今日(2月28日)の読売新聞朝刊のトップ記事は「婚外子は相続半分」見直しかだった。民法900条4号は「非嫡出子の相続分は、嫡出子の2分の1とする」と規定しているが、この規定が「法の下の平等」を定めた憲法に違反するかどうか争われた裁判が最高裁大法廷に回付された。
記事によると親子問題に詳しい棚村早稲田大学教授は「主要先進国で非嫡出子への差別を残しているのは日本だけ。責任がない子どもに不利益を課す規定は廃止されるべきだ」と述べている。
この記事を読んで「あっ、そうか。日本は遅れているのか?」と思われる方もいるかもしれない。しかし記事にはでていない重要なポイントがある。それは日本は非嫡出子の比率が非常に低いということだ。
Wikipediaの資料で先進国の非嫡出子の割合を見てみると、ここ30年弱の間に各国の非嫡出子の割合は急増している。スェーデンはアイスランドについてで非嫡出子の割合が高い国で1980年の比率は40%で2007年には55%に達している。2007年で非嫡出子が5割を超えている国はノルウェー54%、フランス50%などだ。米国については1980年には18%だった非嫡出子の割合は2007年には40%に増えている。これらの諸国に較べて日本の非嫡出子の割合は1980年が1%で2007年でも2%に過ぎない。
非嫡出子の比率が5割を超える国で婚外子の相続権を嫡出子のそれより不利とする法律が廃止されたのは当然のなりゆきとして、非嫡出子の割合が非常に少ない日本でただちに「非嫡出子を差別しているのは日本だけ」と叫ぶのは法制度や社会慣行に照らしてどうかな?と私は考えている(最終的な法改正への賛成反対は別として)
例えばここ30年弱で急速に非嫡出子の比率が増えたフランスの場合、婚姻制度が厳格で一度結婚すると離婚することが非常に困難なので結婚以外のアレンジメントを選択する人が増え非嫡出子が増えたという話を聞いたことがある。
ところで今アレンジメントarrangementと書いた。アレンジメントとは「用意・協定」などの意味だが、最近は結婚問題等に関してはliving arrangementという使われ方をする。ピューリサーチのレポートの中にOther adult living arrangements?including cohabitation, single-person households という文章があった。「他の(法的な婚姻以外)のリビング・アレンジメント~あえて日本語を当てはめるなら「生活形態」か?~同棲、単独世帯を含めて」という意味だ。
欧米では急速な生活形態の変化で非嫡出子を普遍的なものとなり、その結果法的地位が向上したと考えるべきだ。ちなみに米国で非嫡出子に対する差別が違憲とされだしたのは1970年代初期のことだ。
ところで英語で嫡出子のことをLegitimacyという。Legitimacyには合法性・正当性という意味がある。非嫡出子のことは否定の意味の接頭詞ilをつけてIllegitimacyというが、最近ではこの表現は非常に少なくなり、extramarital childとかlove childと呼ぶそうだ。新聞のタイトルが「非嫡出子は相続半分」ではなく「婚外子は相続半分」というのは世界のトレンドと整合していたようだ。
「1500をめぐる攻防」と聞いてピンとくる人は、米国株に関心を払っている人だ。一昨日は支持線と思われていた1500ポイントを切ってしまったS&P500だが、昨日は19.05ポイント(1.27%)上昇し1,519.99ポイントとなった。昨日の東京市場はS&P500(ETF)の買い場だ、と思ったが動けなかった。為替が92円少々であれば買っておいて損はなかったのあろうが。
各国の株価指標には、支持線とか抵抗線というものがあるようにも見える。たとえばインドのSensex指数には20,000ポイントという壁があるようで、一時頭を出してもすぐ落ちてしまう(ちなみに昨日の終値は19,152ポイント)
米国株が躍進した理由の一つはバーナンキ議長の前日に続く議会証言で「連銀は成長を促進し、失業率を低下させるために金利低下を目指して債券を買い続ける」の繰り返したことだ。
発表された指標も良かった。1月の既存住宅販売数が過去3年の最高値に近づいたことや国防関係を除く耐久財受注が6.3%増と2011年12月以降最高の伸びを示したことが好感された。
懸念材料のイタリアについては国債利回りが0.5%程上昇したが、市場が警戒水域と判断している5%以下だったことが好感されたようだ。
中期的な相場観を述べればS&P500は多少のfluctuate(不規則な変動)はあるものの、1500ポイントを下値抵抗線にさらに上昇を目指すと私は考えている。「投資とは目先の相場の変動に耐えて長期的なリターンをあげることだ」という原則が試される時が来ている。
2年前に買って最近はよく山に連れて行っていたソニーのミラーレス一眼Nex5が2週間ほど前突然動かなくなった。ヨドバシカメラ経由でメーカーに修理見積もりを依頼したところ、5万円以上かかるという話だった。数カ所腐食しているところがあるので、パーツの全面的な交換になる、ということだ。2年しか使っていないのに壊れるとは・・・・という気もするし、一方相当乱暴に扱ってきたので、やはり壊れたか・・・という気もする。
乱暴に扱った、というのは温度差の激しい内外の山を持ち歩き、カメラの内部に結露を招いたのではないか?ということである。またヒマラヤトレッキングでは細かい砂の粒子が内部に侵入した可能性もある。
私は自宅ではカメラ・レンズは除湿機付の専用ケースに入れているが、山では割りと乱暴に扱ってきた。それでも何台かのオリンパス一眼レフ(高級機のE3ではない)は黙って耐えていてくれたが、Nex5は故障してしまった。たまたまの巡りあわせか、ソニーのミラーレスは結露に弱いのかは知らないが、2年前のカメラを5万円も出して直す理由はない。その値段を出すと新しいカメラを買うことができるからだ。
レンズが2本残っているのと、ネットでの評判が良いので、Nexの後継機種を買おうと考えてヨドバシカメラに出かけた。Nexの中級以上の後継機種には5,6,7の3タイプがあるが、まよわず6を選んだ。5と6を較べて6を選んだ理由はファインダー(電子)があることだ。明るい野外では液晶モニターは見えないことがあるので、私にはファインダーは必須だった。6と7で6を選んだ理由は二つあった。7の方がやや高級(例えば撮像画素数が24百万画素vs16百万画素)で値段が高いが、大きな印画紙に焼き付けることはなく、ネットでの利用が中心だから7はオーバースペックである。一方6には7にない機能としてwifi転送機能がある。どこまで使えるかは分からないが、面白い機能ではある。
以上のようなことからNex-6を選んだ次第だ。
少し触ってみると2年間でNexは随分進化したと思った。フォーカスについては精度優先のコントラスト検出方式と速度優先の位相差検出方式をミックスさせた。またデジカメの苦手な明暗の大きな被写体の写真を一度のシャッターで複数の写真を撮り合成させるような撮影を自動で行う「プレミアムおまかせオート」も山や古い社寺の撮影では使ってみたい機能だ。
触った感じでは大きなモードダイヤルが使い良さそうだ。
しかし山に連れて行くとなると、結露を初めカメラを痛めるリスクは高い。できるだけ温度差を少なくするように布製バックに入れて使うなど工夫をしてみよう。それでも短命が怖いので、ヨドバシカメラの1年保証に入っておいた。
私のブログのエントリーの中でチョコチョコと検索エンジン経由で閲覧される記事が「雪山登山に必要な道具は?」という記事だ。
試しにgoogleの検索エンジンに「雪山 道具」と入力して、検索して頂くと山岳ガイドさんなどのエントリーを押さえて私の記事が検索ページの最初のページのかなり上の方にきていることが分かると思う。というようなことを書いたが自慢するつもりではない。インターネットの情報を頼りに雪山登山準備を進める方のために、雪山のリスクと危険対策装備についても述べておく必要がある、と感じだ次第だ。
装備として「滅多に使わないけれど万一の場合は必要」というものをどの程度用意するか?ということが一つのポイントだ。万全を期して重たい装備を担ぐと、こんどはそのことが負担になりリスクとなるので、必要最小限の絞り込みは難しい。具体例を一つ紹介すると今週末、北八ヶ岳の高見石方面に入り、天気が良い場合は天狗岳に登ろうと考えているが、緊急用の装備として以下のものを携行する予定だ。
左から「ツエルト」「ガスコンロ」「ゾンテ」「補助ロープ」「シャベル」である。なおロープは他のメンバーが持参するので私は持参しない予定だ。「シャベル」はテント泊や雪洞泊では必携だが、今回のような小屋泊りでは一般に不要である。ただし万一ビバークするような事態が発生したり、雪崩に巻き込まれた場合には強力な味方になる。ゾンテは雪崩に巻き込まれた仲間を探す時に使う。幸いなことに私は今まで使ったことがない。新雪を滑る山スキーでは必須だ、と思うが高見石ではなくても良いと考えている。
北八ヶ岳の小屋泊りで必要な緊急装備は「ツエルト」「ガスコンロ(写真にはないが小型コッヘルも」が必須で、シャベルとゾンテは状況次第。またビーコン(雪崩対策の電波発信機)は今回の仲間は持っていないので持参せず、というところだ。