監督・脚本・出演 マイケル・ムーア
ドキュメンタリーの真骨頂は、映し出されている対象が怒って「本音」をいってしまうところにある。そういう意味では「ボウリング・フォー・コロンバイン」がやはり一番おもしろかった。チャールトン・ヘストンが「本音」をもらしますからねえ。でも、もういまではマイケル・ムーアが有名人になりすぎて、だれも「本音」を語らない。あ、アメリカの経済政策に反対する議員は別ですけれどね。
アメリカの議員が選挙を控えて右往左往し、それに乗じて金融機関を救済する法案が通った--ということをきちんと描いている点がこの映画の白眉だけれど、ここでもなんといえばいいのか、「悪人」が「本音」を語るシーンが出てこない。
そうすると、それがどんなに「正論」であっても、あまりおもしろくない。教科書どおりの批判になってしまう。「正義」の大演説になってしまう。「正義」の主張は主張でいいのだけれど、とても残念。
まあ、無理なんでしょうけれどね。
マイケル・ムーアの映画で「本音」をいってしまうことは、「本心」を暴かれること--につながる。「観客」に叩かれる材料を提供するだけになるからね。それは、まずい。もう、みんなが警戒している。
とてもがんばっている作品なのだけれど、がんばってもがんばっても、「敵」に声がとどかない。いや、声はとどいているのだけれど、その反応、「敵」の声を引き出せない。これでは、やっぱり、おもしろくない。
これをどう破っていくか--これが大きな課題だな。映画だけではなく、資本主義批判をするときの大前提として、どうやって「巨額の富」を得た人間を庶民の「場」を引きずり出すかという工夫が必要なんだろうなあ。現実の大衆に取り囲まれないかぎり、つまり、「声」が映画でとどけられるというような間接的な状態では、金持ちは痛くも痒くもないだろうなあ。つかいきれないほどの金があるんだから。金を稼ぐ必要はないんだから。うーん。もどかしさが残る映画だなあ。
ドキュメンタリーの真骨頂は、映し出されている対象が怒って「本音」をいってしまうところにある。そういう意味では「ボウリング・フォー・コロンバイン」がやはり一番おもしろかった。チャールトン・ヘストンが「本音」をもらしますからねえ。でも、もういまではマイケル・ムーアが有名人になりすぎて、だれも「本音」を語らない。あ、アメリカの経済政策に反対する議員は別ですけれどね。
アメリカの議員が選挙を控えて右往左往し、それに乗じて金融機関を救済する法案が通った--ということをきちんと描いている点がこの映画の白眉だけれど、ここでもなんといえばいいのか、「悪人」が「本音」を語るシーンが出てこない。
そうすると、それがどんなに「正論」であっても、あまりおもしろくない。教科書どおりの批判になってしまう。「正義」の大演説になってしまう。「正義」の主張は主張でいいのだけれど、とても残念。
まあ、無理なんでしょうけれどね。
マイケル・ムーアの映画で「本音」をいってしまうことは、「本心」を暴かれること--につながる。「観客」に叩かれる材料を提供するだけになるからね。それは、まずい。もう、みんなが警戒している。
とてもがんばっている作品なのだけれど、がんばってもがんばっても、「敵」に声がとどかない。いや、声はとどいているのだけれど、その反応、「敵」の声を引き出せない。これでは、やっぱり、おもしろくない。
これをどう破っていくか--これが大きな課題だな。映画だけではなく、資本主義批判をするときの大前提として、どうやって「巨額の富」を得た人間を庶民の「場」を引きずり出すかという工夫が必要なんだろうなあ。現実の大衆に取り囲まれないかぎり、つまり、「声」が映画でとどけられるというような間接的な状態では、金持ちは痛くも痒くもないだろうなあ。つかいきれないほどの金があるんだから。金を稼ぐ必要はないんだから。うーん。もどかしさが残る映画だなあ。
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