詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy loco por espana(番外篇89)Joaquin Llorens Santa Serie. Mare Nostrum Capri

2020-09-13 19:42:57 | estoy loco por espana


Joaquin Llorens Santa Serie. Mare Nostrum Capri

No puedo estar satisfecho con solo bailar.
Quiero remontarme al cielo.

Grita una ola.
Otra ola es confusa.

?’De do’nde vino tu deseo?
No entiendo lo que estas diciendo.

En japone’s, hay dos verbos, MAU y ODORU.
MAU tan libremente como quieras un pa’jaro.

MAU o convertirse en aire
Convertirse en el viento.

?’De do’nde vino tu deseo?
No quiero dejarte ir.

Siempre quiero danzar contigo y mezclar mi cuerpo.
Como un corazo’n, o como una luz y una sombra.

El mar murmura en voz baja. Yo no lo se’.
?’Cual ola soy realmente yo?

私は踊るだけでは満足できない。
空に舞い上がりたい。

ひとつの波が叫ぶ。
もうひとつの波は困惑する。

君の欲望はどこからきたのか。
君の言っていることがわからない。

日本語には、舞うと踊るとふたつの動詞がある。
舞うは、鳥のように、どこまでも自由に。

舞う、はあるいは空気になってしまうこと、
風になってしまうこと。

君の欲望は、どこからきたのか。
私は君を離したくない。

いつも体を溶け合わせていたい。
ひとつの心のように、あるいは、光と影のように。

海は静かに呟く。私にはわからない。
どの波がほんとうの私なのか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Estoy loco por espana(番外篇88)Javier Messía Reflexion

2020-09-13 18:24:00 | estoy loco por espana


Javier Messía Reflexion

Vivo en la tierra, soy un magma, una llama de sangre roja.
Quiero convertirme en una estrella que atraviesa los cielos.

Soy agua verde. Refleja todo el universo mientras oculta las llamas que fluyen.
Quiero ser un mar profundo que conecte los cielos y la tierra.

Soy una estrella dorada que se rompe por todo el cielo.
Choca contra el mar para producir una estrella roja del fondo del mar.

Oh el sol, ?’ donde estas, el sol?
Que recoge todos los colores y quema.
En el suen’o de la noche
?De que’ color eres ahora?


私は地中に生きるマグマ、赤い血の炎。
いつか天を突き破る星になりたい。

私は緑の水、流動する炎を隠しながら、宇宙すべてを映し出す。
天と地中をつなぐ海になりたい。

私は金色に砕け散る星。
海底から赤い星を生むために、海に墜落する。

太陽よ。
色のすべてを集めて燃える太陽よ。
夜の夢の中で、
いま君は何色なのか。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小川三郎「バス」

2020-09-13 09:06:06 | 詩(雑誌・同人誌)
小川三郎「バス」(「モーアシビ」39、2020年08月30日発行)

 小川三郎「バス」。

故障して
動かなくなったバスが
大通りに停まっている。
バスの中には乗客が
ぎゅうぎゅう詰めになっている。

はやくみんな降りなさいと
警察官に言われても
誰もバスを降りてこない。
乗客同士身体を寄せ合い
文庫本に目を落としたり
じっと宙を見つめたり
眠ったふりをしている。

バスはついさっき故障したのに
車体は錆びつき
タイヤの空気は抜け
窓は曇ってツタが絡まり
型式まで古くなっている。

 あり得ることと、あり得ないことが同時に書かれている。フィクションなのだが、現実であってもいいとも思える。
 なぜだろうか。
 ことばのリズムに無理がないからだ。「間」がいいのだ。「間」の説明はむずかしいが、この小川の詩では「先を急がない」ということ。
 バスが故障して止まる。これは、あり得る。そのバスが満員、というのもあり得る。しかし、そこへ警官がやってきて「みんな降りなさい」とは言うことは現実としてはあり得ないだろう。こういう「あり得ない」という状況へことばが動いていってしまったとき、おうおうにしてことばは急ぎ始める。「あり得ない」を「あり得る」ものとして「証明」しようとする。「論理的」であることを説明しようとことばが急ぎ始める。
 ところが、ここで小川は立ち止まる。いや、引き返す。「文庫本に目を落としたり/じっと宙を見つめたり/眠ったふりをしている。」は故障して立ち往生しているバスの乗客の姿ではない。いまどき文庫本を読んでいる客はいない。スマートホンを見ている客ならいる。引き返し方が、ちょっと「古くさい」のである。
 で、その「古くさい」リズムのまま、バスそのものまで古くなっていく。三連目には、「型式まで古くなっている。」と「古い」ということばまで、しっかり出てくる。リズムをことばで補強している。
 「動かなくなったバス」そのもののように、ことばは動かない。先へ先へと動くのをやめて、「止まる」を選んで、それをリズムそのものにしてしまう。絶対に急がない。突然生まれた「間」を「間」のままにして放置している。
 これを何というか。

社会的常識を持っていただきたいと
警察官は乗客を諭すが
反応する乗客はひとりもいない。
バスが再び走り出すのを
我慢強く待っている。

 「我慢(する)」という。ここに書かれているのは「我慢」の「間」であり、「我慢」のリズムである。警官は「我慢」するとき、「我慢」の内部で動く反抗のようなものである。これがあるから「我慢」になる。警官のことばがなければ「我慢」は生まれない。内部に抵抗があるから「間」が強くなる。
 小川は、もともと「間(リズム)」が非常に正確な詩人だ。この詩では、その秘密を「我慢」ということばで明かしているとも言える。
 誰も指摘してくれないので、じれてしまった?
 まあ、そんなことはないだろうけれど。
 「社会的常識を持っていただきたい」ということばの出し方(間の破り方)がとてもおもしろく、私は笑いだしてしまったが、この詩では、そういう「話術」を広げて見せたということだろう。

乗客が願うことは
ただひとつだけ。
どんなに時代が変わったところで
そのことだけは変わらない。
他人はそれを責めたてるけれど
一度バスに乗ってしまえば
誰もが同じことを願う。

やがて
バスゆっくり発車する。
つぶれたタイヤがいびつに滑るが
客は晴れ晴れとした顔をしている。
警察官はため息をついてあきらめ
パトカーに戻り無線を取る。
人々は視線を逸らして
勤め先や学校へ急ぐ。

バスは斜めに傾きながら
交差点を左に曲がる。
信号機は顔色を変えず
ひとつ向こうの通りを見ている。

 いいなあ、この感じ。




**********************************************************************

★「詩はどこにあるか」オンライン講座★

メール、skypeを使っての「現代詩オンライン講座」です。
メール(宛て先=yachisyuso@gmail.com)で作品を送ってください。
詩への感想、推敲のヒントをメール、skypeでお伝えします。

★メール講座★
随時受け付け。
週1篇、月4篇以内。
料金は1篇(40字×20行以内、1000円)
(20行を超える場合は、40行まで2000円、60行まで3000円、20行ごとに1000円追加)
1週間以内に、講評を返信します。
講評後の、質問などのやりとりは、1回につき500円。

★skype講座★
随時受け付け。ただし、予約制(午後10時-11時が基本)。
週1篇40行以内、月4篇以内。
1回30分、1000円。
メール送信の際、対話希望日、希望時間をお書きください。折り返し、対話可能日をお知らせします。

費用は月末に 1か月分を指定口座(返信の際、お知らせします)に振り込んでください。
作品は、A判サイズのワード文書でお送りください。
少なくとも月1篇は送信してください。


お申し込み・問い合わせは、
yachisyuso@gmail.com


また朝日カルチャーセンター福岡でも、講座を開いています。
毎月第1、第3月曜日13時-14時30分。
〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2-1-1
電話 092-431-7751 / FAX 092-412-8571

**********************************************************************

「詩はどこにあるか」8月号を発売中です。
162ページ、2000円(送料別)
オンデマンド出版です。発注から1週間-10日ほどでお手許に届きます。
リンク先をクリックして、「製本のご注文はこちら」のボタンを押すと、購入フォームが開きます。

https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168079876



オンデマンドで以下の本を発売中です。

(1)詩集『誤読』100ページ。1500円(送料別)
嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で詩を書いています。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072512

(2)評論『中井久夫訳「カヴァフィス全詩集」を読む』396ページ。2500円(送料別)
読売文学賞(翻訳)受賞の中井の訳の魅力を、全編にわたって紹介。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168073009

(3)評論『高橋睦郎「つい昨日のこと」を読む』314ページ。2500円(送料別)
2018年の話題の詩集の全編を批評しています。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168074804


(4)評論『ことばと沈黙、沈黙と音楽』190ページ。2000円(送料別)
『聴くと聞こえる』についての批評をまとめたものです。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168073455

(5)評論『天皇の悲鳴』72ページ。1000円(送料別)
2016年の「象徴としての務め」メッセージにこめられた天皇の真意と、安倍政権の攻防を描く。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977





問い合わせ先 yachisyuso@gmail.com
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする