私の出番は両日1個ずつ。土曜夜にはSF作家クラブ主催の立食パーティーに出席して、わいわいと賑やかにやってきました。
会場の浪切(なみきり)ホールは岸和田駅から商店街を西に10分ほど歩いたところにある海辺。ショッピングモールに隣接し、週末はかなりの人出。大勢のSFファンもそれほど目立たなかったのではないでしょうか。
今回はもうひとつ目的があり、4年前の冬に亡くなった大学の同級生でSF翻訳家の野口幸夫くんのお墓参りをしたかったのです。
野口くんの出身は岸和田の南隣の町・和泉佐野だったので、ご家族にうかがったところ墓所は岸和田市内だとのこと。知らせてもらった位置はSF大会会場から直線距離にして1キロほどのところでした。
ということで、24日の午前中、翻訳家の嶋田洋一さん、日暮雅通さんと3人で墓地を訪れ、なんとかお墓にたどり着いて、お参りをしてまいりました。お葬式が行なわれず、きちんとお別れができてない感じで、気がかりだったのですよね。
お墓参りを済ませ、嶋田さん、日暮さんと一緒に浪切ホールの方角に歩いていた時、町角に若い衆が集まっているのに出遇いました。来月13、14日に開かれる「だんじり祭」の準備で、だんじりを引き出し、曳き回す練習をするところのようです。
これは良いところに出くわしたと思い、デジカメを出してだんじりを撮影しようとしていると、突然、怒鳴られました。
「何やっとんじゃ! 写真撮るなよ。カメラ、アウトじゃ!」
缶ビール片手に若い者を指導しているお兄さんの一人です。河内より2倍怖いという和泉の衆のあらくれ口調なので迫力があります。
すごすごとカメラをしまおうとしていると、別のお兄さんが「ええよ、ええよ、撮ってゆき」といいます。
で、カメラを向けると、またさいぜんのお兄さんが「撮るな、ゆうとんじゃろ!」。
祭の準備は始まったばかり。だんじりの曳き回しもサマになっていないので、人目にさらしたくないというのです。
「はい、わかりました」とカメラをしまうと、また別のお兄さんが「早う、撮ってゆき」。
そんなこんなで貴重な体験をして撮った、だんじり祭の練習の、貴重な写真です。本番はずっとカッコエエんですよ。
野口幸夫大兄のお墓参りお疲れさまでした。
嶋田さん、日暮さんにも同じく。
御三人は、
生前の野口さんを記憶していて、
お葬式もなかった野口さんの
お墓参りが出来ないでいる、
多くの人々(私もその一人)に代わって
お参りしていただいたのだと、
感謝しております。
お盆からは遅れてしまいましたが、
2008年夏のひとつの記憶となるでしょう。
しかし、だんじり祭りに賭けるお兄さんは、
すでに熱いのですね。
お墓の場所がはっきりしましたので、機会があれば、今度はもっと大勢で野口君の墓参をしましょう。