北米の大きな山火事の煙がバンフの空を覆い余り良い写真を撮れなかったのが残念でした。

写真はキャスケードマウンティンです。

コロンビア氷河末端の流れです。

神代植物園には何回か行きました。ダリアの花の蜜を吸う蝶々をくっきり撮ることができました。来年の課題は自然の中で昆虫や野鳥を美しく撮ることです。

北アルプス3大急登の一つブナ立尾根を登って黒部源流の山々を北ノ股岳まで歩いたのも良い思い出です。

写真は烏帽子岳。

黒部五郎岳のカールに朝日がさし山が輝いています。

北ノ股岳から飛越新道の降りは長い道でした。広大で素晴らしい景色ですが、再び訪れることはないかもしれません。山は一期一会です。

巻機山ヌクビ沢も楽しい登山でした。滝に向かうとオールドクライマーの血が騒ぎました。

清水から清水峠を越えて土合まで昔の国道を歩いたのも良いハイキングでした。

最後は昨日登った甲武信岳山頂からの富士山とご来光です。

奥秩父の金峰山に始まり、甲武信岳に終わった1年でした。

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仕事は楽しく遊びは真剣に~今年最後の山は甲武信岳へ

2015年12月30日 | 

週末の「かぐらスキー」の後、月曜日は顧問先の納会に顔を出し、昨日(12月29日)今日(30日)と奥秩父の甲武信岳(2,475m)に今年最後の登山。

12月29日 午前5時40分にマイカーで自宅を発ち、7時30分に塩山駅で名古屋から来たSさんをピックアップ。8時10分頃西沢渓谷入り口駐車場に到着。

天気は良く、例年に比べて雪は極端に少ない。8時49分「徳ちゃん新道」取り付き到着。

しばらくカラマツ林の緩い道をたどると、急な登りが始まった。このルートは標高差1,400m弱を登る中々のハードコースである。

11時30分休憩を取り、ふと振り返ると富士山と広瀬湖がきれいに見えた。

そこから5分ほど登ると「近丸新道」分岐に到着。11時35分だった。西沢渓谷から甲武信岳に登る一般道は「徳ちゃん新道」と「近丸新道」だが、近丸新道は整備状況が良くなく、徳ちゃん新道が使われている。分岐点を過ぎると漸く雪が出てきた。

積雪は10㎝程度だが、凍っているのでアイゼンを着けた。

14時15分主稜線到着。木賊山(2,468m)到着14時20分。木賊山山頂は眺望がないが、少し甲武信岳側に降ると甲武信岳がよく見えた。

14時35分甲武信小屋到着。一泊二食で8,600円。通常の夕食はカレーライスだそうだが、この日は小屋の支援者の方々?が猪肉や野菜を持ち込んで頂いたので、豪華な鍋を頂くことができた。

ファミリーな感じの良い小屋だが難点は寒いこと。ストーブを焚いても、火の周りから離れると寒い。外気温はマイナス11度(午後7時ごろ)だった。

12月30日 快晴 5時起床。5時30分朝食。6時20分ヘッドランプを着けて甲武信岳頂上に向かった。頂上直下の露岩の上でご来光を待つ。

富士山が神々しい。

午前7時9分漸く雲海の中から太陽が顔を出した。

頂上を往復して小屋に戻り、すぐ下山開始。7時20分だった。

帰路は木賊山を越えずトラバース道をたどり、7時46分に戸渡尾根分岐到着。9時6分「近丸新道」分岐到着。11時44分徳ちゃん新道登山口。11時52分駐車場到着。

車で「はやぶさ温泉」を目指した(正確にはその前に「座忘の湯」に行ったが「今は日帰り入浴はしていません」と断られた。昔「釜の沢」を登った後、ここで一風呂浴びた記憶があったのだが)が、年末年始は休業とのこと。スマートフォンで調べて、車を「大菩薩の湯」に回した。

大菩薩の湯はぬるめでゆったりとつかることができた。

★    ★    ★

西沢渓谷からの甲武信岳は中々登りごたえのあるルートだ。甲武信小屋で宿泊者たちと「どのルートがハードか?」などと意見交換をしたが、徳ちゃん新道は、北アルプス3大急登の合戦尾根やブナ立尾根に匹敵するという声が上がった。私も同意見である。

★    ★    ★

今回の服装は、上半身は下着はミズノのプレサーモ、ミドルレイヤーはモンベルのフリース、アウターはモンベルのソフトシェルとゴアテックスのハードシェルを気温によって着かえながら登った。早朝の頂上アタックでは、撮影待ちも考えてダウンジャケットを着こんだ。

下半身は厚手のフリースのタイツに普通の登山ズボンで、アウターを着る必要は感じなかった。手袋は厚手の毛糸の手袋を使用したが、早朝の登山やカメラワークで素手になった後は指先の冷たさに難渋した。歳をとると血の巡りが悪くなるので、冬のアウトドアスポーツは辛い。

アイゼンは雪が少なくても、標高2千メートル以上では着装。ストックは必要だがピッケルは不要である。

★    ★    ★

今年の山は正月の金峰山に始まり、甲武信岳で終わった。冬山登山は安全な秩父山系の山とはいえ、寒さと荷物が重くなるので、夏山よりは相当厳しい。なぜそんな苦労をして冬山に登るのか?と問われれば「それが真剣な遊びだから」としか答えようがない。

 

 

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初滑りの「かぐら」は超満員でした

2015年12月28日 | スポーツ

12月26日(土曜日)山の会の仲間と「かぐらスキー場」に1泊2日で出かけました。暖冬でオープン前のスキー場が多い中、上越方面でフルオープンしているのは「かぐらスキー場」だけなので、予想されたことですが、超満員でした。

1日目の土曜日は快晴。ロープウエイ下の宿「みつまたロッジ」で着かえて、正午過ぎにロープウエイに乗りました。「スキー場でまずランチ」と考えていたのですが、和田小屋を始め、総てのレストランが満席でした。待っているのも馬鹿々々しいので、空腹を抱えて数本滑り、昼ご飯を食べたのは2時過ぎでした。

 リフト終了の4時45分ギリギリまで滑りました。

ゲレンデには照明がつき始めました。

ところがロープウエイ乗り場には、長蛇の列。

サービスの終わったレストランの中で1時間半近く待って漸く下山しました。

午後7時みつまたロッジで豪華な夕食。ロッジは1泊2食で8,100円。ロープウエイ乗り場に近いし、食事は美味しくお手頃な値段の宿です。宿の方の対応も素晴らしい。強いて難点を上げるとお風呂が少し狭いことです。

なおロッジでリフト券や帰りの日帰り温泉の入浴券を買うとそれぞれの窓口で買うより安く買うことができます。

2日目は朝から雪。昨夜から降り続いた雪が50cmほど積もっています。この日も多くの人がロープウエイ乗り場に並んでいます。ロープウエイ・ゴンドラを乗り継いでかぐらのメインエリアに到着。早い時間なのでまだ空いていました。

大好きなジャイアントコースを1本滑りました。ここはかぐらスキー場では、2番目にタフなコースです。春には大きなコブができるところですが、この日はまだ大きなコブはできず、小さなコブに新雪がたっぷりのっていました。

雪が軽いので、ショートターンが決まり快適ですが、視界が悪いので余り大胆に突っ込むことはできません。

つづいてかぐらテクニカルコースを1本。ここも非圧雪の急斜面。短いけれど面白いコースでした。

11時にゲレンデ中ほどのレストラン「シュプール」で、ティーブレイクをして、下山に向かいました。

帰りのロープウエイで乗員さんに聞くと土曜日のスキー来場客は5,600人に達したとのこと。これは近年希な来客数だったということです。

ロープウェイ1台の乗員数は100名で、ロープウェイは1時間に12回の頻度で運転しましたから、全員を運ぶのに4時間半かかった計算になります。

帰りは湯沢駅に近い「駒の湯」で汗を流し、蕎麦処「しんばし」で蕎麦とビールで打ち上げをしました。

仲間のYさんが痛風でビールが飲めないので、車旅では珍しくビールにありつくことができました。

Yさんはまもなく55歳になり、ライン職を外れるので、これからはスキーに行く時間が増えるということです。

スキー仲間が増えて楽しくなります。

 

 

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年末に「事業計画書」、一歩進めてライフプランニングファイルの作成を

2015年12月25日 | ライフプランニングファイル

昨日(12月24日)の日経新聞電子版に、経済コラムニストの大江英樹さんが「退職者こそ、年末に『事業計画書』をつくろう」という小文を寄せていました。要旨は「退職者こそ来年1年間で何をやろうか、何をやりたいかをスケジュール化するべきだ」ということです。

スケジュール化することのメリットは「惰性に流されない」「活動のモチベーションが維持される」「長期的に進むべき方向が見えてくる」ことだと大江さんは言います。

私もこの提案に賛成です。そして付け加えるなら、事業計画書をライフプランニングファイルまで広げることができればもっと良いと考えています。

私が提唱しているライフプランニングファイルは、概ね3つの部分で構成されています。第一は「資産・負債・各種取引」「交友関係」を可視化した部分です。年賀状をやり取りするお正月は、交友関係をエクセルファイルのようなデータベースで整理し、残しておく良い機会です。

また2-3月は確定申告の時期ですから、その機会に金融取引の可視化を図っておくのも良いと思います。

事業というものは、現在保有している資産(金融資産・スキル・交友関係など)をベースに組み立てるものですから、事業計画の前に資産を棚卸しておくことは良いことだと思います。

次に「将来の家計の収支分析」を行ってみましょう。この時私は大切なことが二つあると思います。一つは「支出見積はインフレ率を加味して見積もる」ということと「自宅の改修費など資本的支出は少し多めに見積もる」ことです。

経験上改修時には欲がでて、どうしても腹積もりより費用が多くなる傾向があるからです。また今後公的年金のマクロ経済スライド制により、物価は上昇しても、年金の上昇はそれ程見込むことはできないでしょうから、現在の生活水準を維持しようと思うと、インフレ率を加味した収支予想が必要だと私は思っています。

こうしてかなり長期的な収支予想をたてた上で、単年度の「事業計画」を立てていきます。この時のポイントについて大事なことは、「スケジュールを具体化する」ことと「一緒に行動する人とスケジュールを共有する」ことだ、と私は考えています。

スケジュール化について私はグーグルカレンダーを使っていますが、グーグルカレンダーを使うことで、幾つかのグループとスケジュールの共有を図っています。

スケジュールの具体化のメリットは、旅行の場合、早割などを使って安いチケットを得られることに加え、幾つかのイベントをつなぐことでストーリーが生まれることです。例えば旅行する時にあるテーマを持って旅行するなどです。

複数年にまたがるテーマを持って「中期事業計画」を作ることができれば、さらに素晴らしいと考えています。言うは易く行うは難し、ですが。

★    ★    ★

最近出版した電子本

「インフレ時代の人生設計術」 B00UA2T3VK

「海外トレッキングで役に立つ80の英語」

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/

「英語の慣用表現集」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LMU9SQE/

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