まず、「ユネスコ文化統計年鑑」が2003(平成15)年に作成した
資料によれば、日本人の海外留学者の総数は2000年の時点で
総勢7万6464名。現在に至るまで大きな変動はないものと
思われる。
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※日本人の留学先
①アメリカ 46.497
②中国 13.806
③イギリス 6.163
④オーストラリア 2.200
⑤ドイツ 2.040
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⑨韓国 613
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計 76.497
(出典:ユネスコ文化統計年鑑・2003年)
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一方、韓国統計庁が21日発表した「2005年・国際人口移動
統計」によれば、韓国では昨年1年間だけで海外留学・研修を
目的とした出国者数が10万人を突破したと言う。留学だけに
限って見ても約6万人と、日本の海外留学者数の総数に
匹敵する数字だ。
△年度別韓国人出国者数、青-留学、オレンジ-研修(データニュース 9/22)
日本に比べ韓国の海外留学者がいかに多いかがわかる。
ソウル新聞の記事では、これを「若者の『脱韓国』現象」と表現
していたが、あながち大げさな表現でもなさそうだ。
深刻な就職難など韓国国内の経済状況の悪化が留学生増加の
大きな要因となっていると見るのが韓国メディアの一般的見方
だが、「脱韓国」の背景はもっと複雑なのではないかというのが
「ヲタク」の見方だ。
もともと、ある程度の資金や経済的余裕がなければ行けない
のが海外留学・研修だ。
「ヲタク」が直接、間接に見聞したケースで考えても、かなりの
大企業に勤めている人が、あっさりと仕事をやめ海外に留学する
などというパターンもけっこう多い。
また、すでにアメリカやカナダ、オーストラリア等に移民している
韓国人が非常に多いが、韓国の親類縁者を中心に移民者を
頼って留学するケースも、かなり多いようだ。逆に韓国系アメリカ人
(アメリカ国籍を持つ韓国人)だけで、韓国国内に10万人近くが
住んでいるとも言われている。兵役逃れの手段としての外国籍
取得を差し引いても、本国と移民者社会の間に国境を超えた
かなり大きな日常的ネットワークが存在していると見てよい。
そうしたネットワークが留学ビジネスを成長させ、韓国人の
海外留学・研修を促進する大きな役割を担っていることは容易に
想像できる。
「ヲタク」は、韓国の急速な経済成長や移民社会との深い
結びつきなども、韓国人の「韓国脱出」を後押ししている大きな
要因だと見ている。また、元来、移民願望を持つ人が多いという
韓国社会の特徴も留学生の急増と決して無縁ではないだろう。
それでは最後に、今日の翻訳練習から一つ。
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■ ‘유학·연수’ 첫 10만 돌파
「留学・研修」出国、初の10万人突破、05年
(ソウル新聞 9月22日)
사교육비 부담과 취업난 등이 겹치면서 향후 우리 경제를
이끌 젊은층의 ‘탈(脱)한국’ 행렬이 가속화되고 있다.
私教育費の負担と就職難などが重なり、これからの韓国経済を
担う若者の間で「脱韓国」現象が加速化している。
지난해 유학·연수를 목적으로 한 출국자는 사상 처음으로
10만명을 돌파했다.
昨年、留学や研修を目的とした出国者数が、史上初めて
10万人を突破した。
-中略-
유학 목적의 출국자는 5만 9942명으로,1년전 5만 2081명보다
15.1% 늘었다. 지난 2003년 6.9%,2004년 4.3% 증가한 것에
견줘 크게 높아진 수치다. 연수 목적의 출국자도 4만
2143명으로 12.9%나 늘어났다. 유학·연수생 가운데 3만
464명이 미국행을 택했으며, 다음으로는 중국이 1만 6865명,
일본 1만 3588명, 캐나다 1만 3481명 등 순이었다.
留学目的の出国者は5万9942名で、前年の5万2081名から
15.1%増加した。2003年(6.9%)、2004年(4.3%)の
増加率に比べ大幅な伸びを示した。研修目的の出国者も4万
2143名で、12.9%も増加した。留学・研修先としてはアメリカが
最も多く3万464名、次いで中国1万6865名、日本1万3588名、
カナダ1万3481名などの順であった。
-略-
(終わり)