惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

「ぱ」

2013-02-15 21:15:49 | 本と雑誌
 冷たい雨が昼頃から降り、夕方、散歩に出る時もあがっていませんでした。
 あまり歩き回れないので、今日も市の文化会館へ行って、階段を12階まで登りました。
 展望ロビーから西の空を眺めると、雲の切れ間が赤く輝いています。天気は回復しつつあるらしい。
 案の定、また1階まで歩いて下りて外へ出ると、雨はやんでいました。明日は良い天気だな。

 「右」と「左」は結構むずかしい問題ですが、大森望責任編集『NOVA9』(河出文庫)所収の浅暮三文「晩夏」を読んで、またぞろ頭を抱えてしまいました。
 この短編では主人公のもとへ「は」が訪ねてきます。本当は「ぱ」なのですが、半濁点「゜」を落っことしてしまって「は」になったのです。
 落ちた「゜」は主人公が拾って何だかわからないまま、アパートの自室に持ち帰っている。それを返してもらいたいと言ってやって来たのです。
 不憫に思った主人公は「゜」を返してやる。すると相手は――

 へへへ、これこれ。これがないとどうも落ち着かなくてね。「は」は受け取った輪を右肩の上辺りに器用に担いだ。すると「は」は「ぱ」になった。……
 「右肩」でいいんでしょうかね?
 主人公から見ると「右側の肩」だけど、「は」自身にとっては「左肩」になるのでは?
 いや、それは「は」がこちらを向いているという前提での話で、「は」は実は向こう向きなのかも。だとしたら右肩でいいことになりそうだし……。

 果たして文字はこちらを向いているのか、向こうを向いているのか。
 それにしても、「向こうを向く」という日本語も変な言い方だな。ああ、もう、何がなんだか……。


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