金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「同性婚を認めない民法などの規定は違憲」東京高裁判決をみてちょっと勉強

2024年10月30日 | ニュース
 今日(10月30日)日中に流れたニュースの中に、「東京高裁が、同性婚を認めない民法などの規定は憲法に違反する」という判決を言い渡しました。
 私は同性婚の問題について、これまであまり関心がなく、詳しいことは知らなかったのですが、ちょっと勉強してみようと思いたちました。
 なぜなら同性婚を認めている国は西側先進諸国に多く、それらの国々は「包摂性が高い」国です。包摂性とは「すべての個人が社会の一員として認められ、平等な権利と機会を享受できる状態」を指します。包摂性が高い社会では、性別、人種、性的指向、宗教などに関係なく、すべての人々が尊重され、受け入れられる環境が整っています。
 今読んでいる「国家はなぜ衰退するのか?」(今年ノーベル経済学賞を受賞したアセモグル氏たちが著者)によると「特権階級が資源や権力を独占する収奪的社会は長期的には衰退するが、すべての人々が経済活動に参加できる機会がある包摂的社会は、経済成長により持続的に発展する」と結論付けられます。
 このように考えてくると「同性婚を認めるか認めないか」という問題を、同性婚を認めないとする法律が憲法に違反しているかどうかという視点だけで論じるのではなく、それが「包摂性の高い社会を作るという理念に適っているかどうか」という視点から論じる必要があります。
 ところで国や国民の権利義務の基本を定めた法典は憲法ですが、国を越えて世界中の人々の行動規範を定めたものに国連憲章やその下部規定としての国際規約がありますね。
 すでに同性婚を合法化している国々では、1948年に国連で採択された世界人権宣言や1966年に採択された国際人権規約を一つの論拠にして、同性カップルの権利拡大をはかっていったようです。
 ここで人工知能の力を借りて同性婚に関する諸外国の法制度を調べてみました(裏はとっていませんので間違いのある場合はご寛容ください)。
 アメリカ合衆国: 2015年最高裁が合衆国全体で合法とする判決をくだした。
 イギリス:2013年に「同性婚法」が成立し、翌年から同性婚が合法化された。
 ドイツ:2017年に同性婚が合法化された。
 フランス:2013年に「同性婚法」が成立した。
 スウェーデン:2009年に同性婚が合法化された。
 中国:同性婚は合法ではなく、社会的な受容度は低い
 韓国:同性婚は合法ではないが、同性カップルの権利を求める運動は活発化している。
 欧米諸国は15年から10年位前に同性婚を合法化しているということができます。
 個々の国がどのような経路を経て、同性婚を合法化していったか?ということは私の勉強の射程外ですが、その根底に包摂性ということを意識した各分野の指導者がいたのではないでしょうか?
 


 
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北朝鮮はなぜ精鋭部隊をロシアに送らなかったのか?

2024年10月28日 | ニュース
 北朝鮮がロシアに約3千名の部隊を派遣し、彼らがウクライナ戦線に投入されるだろうというニュースは、米国や韓国で大きな話題になっていますね。
 私もいくつかの情報源を読みながらこの問題の背景を考えてみました。
まず基本的な事実(らしいこと)を確認しておきましょう。
 それは「北朝鮮が送った兵士は、精鋭部隊ではないようだ」ということです。
 この点について、WSJのNorth Korean soldiers arrive on Russia's front line. How ready are they to fight?という記事は冒頭で、The North Korean troops nearing Russia's front lines with Ukraine may not be the cream of the crop in Kim Jong Un's army.
「ウクライナとのロシア最前線に近づいている北朝鮮軍は、金正恩軍の精鋭ではないかもしれない」と述べています。
 Cream of the cropは直訳すれば「穀物のクリーム部分」とまり最良のものです。記事はビデオ映像や情報当局の分析から判断して、10代か20代前半の徴兵初期段階の兵士である可能性が高く、背が低く、スリムに見えるのは貧しい北朝鮮に蔓延する栄養失調の現れだと述べています。
 この点について、別の情報源によると韓国の金竜彰国防相は「弾除けの傭兵にすぎない」と述べています。
 日本のテレビでは北朝鮮は「暴風軍団」と呼ばれる精鋭部隊を送ったなどと報じられていましたが、実は違うというのが真相のようです。
 ではなぜ北朝鮮は精鋭部隊を送らなかったのでしょうか?
 可能性をあげると次のようなことが考えられます。
  • 第一にロシア側が北朝鮮部隊をいきなり、最前線に投入せず、後方支援などサポート部隊で使う予定なので、最精鋭の部隊でなくても良いという見方です。この見方の問題は、現代的な装備や兵器の運用に慣れておらず、言語の壁もある北朝鮮兵士がサポート部隊として役に立つのか?という点です。
  • 次にウクライナがロシア領土に侵攻している地域などの最前線に投入し、弾除けの傭兵として使うという考え方です。ロシアの伝統的な戦争戦略は敵より多くの犠牲を出しても、最終的な勝利を得るという消耗戦です。現代戦の経験・知識がない北朝鮮の若い兵士が実戦経験豊富なウクライナ軍に対抗することは困難でしょう。
  • 近現代戦の実戦経験不足という点では、北朝鮮の精鋭部隊も同じですから、精鋭部隊を投入しても北朝鮮兵の犠牲は増えると思います。しかも精鋭部隊の損耗が大きい場合は北朝鮮側に次のような問題を引き起こします。精鋭部隊は国防と金政権下の治安維持を担っていますから、精鋭部隊が減少すると、治安維持面で困難が起きると金正恩が判断していることです。
  • また今回北朝鮮がロシアの派兵要請に応えて軍隊を送った理由を考えると第一に「外貨稼ぎ」(韓国国家情報院によると北朝鮮は派兵の対価として一人当たり2千ドルを受け取るという話)です。次にロシアから高度な軍事技術や装備を受け取ることが期待されるでしょう。またロシアとの関係強化は、日米韓に対する対抗力の強化につながると北朝鮮は考えています。
次に北朝鮮から派兵を受け容れるロシア側の問題を考えてみましょう。
  • 国内的には徴兵や自国兵の損耗を抑えることで、国内の反プーチン感情を抑制できるとプーチンが考えた判断できます。
  • 一方西側諸国には「ロシアはプーチンが喧伝しているほどには勝っていない」という分析の根拠を与えることになります。アメリカのシンクタンク38 North(ジョンズ・ホプキンス大学の南北問題研究サイト)はpart of the answer is that Russia is not winning, at least not to the degree that Vladimir Putin would have the world believe と述べています。
 西側諸国が「ロシアはいうほどには戦果をおさめていない」と判断すれば、ウクライナ支援を高める可能性があるでしょう。北朝鮮兵のロシア派遣は、色々なシグナルを送っていますね。
 戦争とは前線で血を流すだけのものではありません。色々な情報を分析して、敵味方の本当の戦争遂行能力を測るというのも、戦争の大事な部分です。誰がこの情報戦で勝っているのかを考えてみるのも面白いですね。

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ウォーキング用の靴は大きめの方が良い

2024年10月27日 | 健康・病気
 健康維持促進のため、バランスのとれた食事、睡眠と並んで適度な運動が推奨されています。適度な運動の代表がウォーキングです。ただしよくウォーキングしている人が正しい、つまり本当に体に良い歩き方をしているか?というと必ずしもそうではないようです。私自身1日平均1万歩を目指して運動していますが、体に良い歩き方についてはあまり考えていませんでした。
 たまたまWSJで「良い歩き方」に関する記事がでていましたので、ポイントを紹介したいと思います。
 なお記事のタイトルはThere's a better way to walk for exerciseですが、一番参考にしたいと思った「ウォーキング用の靴は大きめが良い」をブログのタイトルにしました。
以下記事のポイント
  • 米国心臓協会の研究によると、少なくとも週に150分間早足で歩くと、睡眠の質が向上し、記憶力も向上する。心臓病や糖尿病などの重篤な病気のリスクが軽減され、骨の健康が促進され、体重増加が抑制されることが分かっている。しかしこの150分の歩行の中身についてはあまり明確ではない。
  • バージニア・コモンウェルス大学の運動部門のチーム主任医師のチーザム博士は「両足を揃えてまっすぐ立ち、肩をリラックスさせ、骨盤を中立に保ち、体幹を鍛える。腕は肘からではなく肩から振り子のように前後に自由に振る。足取りは軽く、かかとからつま先まで回転するように着地し、平足着地を避ける。あごは地面と平行を保ち、目の焦点を3メートル~6メートル先に合わせる」と言っている。
  • 別の専門家は「ウォーキング用の靴は自分が持っている靴の中で一番大きなものでないといけない」という。長い間履いていると、足が汗をかいて膨張するからだ。一般に親指とつま先ボックス(靴の先端部分)に親指の爪一つ分のスペースが必要だ、ということだ。
 私が散歩やトレッキング用に履いている靴はこの基準に較べると少し小さいような気がします。登りだけでなく下り坂を歩くことが多いトレッキングでは、足先に遊びがあり過ぎるとつま先を痛める可能性があるからです。
 これに対しては下りでは靴の紐を締めて、甲の部分やサイドで足が前に行き過ぎないようにするのが正しいという話を聞いたことがあります。
 ★   ★   ★
 次にウォーキングシューズを買う時は、一度シューフィッターのいる店で相談しながら靴を選びたいと思うようになりました。
 
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天気が悪い日の富士山案内は「世界遺産センター」から

2024年10月26日 | うんちく・小ネタ
 昨日(10月25日)日本語を教えている中国人学生のご両親が日本に遊びにきたので、車で富士山山麓を案内しました。
 ご両親の訪日の目的の一つは富士山を見ることだったようですが、あいにくの小雨模様で富士山の姿を見ることはできません。ご両親は一週間ほど日本に滞在する予定ですが、この間天気はあまり良くなさそうです。
 前日に今回案内するところをざっとプロットしました。
 まず最初に河口湖ICに近い「富士山世界遺産センター」に行き、次に北口本宮富士浅間神社に参詣し、忍野八海に寄り、山中湖を一周してから山中湖ICから高速道路に乗って帰京するというものです。
 昨日は午前9時に待ち合わせ場所の西武柳沢駅を出発。談合坂SAでトイレ休憩の後、富士山世界遺産センター到着11時でした。
2016年にオープンした施設ですが、今まで来たことはありませんでした。
富士登山の動画などを見ることができるので、初めて富士山に来た人には役に立つ施設ですね。また入館無料というのがありがたい。我々が行った時の入館者の9割近くは外国人でした。
 お昼はここのカフェでうどんを頂きました。
 ランチの後は北口本宮浅間神社へ。
 この神社の素晴らしさはまず参道の杉木立ですね。天を衝くように真っすぐ伸びた杉の木は荘厳そのものです。
次の大鳥居が立派です。
扁額には三国第一山と書いてあります。日本・中国・インドの三国の中で一番美しく高い山という意味です。高さはヒマラヤの高峰に譲る富士山ですが、美しさは世界有数でしょうね。
そして本殿の前の推定樹齢千年の杉が素晴らしかったですね。
次に忍野八海に行きました。
忍野八海の観光スポットには大勢の観光客が押し寄せていました。その大部分は外国人観光客で、外国人観光客の多くは中国人です。
忍野の一部では紅葉が始まっていました。
最後は山中湖を車で一周。
白鳥が岸辺に来ていました。
3時過ぎに山中湖ICから高速道路に乗り、西武柳沢に戻ったのは5時前でした。
平日でしたので、小仏トンネルの渋滞もなく楽しい半日ドライブ旅行になりました。ご両親は日本語はいうまでもなく、英語も話されないので、スマートフォンの通訳アプリVoice Traのお世話になりっぱなしでした。かなり役に立つアプリですね。ただし時々誤訳をします。中国語は話せなくても、訳出された漢字を見て「こりゃ違う」と分かるのです。
 ということは中国語や英語では通訳アプリを使うことができますが、まったく知らない言語の場合、誤訳リスクをチェックできないということです。
 便利な通訳アプリですが、万能ではありませんね。

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トランプ氏、ハリス氏に僅差でリード

2024年10月25日 | ニュース
 今週の日曜日は衆院選挙の日ですね。この選挙で私が興味を持っていることの一つはNHKが各候補の当選確実を出すのに、どれ位時間がかかるか?という点です。従来は開票開始時間早々に当選確実を出している場合が、多かったと思いますが、大接戦が予想されている中、今回ははやばやと当確を出せるケースは大幅に減っているだろうと思います。
 さて接戦というと、あと2週間に迫った米国大統領選挙も大接戦ですね。
 大接戦ですが、世論調査によるとここに来て、トランプ氏のリードがやや広がってきたようです。
 23日付のWSJの最新調査によると、トランプ氏が47%対45%でハリス氏をリードしています。8月時点の調査ではハリス氏が2%リードしていたのですが。ただし誤差の範囲はプラスマイナス2.5%ということですから、ハリス氏が勝つ見込みもない訳ではありません。
幾つかの争点の中でトランプ氏が有利な立場にいるのは「移民問題」「経済」「インフレ」「イスラエル/ハマス問題」でハリス氏が優位なのは「妊娠中絶」と「社会保障」です。
 特に移民問題についてトランプ氏が優位に立っている理由は、最近の選挙活動で不法移民が余り家人の個人の安全と雇用の機会に対する危険であると指摘することに重点を置いているからです。
 WSJの調査によると、有権者の23%は、移民問題が候補者を選ぶ最大のポイントだと述べています。
 ということで、現時点ではかなりの確率でトランプ氏が次の大統領になる可能性が高いようですが、トランプ氏と渡り合えるのは誰か?ということを頭の隅に入れながら、衆院選の投票場に足を運ぶのも面白いかもしれませんね。

 

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