芝

　今日も寒い。なんだか体調がおかしいような気がするのは、気温のせいか。それとも、風邪？

　今日の野の花は、たぶん、シバ。
　イネ科の雑草は見分けが難しくてよく分かりませんが、これは間違いないのではないでしょうか。

　黒い花序から白い花がこぼれているのが綺麗です。白いのは、たぶんオシベの先っぽ（葯）。

　古くから日本にある雑草で、「野芝」「大芝」「地芝」などといった呼び方もされるそうです。
　万葉集にも一首ありました。

立ちかはり古き都となりぬれば道の芝草長く生ひにけり

　田辺福麿の歌。「かつてと変わり、旧都となってしまったので、道の芝も長く伸びてしまっていることだよ」というくらいの意味でしょうか。
　天平年間、５年ほど奈良から恭仁（くに）へ都が移されたことがあり、その間に荒れてしまった奈良を悲しんで作った歌だそうです。長歌の後に添えられた２つの反歌のうちの１つ。

　奈良には芝が多いんでしょうね。吉永小百合さんのヒット曲（？）「奈良の春日野」にも「青芝に腰を下ろせば鹿の糞」とありました。