思いつくままに (疑問に思うこと、納得できないこと)
自民党憲法改正草案を読む/番外345(情報の読み方)
2020年05月03日の読売新聞( 西部版・14版) の1面、
コロナ対策「長丁場」に/行動制限「維持すべき」/専門家会議提言
をトップに据えて、二番手に
緊急事態延長1か月程度/首相表明 全国対象、4日に決定
わざわざ「専門家会議の提言」があったから(提言にしたがって)、緊急事態を延長するといったかのように書かれている。しかし「長丁場」の区切りが「1か月程度」になる「根拠」は、私が読んだ限りではどこにも書いていない。だいたい「1か月後」の新たな感染者・死者を何人と想定しているのか。それがぜんぜんわからない。
専門家会議のポイントという箇条書きがあって、その最初に
緊急事態宣言で新規感染者は減少傾向
と書いているが、ほんとうに減少しているのか。26面には
国内 新たに266人感染/東京 3日ぶりに3桁165人
東京は急増している。日々の変化なので変動があるのはあたりまえなのかもしれないが、こんなふうに激変しているときに「減少傾向」といえるのか。さらに、私は見出しにはとっていないが「死者」の数も問題だと思う。
2日午前0時現在、感染者1万5282人、死者499人。死者の割合は3%。日本の死者は、なぜかずーっと2%前後で推移していた。最近3%になったと思う。(概数を暗算しているだけなので、正確ではない。私の印象である。)ヨーロッパの多くの国で10%を超えるのに。日本の医療体制がしっかりしている証拠ととらえていいのかどうか、よくわからない。私は、実は、死者の割合を「2-3%」と想定して、それにあわせて感染者数を操作しているのではないかと疑っている。
東京の感染者数が3日ぶりに増えたのは、死亡率を3%におさえるためではないのか、と疑っている。きのうだけの感染者、死者は499人、30人増加。この割合は6%。もし、東京の感染者が前日のように少なかったら、この割合はもっと高くなり、全体の割合も少しだけれど高くなる。
なぜ、こんなふうに疑うかといえば。3面に、こういう見出し。
感染減少 不十分/「接触8割減」遠く 医療の負担続く
で、その「医療の負担」のことを、記事ではこう書いてある。
人工呼吸器が必要な重症患者は増加傾向だ。患者はいったん入院すると退院まで2~3週間かかり、医療現場の負荷は続く。
「重症患者は増加傾向」と簡単に書いてあるだけで、いま何%なのか、これまで何%だったのか、推移がわからない。いままでは8割は軽症、重症化するのは2割と言われていた。その「想定」ではおさまりきれなくなっているということだろう。さらに重症化したひとの何%が死ぬのか。これも現場では把握できているだろうが、新聞記事にはなっていない。公表されていないということだろう。
どうしたら「想定内」におさめることができるのか、専門家会議でも混乱しているのだろう。「事実」を「事実」として認めてしまえば対策が立てられるだろうが、その「事実」の確認、公表ができない、というところでうろうろしている印象がある。
感染者数だけではなく、検査数、感染率が公表されれば、もう少し実態がわかると思うが、専門家会議も安倍も「実態」を公表したくないのだろう。
だからこそ、「1か月後」の目標数値(たとえば新たな感染者、全国で10人以内、死者0)というものが出せない。
1面の記事にもどると、専門家会議は、感染者をある程度抑え込んだら、行動制限(緊急事態)を緩和する。ただし、再び増加したらまた対策を徹底する(緊急事態宣言をする)というような、いったいいつになったら終わるのかわからないようなことを平気でいっている。
制限解除の目標数、コロナが終息するといえる目標が数値化されていない。
いつの新聞だったか、安倍が「持久戦」ということばをつかっていたと思う。「持久戦」なら「持久戦」らしく、病院を増設する、医療関係者の手当てを増額する、休業補償を徹底する、などの対策をとるべきだろう。
「1か月の延長」は「持久戦」というよりも、何もできないので、ただ我慢しているということにすぎない。
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もう少し書いておく。休校が大きな問題になっている。そして、「9月入学」という案が浮上してきた。2面に
9月入学 論点整理へ/文科省など 来月上旬にも方向性
そんなことを考えるよりも、どうやっていま教育を行うか、児童・生徒・学生の教育を受ける権利を保障するかを考えるべきだろう。9月まで、ほっておくのか。
記事の最後に、こんなことが書いてある。(番号は私がつけた。)
9月入学は、①休校長期化による学力差の解消につながるほか、②欧米などで主流の秋入学に合わせて国際化を図れるというメリットがある。
①なぜ、9月入学なら長期休校による学力差を解消できるのか。休校であろうとなかろうと、自分で勉強する人は自分でする。しない人はしない。9月まで、全員勉強はやめて遊びましょう、とでも呼びかけるのだろうか。変だろう。9月まで登校できないのなら、それまでどうやって勉強の場を確保するか、それを考えないといけない。
②コロナ感染拡大は、グローバル化がひとつの要因。そして、それを防ぐために各国が取ったのは「国境の封鎖」。グローバル化とは逆の動きだ。この動きはコロナ感染が終息しても簡単にはかわらないだろう。「自国中心主義」になる。「国際化」を図るというのは、国際化が世界の主流だったときの政策だろう。
「行動指針」の基準が、どうも現実とはかけ離れている。
「現実」を認識できないから、「目標」も設定できない。知っていることばをつないで、何かを「解決」したつもりになっている。「知らない(知らなかった)」ことが起きている。知っていることばをつなぐのではなく、いま起きていることを「知る」ということろからはじめないといけないのに。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
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