監督 ダニエル・アルフレッドソン 出演 アンソニー・ホプキンス、ジム・スタージェス、サム・ワーシントン
実際にあったハイネケン誘拐を映画化したもの。予告編で見たアンソニー・ホプキンスの演技に余裕があっておもしろかったので、見たのだが……。
予告編で十分の映画だった。「大金と多くの友人を同時に手に入れることはできない。どちらかしか手にできない」というハイネケンのことば通りになるだけの映画。犯人がハイネケンを苦しめるというよりも、落ち着きはらったハイネケンによって、犯人側が動揺する。その変化を描いている。固い友情がだんだん乱れてくる。そのストーリーは手際よく処理されているが、肝心のハイネケンと犯人たちのかかわりが意外と少ない。
見どころは一か所。
誘拐されてもなお威厳を保っているハイネケン(アンソニー・ホプキンス)が生きている証拠の写真を撮る。ハイネケンは「髪が乱れている。櫛が必要だ」と要求する。で、犯人側のひとりが「落ち着きすぎている」と言う。ハイネケンが驚怖でおびえている顔でないと、誘拐の証拠の写真としては切実さがない。それを聞いた瞬間、もうひとりがハイネケンの髪を手でクシャクシャにする。ハイネケンが思わず手をはらいのける。その感情がむき出しになった瞬間を写真に撮る。「しまった」とハイネケンの顔がかわる。感情が出た顔をとられてしまった。犯人の思うつぼだ……。
ここがなぜおもしろいかというと。
やっぱり、役者はすごい。うまいなあ、とうならされるのである。実際にアンソニー・ホプキンスは突然髪をクシャクシャにされるわけではない。ストーリーではそうだが、アンソニー・ホプキンスは「脚本」を読んでいて、そうなることを知っている。で、「何をするんだ」と怒るだけではなく、怒った瞬間「しまった」と思う。この感情のはげしい変化を1秒もないうちにやってのける。役者の集中力のすごさを感じるなあ。
このシーン、この演技に★1個を追加した。
(t-joy 博多スクリーン5、2015年06月14日)
*
「映画館に行こう」にご参加下さい。
映画館で見た映画(いま映画館で見ることのできる映画)に限定したレビューのサイトです。
https://www.facebook.com/groups/1512173462358822/
実際にあったハイネケン誘拐を映画化したもの。予告編で見たアンソニー・ホプキンスの演技に余裕があっておもしろかったので、見たのだが……。
予告編で十分の映画だった。「大金と多くの友人を同時に手に入れることはできない。どちらかしか手にできない」というハイネケンのことば通りになるだけの映画。犯人がハイネケンを苦しめるというよりも、落ち着きはらったハイネケンによって、犯人側が動揺する。その変化を描いている。固い友情がだんだん乱れてくる。そのストーリーは手際よく処理されているが、肝心のハイネケンと犯人たちのかかわりが意外と少ない。
見どころは一か所。
誘拐されてもなお威厳を保っているハイネケン(アンソニー・ホプキンス)が生きている証拠の写真を撮る。ハイネケンは「髪が乱れている。櫛が必要だ」と要求する。で、犯人側のひとりが「落ち着きすぎている」と言う。ハイネケンが驚怖でおびえている顔でないと、誘拐の証拠の写真としては切実さがない。それを聞いた瞬間、もうひとりがハイネケンの髪を手でクシャクシャにする。ハイネケンが思わず手をはらいのける。その感情がむき出しになった瞬間を写真に撮る。「しまった」とハイネケンの顔がかわる。感情が出た顔をとられてしまった。犯人の思うつぼだ……。
ここがなぜおもしろいかというと。
やっぱり、役者はすごい。うまいなあ、とうならされるのである。実際にアンソニー・ホプキンスは突然髪をクシャクシャにされるわけではない。ストーリーではそうだが、アンソニー・ホプキンスは「脚本」を読んでいて、そうなることを知っている。で、「何をするんだ」と怒るだけではなく、怒った瞬間「しまった」と思う。この感情のはげしい変化を1秒もないうちにやってのける。役者の集中力のすごさを感じるなあ。
このシーン、この演技に★1個を追加した。
(t-joy 博多スクリーン5、2015年06月14日)
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