午後、南青山の推理作家協会事務局へ。
ここへ来るのは初めて。毎月1回行なわれている「土曜サロン」という催しに、今回は最相葉月さんが招かれ、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)のお話をなさるというので出かけたのでした。
ここへ来るのは初めて。毎月1回行なわれている「土曜サロン」という催しに、今回は最相葉月さんが招かれ、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)のお話をなさるというので出かけたのでした。
近所にお住まいの最相さんはビアンキの小さなタウンサイクルで登場。後ろに取り付けた大きめのサイクルバッグがお洒落です。
お話は大橋博之さんが聞き役になって、最相さんが答えるという形で進行。取材のきっかけから、資料のこと、星新一さんの父親・星一(はじめ)さんのこと、星さんの異性観など盛沢山な内容でした。
私のいちばんの印象は「星家は謎だらけ」というもの。
星さん自身が父親から身の回りのことについて、ほとんど何も聞かされていない。そして、星さんも家族には自分や家族のことなどほとんど何も語っておられなかったようだ。
この評伝が出来ての、星さんの奥さんの感想――「これで色んなことがわかりました」。
もっとも、本に書かれた事実が判明するたびに、最相さんは奥様に報告なさっておられたとのこと。評伝は書いたものの、クレームで本が回収されたりすることがないよう、細心の注意を払われたようです。
膨大な資料を整理し(まだ作業が一部残っているそうですが)、大変な労作を書き上げられたとは思えないような軽やかな印象を、最相さんからは受けました。また、細かい質問にも精確にお答えになる様子は、頭脳の構造が緻密かつ整然たるものであることを物語っています。
これからさらに、星さん関係の成果が積み上げられることに期待するとともに、新たなお仕事がどのようなものになるかも楽しみです。
そちらの方にまで最相さんのお声が届いたか、を心配しておりました。
お声は聞きとれない時もありましたが、まあ、おおむね……。