惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

第69回日本伝統工芸展

2022-09-16 21:32:15 | アート・文化

 午後、日本橋三越に出かけ「第69回日本伝統工芸展」鑑賞。

 この時期のいちばんの楽しみです。日本全国の伝統工芸作家の新作が見られる(タダで!)。眼にも心にも心地よく、豊かな気分になれます。

 毎年、会場にたくさん並ぶ工芸作品を眺めるたびに「日本もたいしたものだ」と思わずにはいられません。こうやって精緻な美しいものをつくり、しかもそれが暮らしに活かされている。すごいじゃないですか。
 どの作品も美術品として見ると同時に、これを生活の一場面で使うとしたら、どこでどんなふうに、と考える。自分のところでそれが可能ではないにしても、どこかで使われるのだと思うと、それだけでうれしいのです。

 ところで、ここに来るたびにわからなくなってしまうことが。

 それは「茶注」と「急須」。どこがどうちがうのか。今回はさらに「茶銚(ちゃちょう)」などというものまで入ってきて、混乱に拍車をかけてくれました。似たような作品にそれぞれ「茶注」「急須」「茶銚」と名がついているのです。

 どれもお茶を淹れる道具。金属製だったり、焼きものだったりします。
 調べるとどうやら「茶注」と「茶銚」は同じように使われるらしい。つまり「茶を淹れる道具」。
 急須は、江戸時代に日本で独自に発達した道具で、持つ手が横にあるのが特徴だといっていいらしい。

 でも、あとひとつまだわからないことが。

 「茶注」の読み方なんですが、「ちゃつぎ」と読むべきだと学び、そう呼ぶことにしていたのですが、今日、会場で見た作品には「ちゃちゅう」とルビが振ってありました。
 「ちゃちゅう」でいいの?


立秋

2022-08-07 21:31:38 | アート・文化

 また暑さがもどって来ましたよ、という今日。最高気温 32.6℃(隣町アメダス)。
 皮肉にも立秋なんですね。
 ここ数日の涼しさは秋の先取りだったのか。

 ベランダの緑のカーテンのゴーヤの実。

 しっかり色づき、もうすぐ破裂しそう。そうなる前に採りました。
 ここまで熟れたら来年用の種子がとれそう。

 午前中はまだそんなに暑くなかったので、畑仕事を頑張りました。
 長ネギに土寄せしたり、いづれ作付けするキャベツの畝を立てたり。

 暑くなってきた午後は市の文化会館へ。町の「日本舞踊連盟」の勉強会。
 家の人も「準会員」として参加しています(「正会員」はお師匠さんがた。「研修生」という経歴の浅い人たちもいます)。
 踊りも良いものですが、今回は講習会特別企画として「舞台衣装の〝引き抜き〟お見せします」という講座と実演があり、これがとても楽しかった。

 歌舞伎などを見ていると、舞台の上で何やらごそごそやっているかと思ったら、あっという間に別の着物になる「早変わり」に出くわすことがありますね。あれが〝引き抜き〟なんだそうです。
 その仕組みを、着付けの段階から見せてくれて、さて、本番の舞台はどうなるか、という催し。
 着付けの人、踊り手、後見という黒子役、それぞれの見事な仕事ぶりがあっての技だと、よくわかりました。プロの技術は素晴らしい。


ユズキカズ『ヤナギホールで会おう』出版記念展

2022-03-31 21:10:05 | アート・文化

 午後、バイクで都心に出て南青山のビリケンギャラリーへ。
 マンガ家ユズキカズさんのスケッチやイラストなど60点あまり(かな?)がギャラリーの壁に展示されているほか、スケッチブックから取り出したままの絵がファイルされているのをじっくり見ることができるのも素晴らしい。もちろん新刊『ヤナギホールで会おう』も売られています。

 このユニークなマンガ家さんを知ったのは、1980年代に発行されていた〈COMICばく〉というマンガ雑誌にて。
 市井の人々の日常を描いた作品ばかりですが、肉感的で無防備な感じの女性やおませな子どもたちの描写が実に魅力的。黒いインキの線でびっしりと描き込まれた背景も良いんです。その作家さんの原画や、人物のスケッチが見られたのは何より。

 本を購入したら特典のカードのほかに南伸坊さんの描いたネコのカードまでいただいてしまった。ニンマリして、ほんの少しパラつく中を帰宅。
 この展覧会は4月10日(日)まで。月・火は休廊だそうです。


「描くひと 谷口ジロー展」

2022-02-25 21:14:16 | アート・文化

 ウクライナでのプーチン政権の暴虐をどうやって止めるか。なんとかして前途に希望のもてる方向にもってゆかねば。
 といって、個人に何ができるのか、暗澹たる気分になるばかりですが……。

 そんな中で注目したのは、ハフポスト日本版のこのニュース。フィギュアスケートのメドベージェワさんらロシアの著名人が戦争反対を表明しているというのです。
 同じような声をロシア中に! そして全世界に!
 指導者が勝手なことができないよう、声をあげること。プーチン大統領が本当に怖れているのは、ウクライナがNATOやEUに加盟することより、民主的体制が足もとに及ぶことなのかもしれません。今回の暴挙がロシア国民の良識に火をつけ、そうした運動を呼び起こすことを願っています。

 今日は、午後、世田谷文学館へ出かけて「描くひと 谷口ジロー展」を見てきました。『「坊っちゃん」の時代』や『歩くひと』、『孤独のグルメ』などで知られるマンガ家ですね。

 くっきりした描線で細部まで描き込まれたひとコマ、ひとコマの見事なこと。
 人物も、背景も、登場する動物、植物、石ころのひとつひとつにまで神経が行き届いています。見ていて溜め息が出てきます。

 ダイナミックな動きのシーンは、極めて速い「シャッタースピード」で切り取られ、時間が止まっているかのよう。それでいて前後の動きが圧倒的につたわってきます。すごい迫力。
 一方、ご自分のテーマとしていたと思われる、日常のさりげない時間や光景を愛でるおだやかな視線にもほっとします。

 類例のないマンガ家でした。69歳で早世したのが惜しまれます。

 会場に設けられた漱石先生の書斎で記念撮影させてもらいました。

 会期は終了が迫っています。今月27日(日曜)まで。


音楽祭

2021-07-04 20:15:45 | アート・文化

 1週間前に始まった我が市の音楽祭も今日が最終日。
 わけあって、午後に文化会館大ホールで催された「キッズコンサート 加羽沢美濃 presents ジブリとディズニー音楽&絵本よみきかせコンサート」に足を運びました。

 ピアニストで作曲家の加羽沢さんの演奏とおしゃべりで子供も楽しめる曲を中心にした1時間。
 プログラム中の「絵本よみきかせ」で、家の人が、神沢利子作・井上洋介絵の『くまの子ウーフ~おかわさんおめでとう』の朗読を担当したのです。これを見逃し/聞き逃しするわけにはまいりません。

 首尾は上々。安心して楽しめる舞台になっていました。「関係者」としてもうれしい限り。
 たまにこういう機会かあるのもいいかなと、内心、思ったことでした。

 それにしてもコロナ禍のもとでのリアル音楽祭。観客の入退場など、ずいぶんと気を遣った運営をなさっていました。ほかにもさまざまな苦労があったはず。
 来年は思いっきり弾けたいものですね。