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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

トランプは皇帝にはなれない。頻繁に発言を翻すようでは。

2025年04月23日 | ニュース
 トランプ大統領の就任以来の行動を見ていると、大統領令を頻繁に発出し、かなり独裁者的に振る舞ってきたと私は感じていた。
 ここ数日政策金利を引き下げないパウエル連銀議長に対し、ソーシャルメディアに「パウエル議長の解任が早く来て欲しい」と書き込むなど言いたい放題だな、と呆れていた。
 そのトランプだが昨日は「金利引き下げにもう少し積極的になって欲しいが、パウエル議長を解任する予定はない」と大統領執務室で発言し、さらに中国に対する関税を引き下げる可能性を示唆した。
 市場はこの動きを好感し、ダウ、S&P500,ナスダックとも2.5%を超える上昇となり、ドル円為替も142円台半ばまで戻してきた。
 しかしこれで市場が落ち着くと考える人は多くないと私は思う。
 理由はトランプ大統領が発言を頻繁に翻すからだ。

 中国に「綸言汗の如し」という古い諺がある。綸言というのは皇帝の言葉で、皇帝の言葉は一度発せられるとかいてしまった汗のように戻すことはできないという意味だ。
 国家の支配者の発言は神聖で絶対無謬性を有するとされ、皇帝が自分の発言を訂正することは、自ら皇帝の権威を貶めてしまうためタブーだったのだ。
 トランプ大統領は皇帝ではない。今のところプーチンや習近平ほどの独裁者でもない。本人は大統領に3選されて独裁的権限を強めたいと考えているかもしれないが。
 しかし私はトランプのように自らの発言をコロコロ変える人は指導者としての権威を貶めていると思う。
 「綸言汗の如し」に相当する英語のことわざは知らない。
 ただ昔娘がユーヨーク公共図書館でお土産に買ってきた冷蔵庫用マグネットプレートに次の文字があった。趣旨は同じだろう。
 Think before you speak. Read before you think.
 この言葉をトランプ大統領に当てはめるなら次のとおりだろう。
「発言する前に後先のことを考えてくれ。考える前に歴史や経済・金融理論を読んでくれ」

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「アメリカ売り」強まり、大恐慌以降最悪の4月へ

2025年04月22日 | ニュース
 昨日(4月21日)米国株はまた大きく値を下げた。
 直接の原因はトランプ大統領が政策金利引き下げに動かないパウエル連銀議長を解雇すると脅しをかけたことだ。
 WSJはFed, Tariff fears send Dow down more than 900 pointsという記事で、4月の株価のパフォーマンスは大恐慌の1932年以降で最悪に向かっていると警鐘をならしている。
 先週トランプ政権が一部の関税引き上げを90日間棚上げしたことを好感して市場に若干落ち着きが戻ったが、それも束の間、連銀議長を解雇すると脅かしたり、ハーバード大学との緊張高まりなどで「アメリカ売り」が高まりつつある。

 トランプ大統領の動きを見ているとローマの共和制末期にカエサルが独裁官に選ばれ、権力を集中し、やがて暗殺された時代やその後の属州の経済発展によりローマが財政破綻をしたことなどと風景がかさなる。
 トランプについて好意的な見方をすれば、全盛期のローマと同じように勢いのあったアメリカは中国などに工業製品の生産を委ねたことで、慢性的な貿易赤字に苦しむ。
 そこにでてきたトランプは、大統領令という武器を振りかざして、権力を集中し、本来政策中立的な中央銀行や大学にまで圧力をかけ、関税政策を遂行しようとする。しかし権力の過度の集中は共和制の危機と感じる反対派や一連の政策でパーソナルファイナンス基盤を危うくされた市民の猛烈な反発を招きつつあると私は見ている。

それはそれとして記事の概要を紹介しておきます。

株式市場は、連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任を示唆するトランプ大統領の脅威と関税に対する懸念から大幅に下落しました。ダウ平均は972ポイント下落し、1932年以来最悪の4月を迎える見通しです。ドルは主要通貨に対して数年ぶりの安値を記録し、長期国債利回りも上昇しました。金は記録的な高値に達し、安全資産としての需要が高まっています。投資家は、FRBの独立性に対する信頼が損なわれることを懸念しています。

トランプ大統領のFRB議長解任の脅威と関税懸念により、株式市場が大幅下落。
ダウ平均は972ポイント下落し、1932年以来最悪の4月に。
ドルは主要通貨に対して数年ぶりの安値を記録。
長期国債利回りが上昇し、金は記録的な高値に。
テクノロジー株や消費財株が特に打撃を受け、テスラ株は2025年に44%下落。
投資家はFRBの独立性に対する信頼の喪失を懸念。


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Pixel9aの長時間露光写真

2025年04月21日 | デジタル・インターネット
グーグルのスマートフォンPixel9aのカメラには幾つか面白い機能があります。
その一つが「長時間露光」です。これはスローシャッターです。下の写真は風でざわつく新緑を撮ったものです。シャッター速度が遅いので木の枝がうねっている様が写っています。
シャッター速度を遅くすると長時間露光の写真を撮ることができますが、シャッター時間を長くする光が入り過ぎて写真は真っ白になってしまいます。そこで一般のカメラの場合は、ND(Neutral Density)フィルターという減光フィルターを使って「光の量を抑える⇔シャッター速度を遅くする」ことで、長時間露光写真を撮っています。
ところが最近デジタル一眼で物理的なNDフィルターを使わずに、電子的なNDフィルターを使うことで長時間露光写真撮影を行うカメラが出てきました。
 Pixel9aはこれとおなじような電子的NDフィルターを使っているのだと思います。
さて下の写真は同じ木の枝を通常の設定で撮影したものです。
木の葉が一枚一枚くっきり写っていますね。
どちらの方が面白い写真か?というと私は新緑の中を吹き抜ける風の感じを捉えている点で上の方の写真の方が情感がでていると思いました。





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トランプ政権の関税政策の落ち着きどころは?

2025年04月20日 | ニュース
この問題は投資家、政治家、一般消費者など多くの日本人に関心の高いテーマでしょう。
これを最近買ったグーグルのスマートフォンpixel9aのgeminiに聞いてみました。
この回答に満足するかどうかは読者諸氏次第ですが、基本的な論点は押さえていると思います。

トランプ政権の関税政策については、アメリカ国内でも様々な意見があり、落ち着きどころを予測することは困難です。しかし、いくつかの可能性を考慮することができます。
アメリカ国内の状況:
* 支持層:
* 一部の製造業や農業従事者は、国内産業の保護を目的とした関税政策を支持しています。
* 「アメリカ・ファースト」を掲げる層は、貿易赤字の削減や雇用創出を期待しています。
* 批判層:
* 多くの経済学者や企業は、関税によるコスト増加や貿易摩擦による経済への悪影響を懸念しています。
* 消費者団体は、輸入品の価格上昇による生活への影響を懸念しています。
* アメリカの輸入に頼っている企業からの反発も大きい状況です。
国際的な状況:
* 主要な貿易相手国(中国、EU、日本など)は、アメリカの関税政策に対して報復措置を講じる可能性があり、貿易戦争に発展するリスクがあります。
* 国際的なサプライチェーンの混乱や、世界経済の減速を引き起こす可能性もあります。
落ち着きどころの可能性:
* 段階的な関税の撤廃:
* 貿易交渉の進展や経済状況の変化に応じて、段階的に関税を撤廃していく可能性があります。
* 特定の産業や製品に限定して、関税の引き下げや撤廃を行う可能性もあります。
* 貿易協定の締結:
* 主要な貿易相手国との間で、新たな貿易協定を締結することで、関税の引き下げや撤廃を行う可能性があります。
* 既存の貿易協定(USMCAなど)の見直しや修正を行う可能性もあります。
* 国内産業への支援策との組み合わせ:
* 関税による保護と並行して、国内産業の競争力強化のための支援策(技術革新、インフラ投資など)を組み合わせる可能性があります。
* アメリカ国内の政治情勢の変化:
* 大統領選挙の結果や議会の構成によって、関税政策が大きく変更される可能性があります。
今後の展望:
* トランプ政権の関税政策は、アメリカ国内の政治情勢や国際的な経済状況によって大きく左右される可能性があります。
* 今後の貿易交渉の行方や、主要な貿易相手国の対応が注目されます。
* アメリカ国内の消費者物価高騰がどこまで、進行するのかも、重要な要素になります。
これらの要素を考慮すると、トランプ政権の関税政策がどのような落ち着きどころを見出すかは非常に不透明であり、今後の動向を注視する必要があります。

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アメリカ人もトランプには疲れている

2025年04月19日 | ニュース
 ニュース番組になるとトランプの話題がでない日はない。トランプ大統領は思い付き的な発言が多く、一貫性に欠けるので疲れるのだ。
 少し前にこんな発言が新聞に取り上げらていた。
「日本に何回も行っているがアメ車を見たことがない。アメリカには日本車が沢山走っているのだが…」
 こんな話を聞かされたら交渉担当者は即座に次のように切り返すべきだ。
「日本のスマートフォンでiOSかアンドロイド以外のOSを見つけることはほぼ不可能だ」
 貿易赤字が積みあがっているアメリカだが、ソフトウエアなどIT部門などサービス部門は堅調だ。もっともモノの輸入に較べるとサービスの輸出は金額的に少ない。ただし30年位前に「これからはモノ作りはアジアに国に任せて自分たちはソフトウエアや知的サービスに注力する」と国のかじ取りを決めたのはアメリカなのだが….
 疲れているのは日本だけではない。アメリカ人も疲れている。
 WSJのオピニオン欄にAmerica Get Trump fatigue「アメリカはトランプ疲労だ」という記事が出ていた。
 トランプの暴走を止めることができるのはアメリカ人の疲労感だけかもしれない。
 AIに記事のサマリーを作って貰った。

アメリカはトランプ疲れを感じている。彼の焦点の欠如と絶え間ないペースが多くの有権者を心配させ、混乱させている。トランプ大統領の第2期が始まってから100日も経たないうちに、多くのアメリカ人が疲れ果てている。彼らは経済の活性化と価格の低下を求めていたが、トランプ氏はインフレ対策よりも関税の引き上げに固執している。さらに、毎週新しい問題が提起され、メッセージの一貫性が欠けている。トランプ氏は、政策をエグゼクティブオーダーで進めることを好むが、これは将来の大統領が簡単に撤回できるリスクがある。彼の復讐心はしばしば逆効果を招き、外国の政党を助ける結果となることがある。アメリカは依然として高度に分極化しており、トランプ氏の支持率は低下している。
キーポイント
トランプ大統領の第2期が始まってから、多くのアメリカ人が疲れを感じている。経済の活性化と価格の低下を求める有権者の期待に応えられていない。
トランプ氏の政策は関税の引き上げに固執している。
毎週新しい問題が提起され、メッセージの一貫性が欠けている。
トランプ氏はエグゼクティブオーダーを好むが、これは将来の大統領が簡単に撤回できるリスクがある。
トランプ氏の復讐心はしばしば逆効果を招き、外国の政党を助ける結果となることがある。アメリカは依然として高度に分極化しており、トランプ氏の支持率は低下している。

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