詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

小池会見、変だなあ。

2020-03-30 22:12:12 | 自民党憲法改正草案を読む
小池会見、変だなあ。(フェイスブックからの転写)

緊急会見というけれど、どこが「緊急」なんだろうか。

夜間営業の店でクラスターが発生する可能性があるから、夜間の行動を自粛するように、ということが目的だとすると、別に8時からでなくてもよさそうだし、30分も遅れた理由もわからない。

具体的に何人が夜間営業の店に関係しているという数字もなかった。
さらに「夜間の外出自粛」なら、すでに読売新聞の夕刊(西部版・4版)に「夜間外出を自粛するよう、都民に要請している」と書いてある。
なぜ、わざわざ?

簡単に考えると、会見内容(発表内容)で調整していたのだと思う。

さらに奇妙なのは、小池が途中で東京五輪の日程について語ったことだ。

私の感覚では、いまは、そういうことを語る時期ではないと思う。特にいま言う必要もない。

これは逆に言うと、東京五輪の日程を語ることで、話題を少しごまかそうとしたのではないか、ということ。

記者も、まさか五輪の話が出ると思っていなかったからなのか、どうして五輪の話をするのかという質問もなかった。(と、思う。ちょっとゴミだしへ行っていたので、完全に聞いたわけではない。)

いったい、何を隠しているのかなあ。

五輪の話をするとき、安倍の名前が出てこなかったけれど、それもどうしなのかなあ。

安倍とどういう話をして、今回の会見になったのか。

そこに「秘密」がありそうだ。

*

小池会見の怪(その2)

ポイントは
①会見が予告の8時ではなく、大幅に遅れた
②きょうの感染者増加(13人だったっけ?)が少なかった
③少なかった理由を、昨日が日曜で検査件数が少なかったと語ったこと。

これは、きょう(月曜の検査数)が大幅に増えて、きっと明日の感染者数が急増することを意味する。
さらに、それを「暗示」するかのように、今後は「定時発表」に切り換えるといったこと。

ここから推測するに。
小池は、「東京封鎖」まで踏み込んだ発言をしたかった。
あす、感染者が急増するのがわかっているから。
しかし、事前に安倍と打ち合わせをしたとき、安倍が「それはまずい。数字が少なくなっている段階で、そういうことをしたらこれまで感染者数を政府がおさえてきたことがばれてしまう」と押しとどめたのだ。
さらに「緊急事態宣言」を出すなら、それは安倍の仕事であって、都知事の仕事ではない、と主張したのだろう。

その「余韻」のようなものがあって、小池は、最初、五輪の日程を言いそびれた。(安倍の馬鹿野郎、と思っていたのかもしれない。)
で、いったん自分の発言が終わって、他の人のことばを聞いている内に「五輪」を思い出して、追加したのだ。

それにしても、「緊急事態宣言」をどうしようかと苦悩しているときに、1年先の五輪の日程なんて、都民をばかにしている。

あした発表になる東京都内の感染者数は、きっと100人を超えるだろう。
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「医療崩壊」ということばのうさんくささ

2020-03-30 16:29:43 | 自民党憲法改正草案を読む
「医療崩壊」ということばのうさんくささ
       自民党憲法改正草案を読む/番外330(情報の読み方)

「緊急事態宣言を出してほしい」日本医師会が会見、医療崩壊に危機感
「緊急事態宣言を出していただき、それに基づいて対応する時期ではないか」と提案。

 というニュースをネットで読んだ。(https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e817d91c5b66149226a148e?ncid=other_facebook_eucluwzme5k&utm_campaign=share_facebook&fbclid=IwAR1jn_ZsqdxswyPIZ3R2ISZOd4ssh6Lcfkx1eU9Pq7hkHMNw02wGZ0X8yfE)
 新型コロナウィルスが拡大すると同時に、「医療崩壊」ということばがあふれるようになった。
 患者が殺到すると「医療の現場が崩壊する。適正な診療ができなくなる」ことを指して言うらしい。
 私はこのことばを聞くたびに怒りが込み上げる。

 おかしいだろう。
 国民の健康が「崩壊」している。「健康崩壊」が起きている。だから、国民は医療に頼る。健康を取り戻したいと願う。国民の健康を守るために医療があるのであって、金稼ぎのために医療があるのではないだろう。
 もちろん医療をとおして金を稼ぐなとはいわない。
 しかし「医療崩壊」が起きて、金を稼げなくなるから、患者に医療機関に押しかけるなというのは、あまりにも身勝手ではないだろうか。
 「医療崩壊」が起きるのは、患者が医療機関に押しかけるからではない。
 患者が押しかけることが予想されるのに、その準備をとらないからだ。
 新型コロナウィルスの場合、中国で感染が拡大した、武漢が都市閉鎖をしたという段階で、日本でも同じことが起きうるということは想像できた。想像できた段階で、病院を増設しろ(隔離病床を確保しろ)、人工呼吸器を増設しろ、新型コロナ感染者とその他の患者を分離するシステムを作れ、というような要求を医療機関はすべきだし、国はそういう指示を各自治体に出すと同時に、そのための支援をすべきだろう。

 いったい国と、医療機関は何をしていたのか。新型コロナウィルスの危険性が大々的に言われるようになったのは1月下旬だ。それから2か月もたっている。その間、国と医療機関は何をしたのか。

 患者が増えそうだ、「緊急事態宣言」が必要だ。「医療崩壊」を防げ、というのはあまりにも国民の「健康崩壊」を無視している。

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延期は金がかかる

2020-03-30 10:08:16 | 自民党憲法改正草案を読む
延期は金がかかる
       自民党憲法改正草案を読む/番外329(情報の読み方)

 2020年03月30日の読売新聞(西部版・14版)の3面(13S版)。

五輪延期 負担駆け引き/会場や人件費増大 数千億円?

 という見出しがでかでかと出ている。
 この時期に、まだ五輪のことを言う。しかも、問題にしているのは「金」だ。
 延期などするから金がかかるのだ。やめてしまえば、もう金はかからない。投資した金が無駄になるというのかもしれないが、つくった施設はつかえるだろう。整備した道路は役に立つだろう。選手村だって分譲住宅として売れるだろう。無駄ではなく、ちゃんと「利益」を生み出している。どうして、その「利益」を計算してみないのか。「利益」があるなら、もう充分ではないか。
 延期すれば、延期期間に金がかかるのは当然のことである。延期しておいて、延期に金がかかる、というのでは話にならない。これから「駆け引き」するのではなく、最初にだれが負担するか決めてから「延期」するかどうか決めないといけない。手順が逆だ。
 だいたい「いつ」開催できるのか。
 新型コロナは「1年」で終息するのか。
 その問題が先だろう。

 延期すれば金がかかる。
 これは五輪だけではない。新型コロナ対策もそうだ。
 クルーズ船が入港したとき、きちんと全員を検査し、その過程で検査体制を確立しておけば、いまごろあわてなくてすんだのだ。世界に対しても新型コロナの危険性を周知させることができ、いまのような混乱を招かなかったかもしれない。
 やれることはすぐにやる、やめるとなったらすぐにやめる。
 クルーズ船のとき、すぐに全員検査をし、隔離のための病院を建設し、感染者を隔離し、人工呼吸器もそろえ、治療に対応していたら、新型コロナはそこで終わっていたかもしれない。試行錯誤がつづいたにしろ、何が必要かもその段階でわかり、知識として共有できたはずだ。
 それをしないで、いまごろになって、

人工呼吸器 増産要請へ/政府 重症者急増に備え(1面の見出し)

 というようなことをやっている。
 なぜいままで「増産要請」を「延期」していたのか。
 クルーズ船のとき、すでに「検査を多くすれば医療崩壊が起きるかもしれない」と言われていた。そのとき「医療崩壊」が起きないように、隔離病棟を増やす、病床を増やす、人工呼吸器を増産するということをしておけばよかったのである。クルーズ船以外にも、韓国で集団感染が起きたとき、イタリア、イランで集団感染が発覚したとき、さらにはそれが拡大しEU全体にひろがり、アメリカにもひろがり、とつづいた。
 「準備する/準備に着手する」機会はいくらでもあった。それをなぜ、いままで「延期」していたのか。
 これがさっぱりわからない。
 どんな病気でも、初期に発見し、治療を開始し、重症化しないようにするのが基本だろう。なぜ「治療開始延期策」をとりつづけたのか。「延期」すればするほど、治療開始を遅らせれば遅らせるほど、治療がむずかしくなり、金がかかるようになる。こんなことは、だれにでも予想がつくことだろう。医療の場合、延期は、そのツケがどっと、突然やってくる。

 なんでも「延期」がいちばんむずかしいのだ。そして、「延期」には五輪と同じように金がかかる。しかし、医療の場合、その「金」の動きが五輪ほど明確にはみえない。むしろ、医療開始がはじまるまでは出費がないから「節約」できていると錯覚してしまう。ここに問題がある。
 隔離病棟を造る(隔離ベッドを用意する)、人工呼吸器を用意する。そういう「準備」を「延期」期間にすると、それは「余分な出費」に見えるかもしれないが、実際に拡大が現実になったとき、すぐにつかえるという効果がある。病気が拡大しなかったら無駄になる、と考えるのかもしれないが、そういう無駄は必要な無駄だ。隔離病棟は一般病棟に転用できるし、人工呼吸器が日本で浮遊でも、他の国に提供することができる。

人工呼吸器 増産要請へ/政府 重症者急増に備え

 に対して腹を立てる必要はないが、

五輪延期 負担駆け引き/会場や人件費増大 数千億円?

 とあわせて読むと、腹が立ってくるのである。五輪を中止してしまえば、その「数千億円」を、新型コロナ対策に回せるのではないか。安倍が「ぼくちゃんがいちばん偉い」といいたいがための五輪なんかやめて、コロナ対策に金をつぎ込むときだろう。五輪を中止して(返上して)、そのために予定していた予算を全部新型コロナ対策に回すと安倍が言えば、それこそ「あべちゃん偉い、国民の命をいちばんに考えるひとこそ首相と呼べる」と評価されるだろう。
 私は安倍はまったく評価しないが、それでも、そういうことは言っておきたい。
 安倍が評価されようが評価されまいが、そんなことは人間の命、国民の命にとってはどうでもいい。人間が生き残ることがいちばん大切なのだ。













#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


*

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嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(16)

2020-03-30 09:19:57 | 『嵯峨信之全詩集』を読む

目覚め

わたしも舌の上に立ちつくして
ひどく疲れたから
転り落ちたい

 「舌の上に立ちつくす」とは、語りつづけること。そのことを「疲れた」と嵯峨は書き、さらに「転り落ちたい」とつづける。どこへ? 地上へ、ではない。

咽喉のように
そのまま真直ぐに姿を消したい

 自分の肉体のなかに「消える」。ことばを飲むのだ。でも、これは「目覚め」ではなく、眠りだろう。
 目覚めは眠りのあとにしかやってこないことを嵯峨は自覚している。



*

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