金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

Always三丁目の夕日'64、まぁ楽しかったです

2012年01月23日 | 映画

昨日(1月22日日曜日)僅かに風邪の気配を感じながらも、前日からの約束なのでワイフと武蔵村山のワーナーマイカルに「Always三丁目の夕日'64」を観に行った。シリーズの最初の年代設定は1958年だったから6年の歳月が流れた。今回の映画は二つのイベントで構成されている。一つは自動車修理工場で働いている堀北真希演じる六子の結婚。もう一つは売れない作家に養われてきた淳之介が吉岡秀隆演じる売れない作家の元を離れることだ。

そこにあるのは「育ての親」と「育てられた子」の強い親愛の情だ。それをもっとしんみりと描くこともできるのだろうが、映画では堤真一演じる工場オーナーの大袈裟でコミカルなタッチなどでさらりと流していく。

またテーマとしては「本当の幸せとは何だろう」ということが語られている。六子と結婚することになった森山未来演じる青年医師は地位やお金を求めることなく、貧しい人に無償診療を行なうことに人生の意味を見いだしている。

結構重たいテーマなんだけれど、これもさらりと流されている。楽しい中にちょっと考えさせられるところもある・・・という映画だった。

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Railways、終着駅は始発駅

2011年12月26日 | 映画

12月の初旬に封切りされたRailways~愛を伝えられない大人たちへ~をようやく観た。

舞台は富山地鉄。立山連峰の雪景色がきれいだ。三浦友和演じる地鉄の運転手はまもなく60歳の定年を迎える。余貴美子演じる妻は、若い時の経験を活かし再び看護師になろうとする。しかし夫の反対にあう。やがて妻は家を出て一人で働き始める。だがある出来事から夫は妻の仕事に理解を示すようになり、一度離婚届を出した二人は夫の定年退職日に再び結婚する。そして夫は再雇用で運転手を続けるという話だ。

ここには定年退職を前にして揺れ動く男の心、自分の生きがいを実現させたい妻、自宅で尊厳のある終末を迎えることに拘る高齢者(吉行和子)など今日的なテーマが一杯詰まっている。

共通点は誰しもが「自分で納得できる人生を送りたい」と考えていること。夫はその妻の気持ちを理解する必要があり、医師は高齢者のその気持に沿う医療サービスを提供する必要がある・・・・ということを改めて教えてくれる映画だ。

60歳の定年は昔は終着駅であった。だが今は一つの中継点に過ぎない。むしろ新たな人生の出発駅である。夫の仕事が金科玉条で妻の生活を縛っていた時代は終わるのである。

このことを踏まえて私はむしろ比較的早い時期から、奥さんが外で働きたいあるいはボランティア活動をしたいというのであれば、夫は協力するべきだろうと考えている(私の場合、少なくとも邪魔はしていない)。

夫婦の程良い距離、程よい自立が長続きのコツだと私は考えている。でもそれでは映画にならない。映画を盛り上げるにはクラッシュと再生が必要だが、実生活では小競り合い程度でガス抜きを図り、夫婦が譲り合いを持ってお互いそこそこ納得して生きるのがコツというものだろう。

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映画「ライフ」、動物は高等になると世知辛くなる?

2011年09月19日 | 映画

18日日曜日ワイフと池袋で「ライフ」を観た。象、チーター、カイツブリ、イルカなど多くの種類の生物が食べ物を求め、求愛し、子供を育てる姿が中々感動的だった。一つ一つのエピソードについては、BBC放送やNHKの番組などで似たようなシーンを観たものもあるのだが、まとまると圧巻である。

小さなカエルが生んだ卵を背中に乗せて、高い木の上に生えた草の葉の水たまりに運んでいく姿を見るとドーキンスの遺伝子論を思い出した。20世紀後半の偉大な生物学者リチャード・ドーキンスは「個体は遺伝子の乗り物に過ぎない」と喝破したが、自分が生んだ卵を運ぶカエルを見ているとまさにその思いを強くする。

日本からは地獄谷で冬温泉に入り寒さをしのぐニホンザルが紹介されていた。興味深いのはここのニホンザルの群れには強いファミリーと弱いファミリーがあり、弱いファミリーは温泉に入れて貰えないのである。寒くても温泉の縁で耐えている猿を見ていると動物は進歩するとともに世知辛くなり、差別化が始まると改めて思った。

「ライフ」の最初のエピソードは極寒の南極の氷原で身をもって子供のアザラシを寒風から守る母アザラシの話だった。総てのアザラシは等しく寒風を耐えねばならない。一方寒い冬を温泉でしのぐ方法を発見した猿の世界では力のあるものは楽な生活を送り、力のないものは辛い生活を送ることになる。進化は総て美しいものとは限らないようだ。

そして人間の世界を見ると、育児放棄や幼児虐待など動物の世界では考えられないことが起きている。「命をつなぐ」ということの尊さと重さを教えてくれる、「ライフ」とはそんな映画である。http://onelifemovie.jp/index.html

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「コクリコ坂から」、中々良い映画でした

2011年08月15日 | 映画

8月14日日曜日今日も暑い日。ワイフと車で武蔵村山のモール(ミュー)に「コクリコ坂から」http://kokurikozaka.jp/credit.htmlを観に行った。

「コクリコ坂から」の舞台設定は1963年、横浜の高校だ。港の見える丘の上にある古い洋館の下宿屋を切り盛りする主人公・松崎海は16歳だ。設定からすると海は1947年生まれで私より3歳年上になるが同世代である。

このアニメは高校生の人を恋うる心を初々しく描いたものだ。カルチェラタンと呼ばれる古い文化部部室の取り壊しをめぐるちょっとした紛争。

それらの出来事は多少僕達の青春にオーバーラップするものがある。清々しい映画だった。

映画が終わってモールの中で食事をしようと思ってもレストランの前には長蛇の列ができていた。お盆休みをモールで過ごす人で混み合っている。爽やかな気分は持続しないものである。

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映画「岳」を観た

2011年05月16日 | 映画

5月15日日曜日、ワイフとむさしのミューで「岳」を観た。「岳」はビッグオリジナルコミックに連載されている山岳遭難救助をテーマとした漫画だ。昔2,3度喫茶店で拾い読みした位でほとんど関心はなかったが、山岳映画ということで出かけた次第。

春先の独標から西穂高に向かう稜線(説明はないが、映像から判断)で、アイゼンにダンゴができて(湿雪がアイゼンの爪に着いて固まった状態)歩きにくくなり、アイゼンを外して登り始めた単独行の男性が滑落して、雪の裂け目(シュルンド)に落ちたところから映画は始まる。ヘリの手配が間に合わない中、小栗旬演じる主人公・島崎三歩が駆けつけ遭難者を救助。シュルンドから見上げた空が青いという。

映画の舞台は穂高連峰。一部屏風岩らしいところもでてくるが、撮影の中心は西穂高の稜線ではないか?と思われた。

映画を見ながら私は数年前の初冬、西穂山荘から独標を越えて西穂に向かった時の風景を思い出していた。

写真はその時私が撮った写真だ。

Pb041634 Pb041662

「岳」にも似たような景色が登場し、雪の北アルプスの壮麗な姿を映しだす。「遭難の危険を冒して何故人は山に登るのか?」という問いも発されないし、答えも明示的には語られない。ただこの美しい景色の中に答えはある・・・・ということなのだろう。

山屋の目から見ると嘘っぽいところは幾つもある(例えば長澤まさみ演じる女性山岳警備員が、ピッケルで遭難者の足を切断するところがあるがピッケルのブレードは鋭くないので切断は無理だろうとか)。

だが山好きには面白い映画だ。そして改めて遭難は避けたいと思う。映画で長澤まさみがなんでもない山道から転落して大怪我をする場面があったが、実際山岳事故が起きるのは、厳しい山稜だけではなく、油断している一般の登山道でも多い。

この映画は観る人の体験によって様々な感想を残す映画だ。

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