惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

幕尻優勝

2020-01-27 20:52:07 | 相撲

 昨夜、ビデオ録画で見た大相撲初場所千秋楽。
 幕尻優勝を果たした徳勝龍関の優勝インタビューに感激しました。

 「場所中、1敗を守っていた時、優勝を意識していましたか?」の問いに、「いや、意識することなく――」と言いかけて、「実をいうと、めっちゃ意識していました」と笑顔を見せたかと思うと、出身大学である近畿大学相撲部の伊東勝人監督が亡くなったことに話が及ぶと、絶句して涙ぐんだり。笑いあり涙ありの起伏に富んだ受け答えでした。徳勝龍関は誠実で温かみのある人柄なんだなあと感じました。

 結びの一番は、大関対幕尻という異例の取り組み。横綱不在となったので、文字どおり、幕内番付のトップとビリとがぶつかり合ったのです。
 そして、大関貴景勝を寄り切りで破った瞬間、徳勝龍関の顔が歪み、涙が溢れ出した場面も印象的でした。ずっと勝負に集中していた緊張が解け、内面の感情に身をまかせたんでしょうねえ。力士の真髄を見ました。

 今場所の後半、徳勝龍関の決まり手は「突き落とし」が目立ちました。特に10日目から14日目までは、5日間連続で突き落としでの勝利。
 見ていて、相手を倒すというより勝ちを拾うような相撲だなと感じていましたが、これはこれで、関取の得意技なんですね。
 千秋楽は左を差し、右上手をとる「左四つ」での強い相撲。この取り口は亡くなった北の湖さんに教示されたものだとか。
 憎らしいほど強かった横綱北の湖を思わせるような土俵を、これからも見せて欲しいものです。


九州場所千秋楽

2018-11-26 21:30:17 | 相撲

 昨日の大相撲九州場所千秋楽。

 貴景勝が自分の相撲をつらぬいて優勝したのが立派でした。
 お父さんが怖い人で、NHKの「サンデースポーツ」にビデオメッセージを寄せ、「初場所でそれなりの成績が残せなければ、(普段言っていることは)ウソつきだということです」と言っていました。
 これを聞いた貴景勝関は「普段はもっと優しいのに、相撲のこととなると……」と苦笑しながら、「来場所はそんなにうまくゆかないかもしれないけれど、普段やっていることを、淡々と、自分の相撲を取りたいと思います」と言っていました(記憶が正確でないかもしれません)。

 取り組みでもっとも印象的だったのは、高安と御嶽海との相撲。
 御嶽海がすくい投げで高安を破りましたが、投げられた高安がしばらく土俵から起き上がろうとせず、怪我でもしたのではないかと心配になったほど。負けたことの無念さを噛みしめていたのではないでしょうか。
 その後、起き上がると、助けようと差し出した御嶽海の手をポンポンと2度叩きました。それを見て、こちらも万感迫る想い。
 相手を讃える気持ちだったのでしょうが、同時に、優勝決定戦に進めなかった自分の不甲斐なさや、力を尽くした場所が終わったことの確認といった意味があったのだと思います。

 横綱が不在となり、寂しいはずの場所を、貴景勝や高安、それに錦木などがよく盛り上げてくれました。途中休場の稀勢の里には横綱審議委員会から「激励」も出て、若手らの活躍への期待も含め、来場所が楽しみになってきました。
 あと、十両に返り咲き11勝4敗の好成績を上げた豊ノ島関にも「おめでとう」を言わなくては。これからも頑張ってください!


休場

2018-11-15 21:14:40 | 相撲

 《「ガーナのよさこい」が話題! 投稿者に話をきいてみた》

 これ、私もツイッターで動画を見て、「いいね」しました。
 色々なところに、色々なつながりがあって、面白いなあ。

 横綱・稀勢の里は師匠の田子ノ浦親方に「このままでは終われない。チャンスをください」と言って、休場を願い出たとか。

 もしかしたらこのまま引退してしまうのではないかと危惧していたので、ひとまずは安心しました。しかし、それにしても残念な今場所のありさま。
 1人横綱の重責が大きかったと思います。勝利への意欲が上半身の力みになってしまい、足の運びがついていってなかったんじゃないでしょうか。
 もう1人でも横綱が出場していれば、ずいぶん違ったでしょうにねえ。

 それにしても、生真面目で不器用なお相撲さん。だからこそ、応援していたりするんですが……。


横綱相撲

2018-09-18 21:21:28 | 相撲

 一日遅れの話題になりますが、昨日の横綱・白鵬の相撲は見ものでした。

 対御嶽海戦。
 御嶽海はうまく立ち合い、左の上手をしっかり引きつけて低い体勢をに持ち込みました。白鵬は上手がとれず、半身で体が立っています。不利な形。

 そんな組み手になって間もなく、白鵬が御嶽海の肩越しに相手の足の位置を見やりました。あまり見ない光景です。
 何なんだろうなぁと思っていたら、しばらくしてわかりました。

 御嶽海は有利な体勢を維持したまま、攻撃のきっかけを待っています。白鵬は、不利な形なので、無理に仕掛けることはできません。
 動かないなぁ、長くなるのかなと思っていたら、白鵬が右足を軽く上げ、御嶽海の左ふくらはぎをちょんと突っつきました。

 白鵬が仕掛けてきたと思ったのでしょう、御嶽海は攻撃に出ます。
 応じる白鵬は流れの中で投げを見せて御嶽海の上手を切り、自分の形をつくりつつ、そのまま寄り切りました。

 白鵬が御嶽海のふくらはぎを突っついたのは、動きを誘うためだったんですね。肩越しに足の位置を確かめたのは、その準備だったといえそうです。

 余裕というか、自在な取り口というか、相手を翻弄する見事な技。
 やられた御嶽海は悔しかったんでしょうねえ。支度部屋に引き上げても、取材陣に背を向け、口をきこうとしなかったそうです。


横綱休場

2018-01-19 20:57:43 | 相撲

 大相撲初場所。白鵬につづいて稀勢の里も休場。
 どちらも怪我が理由ですが、それよりも、相撲内容がちぐはぐになっていたことが気になります。

 白鵬の場合は、張り手を禁じられた結果、立ち合いのリズムが狂っていました。
 褒められたことではないとはいえ、彼の張り手はルーチンのようになっていて、それなしでは鋭い立ち合いができなくなっていたと思えます。横綱らしくないクセを身につけたのが良くなかったけれど、ルール違反ではないので、もうちょっとうまい経過措置がとれなかったものか。

 稀勢の里は怪我で長く土俵を離れていたため、相撲勘が戻らないように見えました。
 立ち合い、姿勢を低くしなければという意識はあって、少しの間は保てるのですが、対戦するうちに勝負への焦りから腰が前へ出て、立ち腰になり重心が高くなってしまう。すると相手の技を食いやすくなる。
 稽古場の稽古だけでなく、本場所の勝負を重ねることで、相撲勘は戻ってくるのでしょうから、休場してもどうなることかと心配しています。

 大相撲が世代交代の時期を迎えていることは確かで、若手の楽しみな力士が増えてきました。
 とはいえ、まだまだ両横綱には頑張ってもらいたい。来場所での再起を願っています。