お昼過ぎ、NHK・FMで「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」がかかっていました。歌手は越路吹雪。
はて、自分が聞きなれたのはどの歌手のものだったっけ? と考えました。この歌は色々な人が歌っているのです。
やはり西田佐知子かなあ。日野てる子のも聞いていたような気がする。
と、少し調べていたら、この楽曲が盗作だとして裁判沙汰になっていたことを知りました。
ウィキペディアにワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件として項目が立っています。
訴えたのはアメリカの音楽出版社、レミック・ミュージック・コーポレーション。同社が管理する「夢破れし並木道」に類似すると主張し、最高裁までいったものの、盗作に当たらずという判断が確定したそうです。
「夢破れし並木道 Boulevard of Broken Dreams 」は1934年のアメリカ映画『ムーランルージュ』の挿入曲。どんな曲だったか探索するうちにYouTubeの動画に行きあたりました。
踊り子たちの群舞が圧倒的に素晴らしい。美しくて、エロティックで。
9分近くあり、途中で役者のやりとりが挟まりますが、とにかくステージが見事。うっとりします。
で、曲ですが、これは確かによく似ています。
「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」は、作詞作曲ともに鈴木道明(すずき・どうめい)さん。西田佐知子の「赤坂の夜は更けて」や日野てる子「夏の日の想い出」(どちらも詩:曲とも鈴木道明)を送りだした優れたソングライターです。
「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」が出来たいきさつを、安倍寧さんが書いています→ブログ「好奇心をポケットに入れて」。
安倍さんが道明さんから聞いた話によれば、小雨がけぶるたそがれ時にハンドルを握っていて、突然、メロディーと詞とが「自然に湧いてきた」のだそうです。
その時、道明さんの記憶の底に「夢破れし並木道」がなかったかどうか。
もちろん、かりにあったとしても、この場合、盗作でないことは、判決が示したとおりです。