惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

キャタピラー

2020-07-03 21:29:33 | ことば

 昼過ぎから降りだしましたが、午前中は外での作業も問題なし。朝はいつものように市民農園へ出かけました。

 ニンジンの葉っぱに、1週間前(6月26日)に書いたのとは別のキアゲハ幼虫。

 前のはもう姿を消し、どこかでサナギになっているものと思います。これも、もうすぐそうなりそう。

 ところで、芋虫や毛虫を英語では「キャタピラー caterpillar」といいますが、これを知った時は不思議な気がしたものでした。
 それより前に、戦車やブルドーザーなどの無限軌道のことを「キャタピラー」と呼ぶことを知っていたからです。

 なぜ芋虫と戦車の足まわりが同じ名詞? という疑問は心に残ったまま、真相を知らずに今日まで来ました。
 で、今日、やっとそのあたりを調べてみて、ちょっとびっくり。「キャタピラー」というのは、普通名詞ではなく、米国の会社の登録商標だったんですね。

 ウィキペディアには次のように書いてあります――

ホルト・マニュファクチャリング社は、1904年に無限軌道を足回りに使用したトラック・タイプ・トラクタ(Track Type Tractor, 履帯式トラクタ)を世界で初めて製品化した企業であり、「キャタピラー」は同社の履帯式トラクタの商標であった。

 このトラクターの動きが芋虫っぽかったので、そう名付けられたとか。
 で、後に、同社と別の会社が一緒になった時、社名を「キャタピラー・トラクター」にしたのだそうです。
 つまり「キャタピラー」は、本来、芋虫のことであり、そのままトラクターの名前になり、製造会社の社名にもなった、ということなんですね。芋虫、大出世!

 ついでに知ったことを記しておけば、英語の「caterpillar」の語源はラテン語の「catta(猫)」と「pilosus(毛深い)」が合わさったもので、「毛深い猫」の意味。どうやら、モジャモジャの毛虫のイメージのようです。


「前広に」

2020-04-29 20:38:50 | ことば

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が長引くなか、いっそ9月入学に制度を変えてしまえば、という意見が出ていますね。今日の衆院予算委員会でも取り上げられ、安倍首相が次のようにコメントしたそうです。

これくらい大きな変化がある中では、前広にさまざまな選択肢を検討したい。

 9月入学についてはさておき、私が気になったのは「前広に」という言葉。聞き覚えがなく、意味がよくわからないのです。
 前向きに? あれこれ見て?

 いつも使う字引き(集英社国語辞典)には項目がありません。家にある古い『広辞苑』(第1版)には次のようにあります――

前広-に【前広に】〔副〕あらかじめ。前以て。

 首相はこの意味で使ったのでしょうか。
 一応、わかった気にはなったのですが……。

 すっきりしないので、ネットで検索してみると、元宮城県知事の浅野史郎さんのサイト『夢らいん』で「官僚の言葉について」という記事がありました。お役人の言葉遣いについて批判的に取り上げておられるのですが、例外的に――

 外交官の使う官庁用語は、一味違う。昭和の出来事であるが、私が在米日本大使館に三年間在籍した間に、その一端を耳にして以来、気に入っている表現がある。ひとつは、「前広に」。「この件について、ご提案がある方は、前広にお知らせください」といった使い方である。「時間的余裕を持って」というぐらいの意味だが、片や九文字、前広になら三文字ですむ。(後略)

 なるほど。霞が関(特に外務省)では「時間的余裕を持って」という意味で使われているのですか。

 では、首相がおっしゃったのは「時間的余裕をもってさまざまな選択肢を検討したい」という意味なのでしょうか。
 9月入学に制度を変更するのに、これから「時間的余裕をもって」とは言いがたいように、私には思えます。あと4か月しかないのですから。

 今のところ、よくわからないままです。この前の、緊急事態宣言の「発出」もそうですが、できるだけ一般に通用する言葉を使ってもらいたいものだと思います。


一月いぬる

2020-01-31 20:46:31 | ことば

 今日で1月はおしまい。速いもんです。

 家の人と「小学校の頃、三学期の朝礼では毎年、校長先生が、一月は行く、二月は逃げる、三月は去る、と言ってたね~」と、昔話をしました。
 ただ、私の記憶では「一月はいぬる」と先生は言ってたように思います。私の生まれ育った町では、家の人の故郷に比べ、方言の使い方がはなはだしかったのかも。

 古くは「一月往ぬる、二月逃げる、三月去る」といったようですね。ただし、「一月」「二月」「三月」はそれぞれ「いちげつ」「にげつ」「さんげつ」と読むらしい。

 「往ぬる」は、古語では「去る」という意味の連体詞とされてますが、私の育った土地では「帰る」という意味の動詞でした。
 「えっ! もう往んだかえ?(おや、もう帰ったの?)」といった感じ。その場から立ち去って、いなくなったというニュアンスです。
 「帰る」には「到着した」という意味もありますが、「往ぬる」にはそれがなく「帰ってしまってその場にいない」という意味合いです。

 そういう意味で「一月は往ぬる」というのは、私にはぴったりした言葉でした。

 告知が間遠になりましたが、「ベストSF2019」投票募集中です。どうぞよろしく。


ユニクロ金具

2020-01-17 20:47:47 | ことば

 ベランダの作物は今日もなにごともありませんでした。よかった。

 ところで、ベランダには太陽光パネルを1枚、設置しています。木枠を組み、ベランダの手摺りも利用して、季節や時間に応じて仰角を調整するようにしました。
 交差する可動部分は、角材に穴をあけて組み合わせ、穴にはボルトを通してあります。しかし、長年(9年になります)使っているうちに、木部の穴が拡大し、ボルトが外れそうになりました。

 角材を金具で補強して穴が大きくならないようにできないかと思い、ホームセンターに行くと。たいしたものですねえ、用途にぴったりのスティール製補助金具がありました。さっそく買って来て、木枠を修繕。

 ところで、この金具のラベルには「補助金具ユニクロ」という表記があるんですよね。ユニクロ?

 衣料品チェーンの「ユニクロ」は「ユニーククローゼット」の略だと聞きましたが、金具のユニクロは何を意味しているのでしょうか?

 調べてみると、三和メッキ工業の「めっきQ&A」のページにわかりやすく書かれていました。
 もともとはアメリカの United Cromium 社が開発したメッキの商品名だったと書いてあります。「ユナイテッド・クローム」が「ユニクロ」に。
 具体的には、亜鉛メッキのクロメート処理のうち、光沢クロメートを「ユニクロまたはユニクローム」と称しているとか。

 メッキ処理のしかただったんですね。
 役立たせてもらってます。ありがとうございます。


「米店」

2019-11-15 21:20:13 | ことば

 夕方、自転車で国領のお米屋さんへ。

 畑の肥料や堆肥の発酵用に使う米糠が欲しかったのです。持参したポリ袋いっぱいに入れてもらって、約2キロ。200円でした。
 これでタマネギ畑の用意ができます。

 ところで、行ったお店の名は「関口米店」というのですが、この「米店」という言葉は、私の国語辞典(集英社)には載っていません。「米屋」ならあるのですが。
 ちなみに、ネットで「米店」の読み方を調べると「こめみせ」のみがヒットします。普通は「こめてん」と読むと思うのですが、なぜでしょう?
 ヒマがある時に調べてみようかな。